こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
経営用語の一つに
KSF(Key Success Factor:カギになる成功要素)
という言葉があります。
主に語られることが多いKSFは
- Strategic Focus (リーダーシップ、マネジメント、企画)
- People (人材、スタッフ、教育)
- Operations (運用、過程)
- Marketing (カスタマーリレーションズ、セールス)
- Finances (資産、現金、債券)
の5つのカテゴリーです。
ビジネスを進める上ではこれら全ての要素に注意を払い、方向性に沿った事業を展開していくことで「事業の成功率が高まる」要素がKSFになります。
そこで考え方を飛躍させて、
「じゃあ、KSFの中で最も大切な『KSFの中のKSF』は?」
と言えば、上記の定義の中では恐らく誰もが異口同音に
People (人材、スタッフ、教育)
と答えるのではないでしょうか。
実際のところ、上記のKSFの中では他の4つ
⇒ リーダーシップ
⇒ 戦略
⇒ 運用
⇒ カスタマーリレーションズ
これらは全て「人」から派生してくるものです。
資産などはその結果に過ぎませんし、反対に人の動きがまずければ他の4つは全て十分な成果を上げられないことになります。
そしてこの「人が最も大切」という考えは不動産事業でも全く同じです。
いわゆる不動産物件というハコモノを所有して運用を続ける不動産事業ですが、一言でいえばその成功法則は
「よい立地に物的にも数字的にも良好な物件を所有する」
これ以上の定義はありません。
そしてそのよい立地にある良質な物件を獲得できるのもまた、人が動いた結果です。
地元の人材にクリンチする

そこで不動産投資に取り組むとき、物理的な距離の意味では
⇒ 自宅から通える距離に物件を所有する
⇒ 通えない遠距離に物件を所有する
という2つのアプローチがあります。
米国内でも不動産投資においては
「遠隔の不動産投資は失敗し易い」
「不動産投資は自分がいける範囲で行う必要がある」
そんな論が聞かれますが、これほど現実離れした議論はないと思います。
少なくとも私(佐藤)の周りには自分が通える範囲内の物件のみでポートフォリオを増やし続ける投資家はほとんどいませんし、むしろ不動産をして資産形成を図るのであれば遠隔地の物件の方が割合いは多くなって然るべきです。
平等にモノをいえば、情報化社会以前の環境であれば遠隔投資は不利な側面があっただろうことは否めません。
けれどもここまで情報技術で世界がつながる環境が整った今、
⇒ 投資目的としたい地域市場の選定
⇒ エージェントの選定
⇒ プロパティマネージャーの選定
は全てネット検索で完結するのみならず「外れのない人材探し」はかなりの精度でネット上だけでも可能なものです。
結果として不動産投資における遠隔投資は近距離投資と遜色ない成果を上げられるのみならず、それ以上に
「物件が近くにあるとつい自分で手を出してしまう」
「物理的にも自分が手を出せない遠隔物件の方が良い」
というプロもおり、この点は私(佐藤)も同感です。
かくして、自分がその場所に行けない遠隔投資の手法を身につけるつけないでは不動産投資のポートフォリオ結果には大きな差が出てくると思います。
そして遠隔投資で成功する一番の鍵はやはり「人(地元エージェント)」なのです。
ディールもまた人を介して取る

そこで時折ご紹介していますが、不動産投資の
入口戦略
中途戦略
出口戦略
これら3つの段階の中で最も大切なのは入口戦略だと思います。
どのロケーションにどんな物件を購入するかで勝負はほぼ決まりますし、中途戦略ではプロパティマネージャーをしてしっかりと物件管理を継続するのみです。
勝負の8割以上は入口戦略で決まり、その入口戦略のKSFが「地元の不動産ブローカー、エージェント」になります。
時折
「zillow.com等のMLSで出てくる物件はなかなか取れません」
「ディール物件そのものが市場に少ないように見受けられます」
とのコメントを頂戴することがあります。
これはおよそ事実で、現在のアメリカ不動産市場は資産バブルの高騰の時期から落ち着き始めるフェーズに入り始めていますが未だに売り手市場が続く活況の余韻が残っているのです。
将来性の高い市場では今でも物件が数日で飛ぶように売れることは日常茶飯事ですし、けれども価格も高くなり始めた以上はオファーにためらいが出てくるもの。
遠隔投資で挑む以上は一般MLSで物件を探して選ぶしか手段がありませんが、前述のようになかなか良質な物件を購入出来ない感想を聞くことがあるのです。
答えを言えば、やはりここでも重要視したいのは「人」です。
そして実際のところ、ディール物件を購入し続けるアメリカ人投資家達はzillow.com等の一般MLSはほとんど使っていない事実があります。
市場調査に一般MLSを活用することはあれども、彼らが購入する物件を探す時には一般MLSは使わない場合がほとんどです。
それではどうやってディール物件を探すかと言えば、ここに人が絡んだパターンがいくつかあります。
補足してより的確に言えば、
「アップグレードされた見た目もよい物件が欲しい」
「小奇麗なAクラスに近い物件を運用したい」
そんなグレードのよい物件で不動産投資を行う方法も可でしょうし、その場合は一般MLSを介して取得する物件でよいと思います。
けれども投資効率とリターンを最大化することを目的とする
「安く購入してそれなりの修繕をかけて価値を高めるBクラス、Cクラスの物件」
の場合、zillow.com等からの購入は難しいと思います。
このパターンは遠隔投資の場合は地元のブローカーにいくつかの手法で案件を運んできてもらうしかなく、それらの物件が市場に出る前に案件を押さえた方が良いのです。
このあたりのカラクリについて、もう少し見ていきましょう。
明日に続けます。
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