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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今夏に南カリフォルニアで住居用物件を案内している際、その道中にクライアントからふと聞かれました。
「中古物件ではなく、新築を建てるのはどうだろうか?」
「その方が中古よりも安くつくのでは?」
一般MLSでも土地だけが販売されているパターンがよくあると思いますが、土地のみを購入してそこに新築を建てるオプションも考えたいとの希望です。
不動産価格が高騰している昨今、下手に急いで中古物件を購入するよりも多少時間がかかっても安く済むのならば新築を建てたいと考える気持ちもよく分かります。
答えから言えば、新築物件の方が中古物件よりも安くなるかは
- 物件を建てる地域
- 市場状況
- 物件の大きさ
により大きく違ってきますが、いずれにせよ南カリフォルニアでは新築を自分で建てることはとお薦め出来ません。
その理由は
⇛ 資材の高騰
⇛ 労働力の高騰
⇛ スケジュール監督の難しさ
です。
まず資材に関してはカリフォルニアのみならず、世界的に木材が高騰しています。
その模様は
でもお伝えしましたが、パンデミック以降に資材は高騰し、現場が再稼働し始めている今でも木材価格は高い需要を受けて天井にへばりついています。
そしてカリフォルニアでは労働力もかなりのレベルで上昇中。
この一番の原因はインフレに伴う賃金上昇もさることながら、近年のカリフォルニア州の山火事により被害に合った地域に多くの労働力が向かっているからです。
結果として街に残る労働力はただでさえ需要が多い中、絶対数の少なさから労働力そのものが高騰していることになります。
加えてこれら少ない労働力を雇う上では管理も難しく、かつ施工期間中に資材が届かない等の想定外の事情で個人で新築プロジェクトを行う場合はまず予定通りに完成させることは難しいのです。
このあたりの事情を数字で見てきましょう。
数字で見る新築建設
現在の米国で新築を建てる場合、本来の中央値は$296,652です。
この数字は米国の住居用物件の平均的な2,594 sqf(スクエアーフィート)のもので、1スクエアーフット単位では$115ということにあります。
賃貸物件であれば家の広さは
1,200 〜 1,400 sqf
あたりが適切な広さですが、この場合は単純計算で$115をかけると
$138,000 〜 $161,000
です。
ただし、パンデミック下に平均建築価格は大きく変わりました。
地域市場の独特な事情は横にしても、先に述べた資材の高騰を含めると平均で$35,872も建築費が上昇しているのです。
結果として現在の新築物件建築にかかる費用は
$332,524($296,652 + $35,872)
にまで上昇しています。
この上昇によりとりわけ海岸部では新築の建築コストは大きく跳ね上がっているわけで、この理由でカリフォルニア市場を含むキャピタルゲイン市場では資材の高騰だけを考えても新築物件はお得とは言えません。
けれどもその反対に中西部であれば今でも新築の建築も検討できます。特に将来の発展が大きく見込める街の郊外では新築物件でも安く、このパンデミック下でも上記の新築平均費用よりも10万ドル近く安く購入が出来ます。
私(佐藤)自身もたった今中西部のある地域で新築物件を建設中ですが、常々20〜30年後を考えて投資する上では今の時期でも随分と安く新築を仕上げることが出来るのです。
新築建設にかかる主なコスト
そこで新築物件を建てる際にかかるコストをざっくりと見てきましょう。
建物まわり
壁、窓、ドア、屋根等の建物を形作る上で欠かせない要素は平均$93,279になっています。
内装
内装の大部分を占めるキャビネット、フロア、カウンタートップは平均75,259となっており、特にフロアリングの面積を大きくするほどコストがかかることになります。
キッチンとバスルーム
想像に容易いと思いますが、屋内で最もお金がかかるのはキッチンとバスルームでその平均は$13,540とかなり割高です。
配管とエアコンシステム
物件を建てる時に壁や天井内に仕込む配管の類が3つあります。
それは
- 上水用配管
- 下水用配管
- エアコン用配管
の3種類です。
これらは物件に必須の配管であり、単に配管を設置するのみならず特殊技術を伴う為に大きくコストがかかる部分で、平均は全コスト15%近くの$43,668となります。
設計・エンジニアリング
設計の依頼とエンジニアリングにかかる平均は統計上$4,335ですが、厳密には地域によって違いがあることと、許可等にかかる諸経費を含めるとそれなりに価格が大きくなります。
。。。
新築にかかる平均コストをざっくりと見ていきました。
中古と新築のどちらが有利かは前述のように地域市場により大きく違ってきますが、感覚としては中西部の発展が見込める街では今でも新築建設は有利です。
もちろん中西部でも資材高騰の影響は受けますが海岸部沿い程ではなく、かつ契約した時点で価格はロックされてしまいますので契約期間中に価格がどんどん上がっていくような心配はありません。
むしろ周囲の物件が建築期間中にも価格がどんどん上昇していく場合、
⇛ 周囲の価値に上に引っ張られる
⇛ 新築の為に修繕は発生しにくい(発生してもビルダー保証)
⇛ 新築の為にテナントが付きやすい
という利点も考えられるのです。
その一方でカリフォルニアを含むキャピタルゲイン市場では多重のマイナス要素により新築にかかるコストがかなり大きくなります。
またよほど信頼出来るコントラクターに上手にインセンティブを与えながらスケジュール管理しないと(丸投げはNGです)、いつ完成するか目処が立たない負のループにすらハマりかねないのです。
明日に続けます。
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