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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
新築物件と中古物件を比較しています。
昨日は単純に価格面で比較していきましたが、どちらが安くなるかは地域市場により大きくその答えが違ってきます。
単純な平均のみでいえば、たった今の米国市場では中古物件の中央値は$334,500です。
人気の中古物件の場合の平均的な広さを1,500 sqf(スクエアーフィート) とする時、今の市場であれば1960年代以前の物件でも1スクエアーフィートフットあたりが$223ということになります。
そうすると資産バブルの中で大きく価格が上昇してきた中古物件市場を踏まえると
「新築の方が有利なのでは?」
と思う向きもありますが、決してそんなこともありません。
特にパンデミック以降は資材の世界的な高騰により新築物件にかかるコストも大きく上昇すると同時に、中古物件そのものも大きく値上がっています。
結果として、新築物件を建てるのにかかるコストが平均$296,652のところ、パンデミック後の資材高騰により平均で$35,872もコストが上乗せされ$332,524にまで価格が上昇しているのです。
そのような背景からも全米を通して一緒くたに判断は出来ない上では各地域市場にそれぞれの答えを見つけるしかありませんが、少なくとも中西部では新築の選択もあり得るように思います。
そこで新築物件と中古物件の価格比較としては
「資産バブルの中で特に中西部で新築がより有利な向きも出てきた」
「けれども資材も高騰した為に単純に優位性は問えない」
ことになりますが、新築と中古で大きく差が出てくるのは購入時もさることながら「物件の保有期間」です。
ここでは補足として、メンテナンスの観点から見ていきましょう。
本日も続けます。
中古物件のメンテナンス
不動産物件という現物のハコモノを運用する上では経年劣化に伴うメンテナンスと付き合っていく必要があります。
特に木造物件の場合は外回りも年数と共に痛み、部分的な資材の交換もそれなりに必要になるものです。
また中古物件の場合に気をつけておきたいのは、修繕や交換に大きなコストがかかる部分です。
例えばその代表的なものはエアコン関係ですが、
Furnace(暖房炉)… 平均寿命20年、交換コスト平均$4,451
HVACシステム(空調システム全体)… 平均寿命15年、交換コスト平均$7,000
と結構なお値段がします。
また別の大きくコストがかかる部分が屋根です。
米国の物件で使われる屋根素材で最も多いのは
「Shingled Roof(シングルド・ルーフ)」
と呼ばれるものですがその寿命は概ね25年となり、屋根全体を交換する場合の平均コストは$8,379となります。
そこで中古物件を所有する際はこれらの費用も加味した上で修繕準備金を準備した方が得策です。
ROIに相当にこだわる投資家の場合、これらの大きな費用を自分が被らないよに
「7年程度で1031 Exchangeを使って交換を繰り返す」
という人もいるくらいですが、いずれにせよ中古物件の場合は将来の修繕費用はよくシュミレーションしておきましょう。
シュミレーションする上で通常の
1.中古物件を購入する
2.必要な修繕を行う
3.テナントをつける
という流れで運用を開始した後にどれくらいの修繕がかかってくるかは完璧な予想は不可能ですが、あくまでも平均的な概念として20年落ち以上の修繕済み物件であれば毎月の修繕費は
一戸建て … $200
コンドミニアム … $100
を目安に考えるとよいように思います。
新築物件のメンテナンス
私(佐藤)自身が新築で気に入っている一番の理由は
「極端にメンテナンス費用がかからないこと」
です。
例えば中古物件場合は内装であれ外装であれ、前述の如く適切なメンテナンスが必要になります。
けれども新築物件の場合、自分が一番最初のオーナーであればビルダー保証がついています。
先にあげた交換に平均$7,000以上かかってしまうHVACシステムでも新築の場合は当然ながら新品ですから早々に故障や交換が必要になるはずがありません。
また仮に数年で故障したとしても保証が効いていますから安心です。
そして家全体も新築の場合はビルダーが保証する上で最低でも1年は保証が効いていますが、実際には1年以上保証してくれる場合が多くあります。
とりわけ構造部分などは不備があると致命的な欠陥としてそのビルダーの看板にも関わる事態ですから、意外な程ビルダーは保証をしっかり効かせてくれるのです。
また家の構造そのものとは違いますが、新築では多くの場合
「玄関先や裏庭に何もない(要は殺風景)」
場合があります。
中古物件であれば玄関先に低灌木が並んでいたり、裏庭には大きな「癒やしの木」があったりするものです。
一面、これらの中古物件にすでについている木々は
「物件価値を高める」
という統計もあるほどですが、私(佐藤)の経験上は少なくとも投資物件の運用であればこれらの木々が物件価値の側面で寄与してくれることはほとんどないように思います(ハイエンド物件は別です)。
むしろ低灌木であったとしてもトリミング(剪定)等でメンテナンスコストがかかってしまいますので、賃貸物件を運表する意味では
「玄関先も裏庭も何もない方がいい」
これは間違いありません。
物件に緑があるからといって賃貸契約率があがるかといえばそんなことはなく、低灌木を賃貸契約の決め手にする人はほとんどないと思います。
。。。
かくしてパンデミック以降の資材高騰により価格が値上がってきた新築物件ですが、それでも地域を選ぶならば長い目で見ると中古物件を所有するよりも有利になり得る点があることも事実です。
或いは、メンテナンスにかかる費用をとにかく極小化したいというのであればコンドミニアムが一番です。
コンドミニアムの場合はHOAフィーを支払うことになりますが、このHOAフィーそのものが修繕積立のような側面があり将来の
- 屋根工事
- 外壁工事
等をHOAが賄ってくれることになります。
自分で一戸建てを所有して屋根工事を自分で行うよりはHOAフィーという名の積立てのほうが安くつく場合は多くありますし、
「修繕は物件内のみで最小限にしたい」
という場合はコンドミニアムが無難だろうと思います。
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