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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
「今は投資用物件の購入は避けた方がよい、リスクが高いCounty(郡)」
についてお伝えしています。
アメリカ不動産市場を構成する各地域市場の動きを掴む上で、County(郡)はそのデータ上の数字で先の傾向を最も的確に推し量れる単位となります。
本年は少し先になると
- 価格が上昇し続ける地域
- 価格が下がってくるだろう地域
の明暗がよりハッキリと見えてくるだろう中、後者の
「ここは価格が下がってくる可能性が高いから、少なくとも今の時期は購入を避けた方がいいよね」
と判断されるCounty(郡)はしっかりと見極めておかねばなりません。
このことを最もリスクの高いCounty(郡)の順番に並べた時に、
フロリダ州 ... 7County(郡)
ニューヨーク州 ... 5County(郡)
カリフォルニア州 ... 4County(郡)
オハイオ州 ... 4County(郡)
テキサス州 ... 4County(郡)
の5つの州があげられます。
中でもフロリダ州においては7つのCounty(郡)がハイリスクとなっている様子ですが、このリスク基準は
- 賃貸物件率
- 失業率
の2つであり、その地域市場の中で賃貸物件がどれだけ多く存在しているか、そして失業率がどれくらいあるのかによって
Mortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス:差し押さえ権利行使の差し控え)
Eviction Moratorium(エヴィクション・モラトリアム:強制退去の禁止)
これら2つの失効後の影響をモロに受けることになるわけです。
そこでこれら賃貸物件率と失業率を軸にするCounty(郡)のランクづけ並べてみると、
「少なくとも今は投資対象とするべきではない」
という地域市場が明らかになってきます。
ちなみにあくまでも「今は」投資対象とするべきではありませんが、「将来は」投資対象としてよい地域市場かもしれません。
言い換えると、「価格が下落し続ける地域市場」としてクローズアップされるのであれば
「これらの地域市場では投資対象物件を購入するべき絶好の機会が訪れんとしている」
とも受け止められるわけです。
そのような視点で、上記のハイリスク地域市場を上から順番に見ていきましょう。
ハイリスクの賃貸市場トップ10
ハイリスクの賃貸市場を上位から順に並べてみます。
郡 | 州 | 賃貸物件率 | LTV(*) | 失業率 |
Mohave(モハーヴェ) | アリゾナ | 78.68 | 49 | 8.7 |
New York(ニューヨーク) | ニューヨーク | 51.76 | 75 | 9.3 |
Kern(ケーン) | カリフォルニア | 58.96 | 59 | 9.4 |
Horry(ホリー) | サウスカロライナ | 64.76 | 67 | 5.3 |
Collier(コリアー) | フロリダ | 75.85 | 58 | 4.9 |
Polk(ポーク) | フロリダ | 54.19 | 63 | 7.4 |
Philadelphia(フィラデルフィア) | ペンシルバニア | 36.55 | 97 | 9.4 |
Lee(リー) | フロリダ | 60.13 | 60 | 5.7 |
El Paso(エルパソ) | テキサス | 48.81 | 64 | 9.3 |
Wayne(ウェイン) | ミシガン | 42.85 | 74 | 11.3 |
上記はアメリカ合衆国に3,000あるCounty(郡)の中でハイリスクに位置付けられるトップ10です。
トップに挙げられたのはアリゾナ州のモハーヴェ郡。
この地域市場ではなんと78%以上が賃貸物件となっています。
10件に8件近くが賃貸物件であり、住民のほとんどが賃貸暮らしをしていることになります。
この地域のLTV(物件価値に対する融資割合)は49%と物件価値の半分以下に抑えれているものの、その代わり失業率は8.7%と非常に高い推移です。
そうすると当然モハーヴェ郡では今の債務不履行率ではなく将来の債務不履行率も後に続いてくる可能性があり、また賃貸物件が多いだけに物件市場に差し押さえ物件が数多く出てくる可能性が高い地域市場であることが分かります。
そして2番目にはニューヨーク州ニューヨーク郡が位置付けています。
ニューヨーク郡は要はマンハッタン地区のことですが、この地域市場では賃貸物件率が51.76%とほぼ2件に1件が賃貸物件となる割合であるものの、LTV(物件価値に対する融資割合)は75%とそれなりに高いレベルにあります。
失業率に至っては9.3%と高い数字ですから、ニューヨーク郡の場合は債務不履行発生の確率が高いのみならず、いざ差し押さえとなる際はアンダーウォーター(物件価値が融資元金残高よりも低くなる)状態となる物件が多く出てくる可能性が高いわけです。
そうするとやはり今の時期にはマンハッタン地区の物件購入は控えた方が良い、ということになります。
そしてアンダーウォーターが発生する確率でいえば、上記トップ10の中で最も気をつけたいのがペンシルバニア州のフィラデルフィア郡です。
フィラデルフィア郡の市場では賃貸物件の割合こそ上記のトップ10の中では36.55%と最も低いものの、LTV(物件価値に対する融資割合)はなんと97%です。
私(佐藤)も地域市場単位でこのレベルのLTVはあまり見たことはなく、物件価値のほとんどが借入金ですから供給が増えて価格が少し下がると一気にアンダーウォーターに陥る可能性が高い地域市場であることが分かります。
間違いなく、フィラデルフィア郡も今は避けておくべき地域市場です。
ただしこのフィラデルフィア郡の物件もまた、価格がほぼ落ち切った後には今度は真逆の見方で投資機会を狙う市場にもなり得ると思います。
。。。
ここまでは賃貸物件率と失業率の視点からCounty(郡)を見てきました。
そこで市場を眺めるレイヤーを変えて、ここからは改めて債務不履行割合が高いCounty(郡)を拾い上げて精度を高めていきましょう。
明日に続けます。
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