こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
先だってインフレ率の因数となる
CPI(Consumer Price Index:消費者物価指数)
の観点から、
「インフレ下で物件を所有することはむしろ有利になる」
という趣旨でお伝えしていました。
その際にCPI(消費者物価指数)を示す下記のグラフ
Year | Jan | Feb | Mar | Apr | May | Jun | Jul | Aug | Sep | Oct | Nov | Dec | Ave |
2021 | 1.4 | 1.7 | 2.6 | 4.2 | 5.0 | 5.4 | 5.4 | 5.3 | |||||
2020 | 2.5 | 2.3 | 1.5 | 0.3 | 0.1 | 0.6 | 1.0 | 1.3 | 1.4 | 1.2 | 1.2 | 1.4 | 1.2 |
2019 | 1.6 | 1.5 | 1.9 | 2.0 | 1.8 | 1.6 | 1.8 | 1.7 | 1.7 | 1.8 | 2.1 | 2.3 | 1.8 |
2018 | 2.1 | 2.2 | 2.4 | 2.5 | 2.8 | 2.9 | 2.9 | 2.7 | 2.3 | 2.5 | 2.2 | 1.9 | 2.4 |
2017 | 2.5 | 2.7 | 2.4 | 2.2 | 1.9 | 1.6 | 1.7 | 1.9 | 2.2 | 2.0 | 2.2 | 2.1 | 2.1 |
こちらをもって、
「今夏は毎月5%以上物価が上昇していることが分かります。」
とお伝えしていましたが、ここは私(佐藤)の間違いでした。
正確には
「毎月5%以上の上昇」
ではなく
「昨年同月比で5%の上昇」
となります。
自分が常日頃いる不動産業界と日常生活では明らかにそれ以上の価格上昇を頻繁に目にすることから、自分の体感で表を見てそのまま「毎月」と記載しておりました。
不手際を深くお詫び申し上げます。
新規にお読みくださる方々に混乱をお与えしないよう、関連記事については修正しました。
また今回の間違いについては記事の投稿後すぐ、国際投資アナリストで不動産投資家のS氏よりご指摘頂いています。
S氏は私(佐藤)が勝手に金融アドバイザーとして拝する方で常日頃からお世話になっており、ありがたくも本件についてすぐに間違いをご指摘頂いた次第です(Sさん、本当にありがとうございました!)。
私も進む道ではこのような間違いを数多くしており、各専門家からのアドバイスなしには今の自分はないものだと思います。
そこでせっかくですのでCPI(消費者物価指数)の変化について、S氏からお寄せ頂いた情報をそのままご紹介します。
CPI(消費者物価指数)変化は
8月の米消費者物価上昇率、前年同月比5.3%上昇、前月より伸び率鈍化
こちらのジェトロによる日本語記事に
「米国労働省は9月14日、8月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比5.3%上昇したと発表した」
とある通りです。
また同じくジェトロの
上の資料では前年同月比と前月比が並べられており、より正確に前年比と前月比の違いが分かります。
インフレ率と住宅価格指数の変化率を比較

そこで上記の消費者物価指数(CPI)の変化を元にするインフレ率と住宅価格の変化と
「インフレであるほど不動産物件は所有した方が良い」
ことの根拠について、ここもS氏からの情報をそのまま下記にご紹介します。
~ ここから ~
アメリカには幸いなことにケースシラー住宅価格指数(20都市)があります。どちらかというと指数そのものより前年比の変化率に注目されます。
その月のケースシラー住宅価格指数の前年同月比の年率をインフレ率も前年同月比と基準を合わせて比較すると、住宅価格のインフレは全体より常に高いことが分かります。
Consumer Price Index Historical Tables for U.S. City Average
米国 S&P/ ケース・シラー住宅価格指数 (20都市・前年比)
*本来ケースシラー住宅価格指数そのものも出すのですが(例えば2021年7月は272.34とか)、このページでは偶然ほしい変化率の推移がわかりますので、これを使います。
住宅指数 前年比 | CPI 前年比 | 差 | |
2021年7月 | 19.9% | 5.4% | +14.5% |
2021年6月 | 19.1% | 5.4% | +13.7% |
2021年5月 | 17.0% | 5.0% | +12.0% |
2021年4月 | 14.9% | 4.2% | +10.7% |
2021年3月 | 13.3% | 2.6% | +10.7% |
2021年2月 | 11.9% | 1.7% | +10.2% |
2021年1月 | 11.1% | 1.4% | +9.7% |
2020年12月 | 10.1% | 1.4% | +8.7% |
2020年11月 | 9.1% | 1.2% | +7.9% |
2020年10月 | 7.9% | 1.2% | +6.7% |
2020年9月 | 6.6% | 1.4% | +5.2% |
2020年8月 | 5.2% | 1.3% | +3.9% |
2020年7月 | 3.9% | 1.0% | +2.9% |
2020年6月 | 3.5% | 0.6% | +2.9% |
2020年5月 | 3.7% | 0.1% | +3.6% |
2020年4月 | 4.0% | 0.3% | +3.7% |
2020年3月 | 3.9% | 1.5% | +2.4% |
2020年2月 | 3.5% | 2.3% | +1.2% |
2020年1月 | 3.1% | 2.5% | +0.6% |
2019年12月 | 2.9% | 2.3% | +0.6% |
2019年11月 | 2.6% | 2.1% | +0.5% |
2019年10月 | 2.2% | 1.8% | +0.4% |
2019年9月 | 2.1% | 1.7% | +0.4% |
2019年8月 | 2.0% | 1.7% | +0.3% |
2019年7月 | 2.0% | 1.8% | +0.2% |
2019年6月 | 2.1% | 1.6% | +0.5% |
2019年5月 | 2.4% | 1.8% | +0.6% |
2019年4月 | 2.5% | 2.0% | +0.5% |
2019年3月 | 2.7% | 1.9% | +0.8% |
2019年2月 | 3.0% | 1.5% | +1.5% |
2019年1月 | 3.6% | 1.6% | +2.0% |
2018年12月 | 4.2% | 1.9% | +2.3% |
2018年11月 | 4.7% | 2.2% | +2.5% |
2018年10月 | 5.0% | 2.5% | +2.5% |
これを見ますと、全体のインフレが進む前にすでに住宅価格は高騰を始めていることが分かります。
~ ここまで ~
S&Pケース・シラー住宅価格指数は当ブログでも時折使う指数ですが、これを変化率でみると、明らかにパンデミック以降に住宅価格が大きく変化してきたことが分かります。
私の方で特に4%以上の推移を赤字にしましたが、ポイントはS氏が指摘するとおり、
「住宅価格のインフレは全体より常に高い」
ことが数字から分かります。
特に本年に入ってからは不動産価格は前年比で10%台の変化を常とし、今夏ピークタイムには前年比でほぼ20%の上昇となりました。
不動産価格の変化と全体の変化のその差を見ると、ハコモノとしてアメリカ不動産を見るときに資産保全として安心感があることが分かります。
私(佐藤)自身は平時には先を見立てる時に物件価格の推移を3%の変化で見立てることが多いのですが(跳ねている市場でも保守的に3%で見ます)、
「不動産物件は所有するだけでも定期預金以上の年率で安定して価格が推移していく」
このことは間違いなく、またインフレであるほど不動産物件は有利になるものだと思います。
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