昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
「物件価格の波紋現象」
の話から、
オースティン ⇒ サンアントニオ
の方向に向かう波紋現象をお伝えしています。
免責を兼ねての補足になりますが、「物件価格の波紋現象」とは佐藤の造語で正式な不動産用語ではなく、住居物件は近所の類似物件の売却価格に影響されるという性質から価格基準が波紋のように広がっていくような現象を見て個人的な用語として使っているものです。
その波紋の流れを掴んでおけば
⇒ ここの郊外は裾野としての標高(物件価格)は高くなるだろう
⇒ この街は今は裾野の端っこだけれども、将来は標高(物件価格)が高くなることが見えている
そんな風に見立て、先回りして当地の物件がまだ安いうちに購入しておくこと手法も考えられます。
常々アメリカ全土の不動産市場を観察しているとこのあたりの地域市場毎の変化は手に取るように分かり、かつ昨年からのパンデミックによる影響は大抵の地域では
「波紋の動きを加速」
させているようにすら思えます。
そこで今回お伝えしているサンアントニオそのものは歴史も長く、その街の名を最も有名にしているのは
「アラモの戦い」
ではないでしょうか。
その歴史の詳細は割愛しますが、簡単にいうと当地はアメリカの開拓時代にスペイン領にあり、アラモそのものは当時アメリカ領土のどこにでも見られた
「キリスト教への改宗の伝道所」
として1700年代初頭から使われていた場所です。
その地で1836年2月に13日間に渡ってメキシコ共和国軍とテキサス分離独立派が壮絶な戦いを繰り広げた歴史は今でも語り継がれ、アラモ伝道所はその姿をそのまま残しつつ、現在はその一角がショッピングプラザとして街の中心の一つになっています。
その古い歴史の中でサンアントニオはテキサス共和国成立後から一層、今日まで発展が続いてきました。
そんなサンアントニオでは今もなお人口増加が続いており、その長い歴史を通して今では全米でも有数の大都市として発展してきた経緯があります。
このあたりは昨日確認したように将来に向けても人口増加がほぼ約束されており、不動産投資の視点では賃貸需要は引き続き増加し続けることが期待されます。
そこでサンアントニオの将来を占う別の要素として、次に人口動態の側面から街をみていきましょう。
本日も続けます。
サンアントニオの人口動態
サンアントニオを含むテキサス州の多くの街ではヒスパニック系アメリカ人の割合が多い印象があります。
それもそのはずで、現在のアメリカ領土南部の多くがかつてメキシコの領土だったことは周知の通りです。
当時の流れからもアメリカ南部には隣国のメキシコを中心とする生粋のヒスパニックを先祖とするヒスパニック系アメリカ人の人々が数多く暮らしています。
外見は白人ですが
- スペイン語も話せるヒスパニック系白人
- 英語しか話せないヒスパニック系白人
の双方の割合はとても高いものです(前者の方が多い印象があります)。
そこで近年のサンアントニオの人種構成を見てみると
このようになっています。
上記は2013年から2018年の統計ですが常にヒスパニック系白人の割合が5割を超えており、当地では人口の半数以上がヒスパニック系白人であることが分かります。
ちなみに私(佐藤)の仕事仲間や業者にもヒスパニック系白人の人々が多くいますが、彼らの多くはとても優秀です。
英語とスペイン語の二か国語を話す人々が多く、実をいうと
でご紹介したパートナーもヒスパニック系です。
商売をするにしてもとりわけ英語とスペイン語の両方を使いこなす人材はアメリカ合衆国の中でも
⇒ 英語商圏
⇒ スペイン語商圏
この双方を取れるわけですから、むしろ英語しか話せない人々よりも有利なのです。
そこで今度はサンアントニオの人口を年齢別にみてみましょう。
上記の年齢別グラフは
緑 ⇒ 非移民(アメリカ生まれ)
紫 ⇒ 移民
の違いを表しています。
上記もまた2013年から2018年の6年分ですが、2013年から2018年まで順番にクリックして変化を見てみてください。
人口の多い年齢層を順番に並べると
1位:5歳~17歳
2位:25歳~34歳
3位:35歳~44歳
4位:18歳~24歳
5位:45歳~54歳
となっていますが、この順番は6年間一貫して変化がありません。
ということは、昨日の人口増加のグラフと合わせて考えると
⇒ 人口増加の理由は出産が多いことも一因
⇒ 若年層、若い家族の引越しが多い
という傾向が見て取れます。
このサンアントニオのような年齢分布とその推移は街の将来を占う意味でも非常に理想的です。
反対に少子高齢化である場合は先細りの可能性があり、よほど人の流入に力を入れない限り将来は経済力は弱まってくることになります。
サンアントニオの場合は非移民の人々の年齢が2018年時点で31歳とまだまだ若く、先の経済が将来に渡り大きく発展していくだろうことはほぼ間違いありません。
かくして、昨日からの情報と合わせて
- 人口
- 人口動態
の視点で見るとサンアントニオの将来はとても明るいことが分かりました。
このまま進むとサンアントニオにおける「住への需要」は減るどころか増える一方であり、不動産投資市場としての観点でも非常に有望であることが分かります。
そこで、賃貸需要としては長きにわたり安定してくるだろうことは分かりますが、街の経済はどうなのでしょうか。
地元人の平均賃金はもとより、そもそもの雇用環境はどのように変化しているのでしょうか。
賃貸物件のニーズが高まってくるだろうことは間違いないとはいえ、経済的な安定と発展が占えるかは非常に重要な要素です。
明日は不動産需要三大要素の最後、
賃金・雇用機会
についてみていきましょう。
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