昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
投資用で検討出来るファイナンシングの種類についてお伝えしています。
不動産金融を語るとき、その究極の形は
「自己資金を使わないこと」
です。
どんなスポーツでも一流のレベルになると匠の技に魅せられるものですが、不動産金融でいう匠の技がこの「自己資金ゼロ」のレベルなように思います(佐藤個人の意見です)。
不動産投資を極めていく人々の不動産金融をマスターしていく順番は概ね
1.自己資金で頭金を入れて購入する(頭金分が手元からなくなり、限界がくる)
2.自己資金で頭金を入れるけれどもリファイナンスで手元に戻す(プロは頭金以上を手元に戻します)
3.自己資金すら使わなくなる
になります。
けれども現実には、8割方の不動産投資家は「1」の段階で立ち止まってしまうものです。
「1」の段階では自分の収入から貯蓄した分しか使えないかつ自分の年収に応じた分しか融資が引けませんから、購入物件数には遅かれ早かれ限界がくるわけです。
そこで「2」以降に進んでいく不動投資家たちは根本的に何が違うのでしょうか。
このレベルになるとリスクも高くなりますが、彼らが行うことは決して違法ではなく、あくまでも合法の世界で匠の技が繰り出されていきます。
柔道に例えるなら幾度となく畳に叩きつけられる如く、不動産事業において大小の失敗を幾度となく繰り返したからこそ辿り着ける不動産金融のレベルです。
そして「3」の段階まで進むと、ROIの公式は
年間キャッシュフロー / $0
となりますから数式としては成り立たず、「Infinite Return(インフィニットリターン)」という概念の表現でしか表すことはできません。
そこで「2」や「3」のレベルとはいわずとも、「1」の段階であったとしても所有する物件数を増やしていきたい人々は多いものです。
そうするとリスクを抑えながらも絶対数を増やしていくとなれば、ファイナンシングのオプションを増やしていくしかありません。
昨日はファイナンシングの類としては最もハードルが高いだろう
Hard Money(ハードマネー)
についてお伝えしましたが、今日はハードマネーよりもハードルが低い手法について見ていきましょう。
本日も続けます。
Private Financing(プライベートファイナンシング)
金融機関にも様々な種類があり、また金融機関の種類によって提供できる融資タイプには違いが出てきます。
- 大手銀行
- 地方銀行
- モーゲージ会社
あたりが最も王道と言える線ですが、これら従来の金融機関から受ける融資に共通するのは
「自分の収入に応じて融資額に限界がくる」
ということです。
この点はモロに自分の年収と関わってきますが、
- 勤める会社の知名度
- 年収の高
- 地位
- 勤続年数
等により融資額の限界は大きく違ってくるものです。
そこで例えば
「銀行から3件以上の融資は出来ないと言われた」
「けれどもこれ以上に所有物件を増やしていきたい」
という場合、4件目に進めるにはどのような方法があるのでしょうか。
ここで登場する概念が
Private Financing(プライベートファイナンシング)
です。
プライベートファイナンシングは読んで字のごとく
「プライベート融資」
ですから通常の金融機関ではなく、その多くは
「個人の裁量で個人間で行われる融資」
です。
個人の裁量とはいえその融資元は法人名義である場合がほとんどですが、潤沢な資金を有する個人・法人が資金を提供してくれるパターンになります。
事実、不動産投資事業において飛躍していく人々はどこかの時点でこのプライベートファイナンシングを経験しているものです。
よくあるパターンとしては業界で活発に活動し続ける中で人脈が広がり、自分に出資してくれる富裕層やビジネスオーナーと知り合い、信頼を勝ち得てプライベートに融資してもらう流れがあります。
その金額と頻度は信頼度にも比例するものですが、いずれにせよここでは伝統的な金融機関が求める制約はほぼなく、個人間で条件が決められることになります。
融資形態としては
⇒ フリップして売却するパターン
⇒ フリップしてそのままホールドするパターン
のいずれかとなり、短期融資か長期融資かが決められることになります。
昨日お伝えしたハードマネーの場合はあくまでも1年間等の短期融資が基本であり、選択肢としては前者である場合がほとんどです。
けれどもプライベートファイナンシングの場合は信頼関係をもって長年の付き合いが背景にあり、融資する側も高利貸しでぼろ儲けする意図はありませんから金利も通常の銀行よりも少し高い程度になるのが一般的です。
Owner Financing(オーナーファイナンシング)
またプライベートファイナンシングとは別に物件数制限を回避する方法として
Owner Financing(オーナーファイナンシング)
があります。
オーナーファイナンシングもまた読んで字の如く、その物件のオーナーがファイナンシングしてくれるパターンです。
つまり
「物件は売却するけれども、支払いはクロージング時に全額である必要はなくファイナンシング形式の支払いでよい」
というオーナーの場合、購入者が物件オーナー本人とファイナンシング契約を結んで毎月少しずつ返済する融資形態になります。
購入者はあたかも金融機関へのモーゲージ返済を続けるかの如く、
元金の一部 + 利息
を毎月オーナーに返済するわけです。
ただし現実にはこのオーナーファイナンシング条件を良しとしてくれるオーナーの絶対数はさほど多くなく、かつ投資家目線では
- 自分が望む地域市場で投資として回る物件
- その物件のオーナーがファイナンシングに同意する
という2つの条件が揃わないといけないことになりますから、そう簡単には見つけられないファイナンシングのパターンではあります。
明日に続けます。
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