昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
インフレの因数となる数字にCPI(Consumer Price Index:消費者物価指数)があります。
いわゆる
「物価がどれくらい上昇しているか」
が一目瞭然に分かる数値ですが、このCPIに伴う近年の米国のインフレ率の変化は
Year | Jan | Feb | Mar | Apr | May | Jun | Jul | Aug | Sep | Oct | Nov | Dec | Ave |
2021 | 1.4 | 1.7 | 2.6 | 4.2 | 5.0 | 5.4 | 5.4 | 5.3 | |||||
2020 | 2.5 | 2.3 | 1.5 | 0.3 | 0.1 | 0.6 | 1.0 | 1.3 | 1.4 | 1.2 | 1.2 | 1.4 | 1.2 |
2019 | 1.6 | 1.5 | 1.9 | 2.0 | 1.8 | 1.6 | 1.8 | 1.7 | 1.7 | 1.8 | 2.1 | 2.3 | 1.8 |
2018 | 2.1 | 2.2 | 2.4 | 2.5 | 2.8 | 2.9 | 2.9 | 2.7 | 2.3 | 2.5 | 2.2 | 1.9 | 2.4 |
2017 | 2.5 | 2.7 | 2.4 | 2.2 | 1.9 | 1.6 | 1.7 | 1.9 | 2.2 | 2.0 | 2.2 | 2.1 | 2.1 |
このように推移しています。
こうしてみると特に本年2021年4月からインフレ率が上昇し、今夏は前年比で5%以上物価が上昇していることが分かります。
前年比5%台で物価が上昇し続けるとは生活者視点では給与が伴わない限りは困るものです。
原則として物価は上昇し続けるものの、ここ数ヶ月で米国では物件がかなり上昇し続けていることが分かります。
上記の変化率を見ても明らかなのは
「将来もモノやサービスの値段は上昇し続ける」
「老後には相当値段が上がっている」
ということであり、見方を変えると
「ドルの価値が下がり続ける」
ことになります。
パンでもバターでもモノそのものは何ら変わるわけでもなく味は今も昔も同じ。
けれども過去と変わらないモノを未来に同じ値段で買えないということは、紙幣の価値が下がっていることになります。
ということは、一定額を銀行に貯金していたとしても10年後20年後には同じ紙幣で購入出来るモノやサービスの総量が少なくなるわけです。
俗に言われる
「Saver is loser(貯蓄者は敗者)」
とはこの意味で、銀行にお金を預けていると安心どころかどんどん損をしていくことになります。
そこで将来のインフレに対抗するには
⇒ 収入を増やす
⇒ 貯蓄金を投資で殖やす
のどちらか或いはその両方しかありませんし、願わくばその両方で着々と老後資金となる自分基金を構築していくのが最善の道です。
インフレの国では不動産投資は危険?
そんなインフレが進む状況下で頂戴する質問があります。
「インフレがどんどん進む上では物件購入は危険ではないでしょうか?」
「物価が上昇し続けると物件維持費も上昇していくわけで、リスクが高くなりませんか?」
という、インフレの世界では不動産投資は危険ではないかというご質問です。
答えからいえば、あらゆる数字が示す答えは正反対で
「インフレであるほど、不動産物件は所有した方が良い」
という事実があります。
特に長くデフレ下にあった日本で暮らしている場合、米国のようにインフレがどんどん進んでいく国の物件を所有していると殊の外有利になると思います。
そして冒頭で示したグラフのように、米国では今夏にインフレが5%台で進んでいます。
ガソリンといった日常に必須のコモディティや生活インフラ、そしてあらゆるモノとサービスの値段が上昇しつつあるのです。
ここからの米国ではインフレは益々加速していくことはほぼ間違いありません。
そうすると
⇒ 給与が上がる
⇒ 貯蓄を自分で殖やす
のいずれかで対策を取らないと、先の登る坂はきつくなるのです。
そして不動産投資の場合は後者の
「貯蓄を自分で殖やす」
に相当するわけですが、冒頭の質問
「物価が上昇し続ける上では物件維持費も上昇していくわけで、リスクが高くなりませんか?」
との懸念とは全く正反対の現象が起こることになり、不動産投資家達はこの状況下に大喜びしており
「このままインフレがどんどん進んでほしい」
と見ていますし、またこの先に更に大きなインフレが予想されるからこそ
「今のうちに物件を購入しておきたい」
という投資家が多いのです。
パンデミック以降に物件価格が上昇し続けてきましたが、その一番の要因はまれに見る低金利に背中を押されたことも大きかったわけで、物件がどんどん上昇する中でも物件を購入する人々は数多くいました。
この点は
「パンデミック下に購入した人々は高値掴みした」
かと言えば、投資物件の場合は答えは全くの正反対です。
もちろん当ブログでも再三お伝えするようにこの先に価格調整が入る可能性はありますが、それ以上に先のインフレを考えると
「購入は早ければ早い方がいい」
ことが数字上は明らかだからです。
今夏もご案内した方々はグッドディールにのみ絞って頂いたつもりですが、いずれにせよインフレ対策の意味でも米国市場に参入した全ての不動産投資家たちは行動を起こした時点で自分基金を一層手堅く出来たことになります。
そして米国では高いインフレが基調にある中で、なぜ不動産物件を所有していると有利になるのかといえば
- インフレに伴う物件価値の上昇
- 借金の低下
- 家賃収益率の上昇
の3つに真因があります。
これらの定義について、ポイントを見ていきましょう。
明日に続けます。
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