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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日までは
⇒ 向こう数年の間にアメリカ不動産市場の物件価格に直接的な影響を与えるのはMortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)の失効
⇒ 全体的に債務不履行の割合は下がっているものの、FHAローンに限っては反対に債務不履行の割合が高まっている
⇒ ここからの不動産市場を俯瞰する上では特にFHAローンの債務不履行割合に注目
という点を押さえてきました。
昨日ご紹介した全米各地域市場の中で、通常の債務不履行率のみならずFHAローンの割合まで含めた表を今一度並べてみます。
都市圏名 | 債務不履行 30日以内 | 深刻な債務不履行 90日以上 | FHAローン |
ジョージア州アトランタ、サンディ・スプリングス、アルファレッタ地区 | 17.40% | 12.80% | 21% |
テキサス州ヒューストン、ウッドランズ、シュガーランド地区 | 18.80% | 13.80% | 19.30% |
イリノイ州シカゴ、ナパービル、エバンストン地区 | 19.10% | 14.60% | 14.20% |
テキサス州ダラス、プレイノ、アーヴィング地区 | 15.80% | 11.10% | 14.80% |
ウェストバージニア州ワシントン、アーリントン、アレクサンドリア、D.C.、バージニア、メリーランド地区 | 18.80% | 14.50% | 13.70% |
メリーランド州バルチモア、コロンビア、トウソン地区 | 17.30% | 12.80% | 19.40% |
カリフォルニア州リバーサイド、サンバルディーノ、オンタリオ地区 | 14.30% | 10.50% | 20.60% |
テキサス州サンアントニオ、ニューブラウンフェルズ地区 | 16% | 11.10% | 19.30% |
テキサス州フォートワース、アーリントン、グレープバイン地区 | 15.70% | 11% | 18.30% |
ペンシルベニア州フィラデルフィア地区 | 17.50% | 11.90% | 17.60% |
上記をもとに数字から「要は何なのか」を読み解くうえで、最もリスクが高いと思われる
ジョージア州アトランタ、サンディ・スプリングス、アルファレッタ地区
を取り上げてみましょう。
本日も続けます。
アトランタ近郊に注目してみる
ジョージア州のアトランタ、サンディ・スプリングス、アルファレッタ地区では本年5月の時点では債務不履行の割合は
深刻な債務不履行30日以内の割合:17.40%
深刻な債務不履行90日以上の割合:12.80%
FHAローンの割合:21%
となっています。
債務不履行の割合合計は30.2%となりますので、
「10件中3件以上が債務不履行の状態」
とは極めて深刻な数字です。
単純に考えてMortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)が失効した後には
「100件中30件以上が市場に出てくる」
「1000件中300件以上が市場に出てくる」
というわけですから、数字だけで考えるとジョージア州アトランタ市を中心とする市場では相当に物件数が増えることが予想されます。
とどのつまり不動産価格もまた需要と供給のバランスで決まる上では
供給数が大幅に増加する = 供給増により価格下落の力学が働く
ですから、
「ジョージア州アトランタ市近郊では向こう数年間に物件価格が下がってくる可能性が高い」
となるわけです。
しかもFHAローンの割合は21%と全米で最も高い水準にあり、少なくともたった今の時点では
「向こう数年の間に全米市場で価格下落のベクトルが最も強く働くのはアトランタ市近郊」
と言えるように思います。
ただし、それでは
「アトランタ市近郊は投資対象から外すべき」
かと言えば、私たちにとっては完全に逆の発想で然るべきです。
近年アトランタ市近郊で投資物件を購入された方々の中で
「今のタイミングで売ろうかな」
と考えている方々にとっては売り時は今だと思います。
しかも来月9月からは新学期が始まりアメリカの不動産売買の年間サイクルではオフシーズンに徐々に入り始めますから、一番の高値で売却できるのはたった今である可能性が高いはずです。
けれども売りを急がない場合は今後の市場の動きを注視し、供給数の増加により物件価値は大なり小なり下がってくるかもしれませんが慌てずに状況を見る必要があります。
そして最も目を輝かせるべきは
「アトランタ市近郊で投資物件を購入しようか迷っていた」
という方々です。
アメリカ不動産市場の各地域市場の性格を捉えるのに私(佐藤)自身は各地域市場を
- キャッシュフロー市場
- キャピタルゲイン市場
- ハイブリッド市場
の3つに部類分けしていますが、この中でアトランタ市近郊の物件は近年
キャッシュフロー市場 ⇒ ハイブリッド市場
とその市場の性格が変化してきた経緯があります。
ハイブリッド市場とは
「キャッシュフローとキャピタルゲインの双方が期待できる市場」
の意味で使用していますが、アトランタ市近郊では
このように2008年以降、キャピタルゲイン要素を含む市場へと変化してきていたのです(2008年以降の角度に注目)。
そこで投資家としては冒頭の統計を見て
「アトランタ市近郊は危ない。今後は避けるべき。」
ではなく
「アトランタ市近郊に投資機会が訪れる日は近い。」
と見なくてはいけません。
供給数が一気に増える市場では経済を活性化させる意味でも市場に出てくる物件をいち早く健全に戻す必要があります。
そんな大義名分も手伝い、ハイブリッド市場に興味のある方々はアトランタ市近郊を注視していくとよいと思うのです。
明日に続けます。
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