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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日はそれなりに頻度の多い
「アメリカ不動産はここから上昇し続けるのか、もしくは下がるのか?」
という趣旨のご質問に対し、
「アメリカ不動産市場は地域市場の塊」
「価格が上昇し続ける市場もあれば、価格が下がる市場もある」
「各地域市場の債務不履行率に注目」
というポイントでお伝えしました。
アメリカ不動産を理解する時にこの「地域市場の塊」という概念は基本として押さえておかなくてはなりません。
それぞれの市場が独特な力学により価格は上限し、かつその傾向は一定期間ごとにことごとく変化していきます。
そこでここからのアメリカ不動産市場を鑑みるに
- 価格が上昇し続ける地域
- 価格が下がってくるだろう地域
は具体的にどのあたりになるのでしょうか。
たった今はアメリカ経済が政府介入により「人為的に疑似的な成長」を続けている最中です。
自由経済の中で日常生活に必要な製品が元気よく行き交うのではなく、意図的にしかも大量に注入される資金で無理やり元気にさせられる経済が健全ではないことは誰にでも分かります。
その副作用は確実に、本年からかなり顕著に現れてくるように思うのです。
そこで投資対象としてここからの不動産市場で狙うべき地域と避けるべき地域はどのように見分けるべきでしょうか。
この点は当ブログでも各市場をご紹介する流れで常々お見せするとおり、市場の良し悪しを判断する必須条件は
「データによる数値で判断すること」
です。
経済の流れはもとより、不動産市場の動きも日常生活の中で何となくはその雰囲気が分かるものの、より厳密に市場を理解しようと思えばデータによる数値で徹底的に理解を深めておくことが大切になります。
数字は嘘をつきませんし市場の健全性を測る拠り所がデータによる数値になりますが、今回は焦点を絞って
「今の時点で避けた方が良い市場」
を見極めていきましょう。
Fringe market(フリンジマーケット:周辺市場)に鍵がある
そこでデータを見ながら判断をするにせよ
「どこのどんなデータを見ればよいのか?」
という話ですが、地域市場の塊であるアメリカ不動産市場を理解する上では
「人口移動のパターン」
が大きな切り口となります。
前提としてアメリカ国内の人々の動き(この場合は引越しによる住居移転)を見ていると分かる特徴の一つに、
「州を跨いだ引越しよりも、州内で完結する引越しの方が圧倒的に多い」
「引越しのほとんどは1~2時間離れた場所への引越し」
という統計があります。
例えば今のアメリカ市場の中でも人口増加が著しい地域の一つに
「アイダホ州ボイシ市」
があります。
数字で言えばボイシ市の人口は過去30年で87%も人口が爆発的に増加していますが、ここだけを聞くと
「なるほど、ボイシ市には全米から人々が集まっているのか」
と思いがちですが実際にはそんなことはなく、ボイシの人口流入の大半は西隣のキャニオン郡から流れてくる人々です。
すなわちボイシ市が発展の中心となりその周辺地域から人々が集まってくる構図が出来上がっているわけですが、この流れとは反対に
サンフランシスコ
ロサンゼルス
ニューヨーク
の場合はその中心地から1~2時間離れた場所に出ていくパターンの方が多いものです。
このような、
- 大都市圏の郊外の中でもより中心に近いエリア
- ダウンタウンと経済的にも大きく連動している
- 通勤圏内
- 中心地よりも住居費が安い
という条件を満たす市場を
Fringe market(フリンジマーケット:中心地の周辺市場)
といいます。
特に昨年のパンデミックからこのフリンジマーケットへの流れは顕著なものがあり、今のアメリカ不動産市場を読み解くポイントはこのフリンジマーケットにあります。
リファイナンスの傾向
そこで本題に飛び込む前に、もう一つ押さえておきたいのはリファイナンスの統計です。
昨年はパンデミック以降の3月からFED(連邦準備制度)によるゼロ金利政策の結果、
- ファイナンシング
- リファイナンシング
の数が大幅に上昇しました。
空前のモーゲージ低金利が現れた結果、住居物件・投資物件のそれぞれに融資を受けて購入する人々が増え、かつ今のモーゲージを借り換えて金利と返済期間を有利に再調整する人々が増えたことになりますが、その数は昨年2020年の1年間で
ファイナンシング ... $4.3トリリオン($1=100円で430兆円)
リファイナンシング ... $2.8トリリオン($1=100円で280兆円)
の規模となり、2005年以来の最高レベルとなりました。
また一つの好材料として、リファイナンシングにおいてはキャッシュアウト(物件価値を使って現金を引き出すこと)を目的とする人々よりも、純粋に
- 低金利を利用して今の金利を下げたい
- 返済期間を延ばして返済を有利にしたい
という方向で調整する人々の方が多かったようです。
過去には物件価値をもってキャッシュアウトを目的とする割合が多かったことを考えると、少なくとも今のリファイナンシング組みには
「モーゲージ支払いにゆとりのある人々は以前よりも多い」
ということは言えそうです。
これが為に今のアメリカでは貯蓄率も上がっているのだろうと予想されます(リファイナンシングで得たキャッシュを慌てて使う必要がない)。
ただし本年からのモーゲージ金利の上昇についてお伝えしたばかりですが、ここからはファイナンシングとリファイナンシング共にその数が減少してくることが予想されます。
なぜなら、2021年には昨年比でファイナンシングは25%の減少となっており、2020年第四四半期と比較すると10%の減少となっているからです。
またたった今の時点でリファイナンスが可能な条件を満たす件数(未だリファイナンシングを実施していない件数)は3月上旬の時点で1,300万件弱となり、これは2020年5月以来の低い数字となります。
ということは、
「低金利を利用した勢いはほぼ間違いなく衰え始めている」
ということが言え、本年からのアメリカ不動産市場では人為的な操作ではなく純粋な購買力が試されることになります。
これらの前情報をもって、本年ここからの不動産市場全体を俯瞰していきましょう。
明日に続けます。
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