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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
バイデン政権の税制改正案の一つ、
Stepped-Up Basis(ステップドアップ ベイシス)制度の部分的終了
についてお伝えしています。
「親から資産を受け継いだ」
「親の代にキャピタルゲインが発生している」
「けれども受け継ぐ自分にはキャピタルゲイン課税は発生しない」
これが現行のアメリカの税制になっています。
キャピタルゲインがいくら発生しているかは
Basis(ベイシス)… 購入した時点の資産価値(変動あり)
を基準に査定されることになりますが、株であれ不動産であれ、故人の保有期間中に資産価値が上昇したのであれば
現在の価値 - Basis(ベイシス)
の差額に対してキャピタルゲイン課税が課されるべきですが、所有者が故人となり引き継いだ場合には
「受け継いだ時点の資産価値にBasis(ベイシス)が上方修正される」
ことになり、結果として相続してすぐに売却するとキャピタルゲイン課税は発生しないことになります。
このことを
Stepped-Up Basis(ステップドアップ ベイシス)
といいます。
ところが今回のバイデン政権による税制改正法案によると、
「Stepped-Up Basis(ステップドアップ ベイシス)制度の部分的に終了する」
とのこと。
この「部分的」という部分をより明確にいえばキャピタルゲインが
独身世帯 … $1,000,000($1=100円で1億円)
夫婦世帯 … $2,000,000($1=100円で2億円)
以下であれば免除され、それ以上のキャピタルゲインに課税される案となっているようです。
すなわち、少なくとも建前としては
「この法案はあくまでも富裕層を対象とするものである」
というメッセージがここにあります。
Stepped-Up Basis(ステップドアップ ベイシス)の改正による効果は
そこで焦点となるのは
「Stepped-Up Basis(ステップドアップ ベイシス)の改正でどれくらいの歳入増が見込めるのか?」
ですが、まずこのStepped-Up Basis(ステップドアップ ベイシス)の改正については
⇒ キャピタルゲイン課税に対する増税
⇒ Stepped-Up Basis(ステップドアップ ベイシス)制度の部分的終了
この2つが両輪として作用することを理解しておく必要があります。
具体的には
独身世帯 … $1,000,000($1=100円で1億円)
夫婦世帯 … $2,000,000($1=100円で2億円)
これらが免責額となり、この免責額以上は増税されたキャピタルゲイン課税がかかることになります。
実際に法案が可決される場合、キャピタルゲイン課税の税率は39.6%にまで引き上げれるとのこと。
これが実際にどれくらいの効果があるかといえば、連邦政府の試算によると
「10年間で$110ビリオン($1=100円で10兆円)以上の増税が可能」
と見積もられており、単年でも1兆円以上の歳入増が見込めるというのです。
そこで
「富裕層を対象に増税を」
「収入が$400,000以下の米国民には増税はしない」
というスタンスで起案しているバイデン政権ですが、実際には矛盾するケースも出てくることが予想されます。
例えば年収$400,000以下の独身男性がいたとしましょう。
この場合年収は$400,000以下のため、個人に対して増税がなされることはありません。
けれどもこの男性が資産を受け継いでいた場合はどうでしょうか。
ここでは仮に
「購入当初は$400,000の価値だった資産が、$1,500,000まで価値上昇している」
とします。
そうするとキャピタルゲインは
$1,100,000($1,500,000 - $400,000)
です。
けれども独身の場合は$1,000,000まで免除ですから、差額である
$100,000($1,100,000 - $1,000,000)
この部分が課税対象となります。
そしてキャピタルゲイン課税の税率が39.6%であれば
$39,500($100,000 - 39.6%)
これがこの男性が支払うべきキャピタルゲイン課税です。
結果として
「免除額差し引き後に$100,000のキャピタルゲインがあれば$39,500の納税」
となりますが、もしもこの独身男性が貯蓄がギリギリということであれば支払いもなかなか大変かもしれません。
改正後の結果を予想
かくしてここ数日、バイデン政権による税制改正法案の中でも不動産市場に大きく影響し得る
キャピタルゲイン課税に対する増税
1031 Exchange(テンサーティーワン エクスチェンジ)制度の部分的終了
Stepped-Up Basis(ステップドアップ ベイシス)制度の部分的終了
についてお伝えしてきました。
「10年間で$110ビリオン($1=100円で10兆円)以上の増税が可能」
とのことですが、実際はどうなるでしょうか。
あくまでも個人的な意見ですが、おそらくその結果は
「経済格差がさらに拡がる」
ことになるだろうと予想します。
それどころか、バイデン政権としては
「課税対象は富裕層のみ。中間層は増税しない」
という主張ですが、実際に課税されるのは上記の例のような増税の準備が出来ていない中間層がほとんどかもしれません。
そう予想する理由は、法案を見たところ税法を熟知する富裕層にとっては穴が多いからです。
今現在資産を増やし続ける富裕層にとってはほぼ影響はないでしょうし、むしろ今回の法案は経済格差をさらに大きくし、果ては社会不安に拍車をかけてしまう可能性すらあるかもしれません。
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