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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
FED(連邦準備制度)の市場介入についてお伝えしています。
アメリカ政府はケアーズ法に基づく各種支援政策の資金源として米国国債を発行する必要があります。
けれども10年国債の金利が上昇してくると、それは不動産市場にとってはマイナスでモーゲージ金利の上昇を引き起こすことは昨日までにお伝えしたとおりです。
モーゲージ金利の過度な上昇は不動産価格の暴落を誘発してしまいますから、FED(連邦準備制度)は市場に介入して米国国債を購入し、
1.米国国債の需要が増える
2.需要が増えて国債価格が上昇する
3.価格が上昇すると国債金利が下がる
という式でモーゲージ金利を下げる政策を取ることが予想されます。
けれどもここは後述となりますが、FED(連邦準備制度)が過度に市場に介入してくるとなると、その後にはFED(連邦準備制度)自身も
- 金利
- アメリカ経済
の双方をコントロールできない事態にすらなりかねません。
その意味ではパウエル議長とその陣営は本当に難しい舵取りと決断を迫られる日々です。
このあたりは
「FED(連邦準備制度)の真の目的は経済の完全掌握」
「アメリカの自由経済は失われるだろう」
「国民の生活は今のマスク着用義務のように、どんどん自由を奪われたものになるだろう」
という陰謀論をよく聞きます。その手の議論は横に置いたとしても、少なくとも
「アメリカの自由経済は失われるだろう」
ではなく実際には
「アメリカに自由経済はもはや存在しない」
が正しいでしょうし、今からの後戻りはまず不可能です。
歴史を振り返る時に今のアメリカはローマ帝国が滅ぶ直前の経済事情に酷似しつつあるように思いますが、だからこそ目をつぶるのではなく、現実を直視して先に起こり得る事態を想定しながらリスクをコントロールする能力が個々人に求められているように思います。
本シリーズはやや経済論のような調子になりつつありますが、極力難解な解釈や専門用語は避けつつ、先の不動産市場を推し量るのに最低限の話題には触れておきたいと思います。
本日も続けます。
FED(連邦準備制度)はどうやって国債を購入するのか
そこでFED(連邦準備制度)が積極的に市場に介入して米国国債を購入しようとする時、そこに出てくる疑問は
「FED(連邦準備制度)はどうやって国債を購入するのか?」
です。
もちろんアメリカ政府がFED(連邦準備制度)に国債を無料で提供するはずがなく、そもそも支援対策資金が必要だからこそ国債を発行していますし、お金と交換できないのならば金利の抑制も何もありません。
この点はFED(連邦準備制度)による国債購入の資金源として
「FED(連邦準備制度)は好きなだけドル紙幣を刷って、その紙幣で国債を購入するんだろう」
と思われがちですが、実はそんなことはないのです。
現実には「紙幣を大量に刷る」という表現は物理的に銀行券の総量が増えるというよりもここでは帳簿上の話であり、実際にはFED(連邦準備制度)が米国国債を購入する時には金融機関の
Bank Reserves(銀行準備預金)
を増やす手段を使います。
各銀行はFED(連邦準備制度)の指導により常に一定額のBank Reserves(銀行準備預金)を保っておくことが義務付けられており、FED(連邦準備制度)が米国国債を購入する際にはこのBank Reserves(銀行準備預金)を銀行側の貸方につけてあげるのです(あくまで帳簿上の話)。
するとバランスシート(貸借対照表)で見ると、昨日触れた
「Mortgage backed security(MBA:不動産担保証券)」
と合わせて考えると
FED(連邦準備制度)バランスシート
資産:MBA(不動産担保証券)
負債:BR(銀行準備預金)
このバランスが国債購入後に
資産:MBA、Ten-year Treasury(10年国債)
負債:BR、BR(貸方につけてあげたBRはFEDにとっては負債)
となるわけです。
そしてFED(連邦準備制度)が介入を繰り返し続けると、それは金融機関にとってはBank Reserves(銀行準備預金)が増え続けることを意味します。
そうすると金融機関にとってはBank Reserves(銀行準備預金)は負債の反対の資産ですから、金融機関ではBank Reserves(銀行準備預金)という資産が増え続けることになるわけです。
けれどもここから、事は厄介な方向に進むことになります。
簡単にいえば、金融機関としては
「Reserves(銀行準備預金)をだぶつかせても仕方がない」
という話で、FED(連邦準備制度)から求められている最低限のBank Reserves(銀行準備預金)以外はTreasury Bills(T-Bill:米国財務省短期証券)を購入するのです。
このことを金融機関のバランスシートで見ると
金融機関バランスシート
資産:BR(銀行準備預金)
負債:TB(米国財務省短期証券)
となります。
そしてまさにここがポイントですが、FED(連邦準備制度)からのBank Reserves(銀行準備預金)が貸方として増えれば増えるほど金融機関のバランスシート上では
資産:BR(銀行準備預金)
↑
↓
負債:TB(米国財務省短期証券)
この間にギャップが生じ、TB(米国財務省短期証券)が足りなくなる現象が起こり得るのです。
すると今度はTB(米国財務省短期証券)の捻じれが問題を引き起こすことになります。
不動産市場に関わるモーゲージの動きを推し量る上で、もう少しだけ経済の動きをみていきましょう。
明日に続けます。
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