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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
久しぶりにカリフォルニア市場について更新情報です。
カリフォルニア市場の動きは概ね米国不動産市場の先行指標として捉えられる向きがあります。
全米で最初に不動産協会が設立されて不動産法が整備され始めたのもカリフォルニア州が最初であり、不動産取引にエスクロー制度を最初に採用したのもカリフォルニア州です。
実際には地域市場によってその性格は多種多様であるものの、大まかな全米不動産の傾向はカリフォルニア州が先行する向きがあります。
前回でいえば2008年以降のリーマンショックの発端となったサブプライム問題も、或いは最も大きな原因を作ったのはキャピタルゲイン市場の中でもカリフォルニア州だったかもしれません。
その影響は全米に余波を送り、結果としてあの時は
1.カリフォルニア州で価格が下がり始める
2.中西部では価格はまだ上がっている
から
1.カリフォルニア州で価格が大きく下がる
2.中西部でも価格が下がり始める
と、海岸部から内陸に余波が伝わっていく様子が見受けられました。
その意味では自分の足元である南カリフォルニア市場もさることながら、全米不動産市場の先行指標という意味でもカリフォルニア市場に常々注目しています。
先日も南カリフォルニアで物件を探すドイツから移住してきたご夫婦がいましたが、今夏に物件を購入したい様子で積極的に一般MLSで探した候補物件情報を送ってこられました(投資ではなく純粋な住居用物件の購入)。
米国での物件購入は初めてとのことで、いずれにせよ物件探しの感触を掴んで頂く意味で数件案内しましたが、最後には
「今の時期は購入は考え直した方がいいですよ」
「もちろんご夫婦でお決めになることですが、私なら今の時期に購入は控えます」
と伝え、その理由を説明したのでした。
リアルター手数料を稼ぐ機会を失う助言をするのもどうかと思われるかもしれませんが、自分の利益よりもクライアント利益が優先でなくてはなりません。
そして実際にどの物件の価格推移を見ても異常な釣り上がり方。
不思議なことに、多くの人々はこのような状況下では
「価格はこのまま上がっていくのでは」
「不動産価格が下がることは二度とないのでは」
そんな錯覚に囚われてしまいます。
けれども「不動産価格が今後全く下がらない」はずがないのです。
カリフォルニア州でも先日の9月30日に
Eviction Moratorium(エビクション・モラトリアム:強制退去禁止令)
が失効すると同時に、ここから先に来年にかけては
Mortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス:差し押さえ権利行使の差し控え)
も予定通り失効されるとなれば、FRBによる
Tapering(テーパリング:量的緩和政策の引き締め)
に伴い市場に出てくる物件数も必然的に増えて
⇛ 需要が減り
⇛ 供給が増える
という力学から価格が下がる可能性は大いにあり得ると思います。
それでもアメリカ不動産への需要そのものは根本的な強さがありますから
「仮に下がっても再び上昇してくる」
という公算は大きいとは思いますが、とはいえ
このような鋭角に異常な上がり方を示しているのが昨今のカリフォルニア市場です。
「金利が低いうちに物件購入を」
そう考えるのは至極当然でしょうし、言い方を変えると金利が上昇し始めると同時に需要は減少すると考えるのが自然なように思います。
そこで統計が出揃った本年8月度のカリフォルニア市場の様子を数字でざっくりと見てみましょう。
本年8月のカリフォルニア州市場の動きで最初に注目しておきたいのは
「先月比・昨年比共に販売数は全ての地域でマイナスに触れている」
という事実です。
米国の不動産市場は夏場がピークであり、特に8月の中旬には公立の学校も夏休みが終わって学校が再開する学区が多く(学期の開始日は学校区により違います)、概ね住宅購入の動きも学校が再開する7月が一番のピークになる傾向があります。
結果として夏場でも7月が最も動きがある時期ということになり、続く8月では販売数が減少するのは自然なことです。
けれども注意しておきたいのは、8月には販売数が減少すると同時に価格の伸びが随分と鈍化しています。
厳密には鈍化が早い印象です。
地域市場によっては中部沿岸部のように4%台の伸びを示したところもありますが、ロサンゼルスや南カリフォルニアでは横ばいです。
ここから秋が深まり冬になると販売数は更に減少すると予想しますが、同時に価格がマイナスに触れる傾向はより強くなるかもしれません。
そして年末年始にかけて、Mortgage Forbearance(モーゲージ・フォーベアランス)の失効がどのような影響を与えていくのかをよく注目する必要があります。
ここから冬場のアメリカ不動産市場をしっかりと観察していきましょう。
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