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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
モーゲージ金利上昇の動きから、その真因とここから考えられるシナリオについてお伝えしています。
昨日は
「このまま金利が上昇し続けたパターン」
について、近年で最もモーゲージ金利が高かった
2000年代の8%台
を基準にシュミレーションしてみました。
たった今のモーゲージ金利3%と考えると、金利が8%まで上昇した場合は
「人々の住居物件購買力は36%下がる」
ことになり、結果として自宅購入を考える人々は
⇒ 物件価格を下げる
⇒ 購入そのものを見合わせる
のいずれかしか選択肢がなくなり、その場合は物件価格を下に押し下げる要因になってきます。
このシナリオはもちろんFED(連邦準備制度)も米国政府もよく理解しているわけですが、けれどもたった今の至上命令は
「モーゲージ金利(を含む各種金利)の過度な上昇を抑えること」
であるはずです。
特にFED(連邦準備制度)は米国経済にごく直接的に影響し得るモーゲージ金利については積極的に介入し、その急激な上昇を抑えようと動きます。
たった今アメリカ経済のおかれている状況は非常事態と言っても過言ではありませんから、平時と比べるとFED(連邦準備制度)はかなり踏み込んだ施策を取らざるを得ないわけです。
そして通常であればFED(連邦準備制度)がアメリカ不動産市場を安定させる為に使う常套手段は
「Mortgage backed security(不動産担保証券)を購入すること」
です。
簡単に言えば、一般消費者が住居物件を購入してモーゲージローンを組むと債権者である金融機関(融資元)の手には債権が残ることになります。
その債権所有者に対して債務者が毎月の返済を行うことになるわけですが、金融機関(融資元)としては債権を保有して利息を手に入れるよりも債権そのものを売りはらって元金を即座に取り戻し、取り戻した資金で次の融資に回さないと本業が果たせないわけです。
このように不動産担保の証券を含む株や債券等が混在して売買が行われる市場のことを
「Secondary Market(セカンダリーマーケット)」
と呼びます。
過去のサブプライムローン問題ではこのセカンダリーマーケットの中にサブプライムローンがミンチ状態で紛れていたわけです。
そこでこのSecondary Market(セカンダリーマーケット)において不動産担保証券がどんどん売れていくと資金に流動性が出てモーゲージ金利を抑える方向に作用します。
その為に平常時であればFED(連邦準備制度)も適切な範囲でこのMortgage backed security(不動産担保証券)を購入しているわけです。
ところが、今のような非常事態ともいえる時期には金利を低く抑えるにはMortgage backed security(不動産担保証券)を購入するだけでは収まりませんから一歩二歩と踏み込んだ打ち手が必要となってきます。
ここから、FED(連邦準備制度)による「市場への介入」について深く見ていきましょう。
国債を積極的に購入する
まじめな話し、FED(連邦準備制度)のここからの動きは特に注視しておく必要があると思います。
モーゲージ金利の過度な上昇が不動産価格を暴落させる危険性があることは間違いなく、かといってFED(連邦準備制度)が過度に介入しすぎると今度は不動産価格の暴落どころではない混乱を誘発する可能性も否めないからです。
そこで前提として押さえておきたいのは米国政府の赤字運営です。
昨年来の米国政府の赤字は想像を絶するものがあり、数字としては2020年だけで5トリリオン($1=100円で500兆円)の赤字でした。
結果として米国政府としては国債を大量に発行する必要があり、その10年国債金利の上昇がモーゲージ金利の上昇に連動してくるわけですからFED(連邦準備制度)としては
「金利を抑える」
という打ち手が必要になってきます。
そうすると通常どおりにSecondary Market(セカンダリーマーケット)でMortgage backed security(不動産担保証券)を購入するだけではテコ入れが十分に効きませんから、FED(連邦準備制度)が直接米国債を購入する方向に動くことになります。
なぜ米国債を購入するのかと言えば、多額の資金が米国債に入ることで
1.米国債の需要が増える
2.需要が増えて価格が上昇する
3.価格が上昇すると国債金利が下がる
という流れで
「国債の価格上昇が国債金利を下げる」
という効果が出てくるからです。
結果として国債金利が下がると、冒頭におさらいしたように
「モーゲージ金利を抑制する(下げる)」
という結果が出てくることになります。
ちなみに
「2.需要が増えて価格が上昇する」
この部分の補足となりますが、
「え、需要が増えて国債の価格が上昇するって、国債の価格は一定してるんじゃないの?」
「政府資金が枯渇した金額だけ売りに出るんじゃないの?」
という疑問が出てくるところですが、実際は違います。
上記リンク先では個人が米国国債を購入する際の手順が記載されていますが、要するに「米国債の購入単価は変動する」のです。
すなわちここも需要と供給の関係で、FED(連邦準備制度)が介入することで需要がグンと上がり国債価格上昇を起こすことになります。
ここだけを聞くと
「なんだ、じゃあFED(連邦準備制度)が購入するのは過度なモーゲージ金利を抑える結果になって良いじゃないか」
と思えてしまいますが、話はそれだけではすみません。
このFED(連邦準備制度)の過度な介入こそが、アメリカ経済を大きく捻じ曲げる結果になりかねないのです。
明日に続けます。
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