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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日はディール物件を見抜く際に使える4つのスナップショット、
GRM(グロス・レント・マルチプライヤー)
Cap Rate(キャップ・レート)
NIAF(ネットインカム アフター ファイナンシング)
Cash-on-Cash Return(キャッシュ・オン・キャッシュリターン)
について触れました。
民間企業の人事で
「360度評価」
と呼ばれるものがあります。
現在も使われているのかは知りませんが、私(佐藤)が知る限り社員に対して「360度評価」を初めて実行したのは米国のGE(ゼネラルエレクトリック)だと思います。
360度評価とは簡単にいえば
「上司による独断的な評価」
ではなく、
「同僚、部下、他部署社員による多角的な評価」
で人事考課を判断することです。
その制度の実用性に可否はありますが、少なくとも上司一人の目線による評価よりは頼れる人事考課かもしれません。
そして360度評価という概念から「多角性」という性質を引き抜いた時、
「多角的に検討して判断する」
この概念は不動産投資でも大い通じます。
「多角的に物件を見て判断する」
すなわち自分の先入観ではなく数字で、しかも一つの数字のみならず
「複数の因数で物件の良し悪しを評価」
するわけです。
不動産投資でディール物件を判断する指標そのものは先人により十分洗練されており、そして指標の絶対数はさほど多くありません。
その実、ディールを判断するのには大掛かりな作業も必要なく、紙と鉛筆でさらさらと数字を書くだけで判断出来るものです。
本シリーズではディール物件を多角的に見る手法を造語で「4Dスナップショット」と名付けてお伝えしていますが、その一つひとつの指標はすでに昔から確立されているものです。
そこで今日は最初の一面、GRM(グロス・レント・マルチプライヤー)から見ていきましょう。
GRM(グロス・レント・マルチプライヤー)
米国で不動産リアルターの資格を取得する場合、受験者全員が試験前に一定の単位を取得することが義務付けられています。
実のところそのテキストや試験内容には「不動産投資」に関連する知識はほとんど書かれておらず、あくまでも「売買仲介者に必要な知識」が中心です。
けれどもも不動産投資に関わる数式として登場する数少ない公式の一つに
GRM(グロス・レント・マルチプライヤー)
があります。
その正式な英語名称は
Gross Rent Multiplier(グロス・レント・マルチプライヤー)
と呼ばれ、
Gross:全体の
Rent:家賃
Multiplier:乗数
というそれぞれの言葉からニュアンスが分かる通り
「家賃総額に掛ける乗数」
という意味で、その公式は
物件価格 ÷ 年間家賃総額 = GRM
となります。
例えば
物件価格:$250,000
年間家賃総額:$18,000($1,500 X 12ヵ月)
であれば
$250,000 ÷ $18,000 = 13.88
で、
「この物件のGross Rent Multiplier(グロス・レント・マルチプライヤー)は13.88だ」
となるわけです。
そこでGross Rent Multiplier(グロス・レント・マルチプライヤー)という名称どおりに
「家賃総額に掛ける乗数」というニュアンスでいえば
$18,000(家賃) X 13.88(に掛ける乗数) = $250,000
であり、家賃に掛けることで物件価格が算出されるわけです。
別の見方をすると、単純に
「家賃は恒久的に値上げなし」
という条件であれば、物件購入価格の$250,000を家賃から回収するには
「13.88年(約14年)かかる」
となります。
Gross Rent Multiplier(グロス・レント・マルチプライヤー)を使う場面
そこでこのGross Rent Multiplier(グロス・レント・マルチプライヤー)はどんな時に使えるのでしょうか?
ここは「4Dスナップショット」と名付けた通りで、GRM(グロス・レント・マルチプライヤー)は
「スナップショットでざっくりと投資対象の有効性を判断する」
時に使います。
具体的には、
「同じ地域市場内の同等物件が並ぶ地域で候補物件を比較」
する時に使うのがGross Rent Multiplier(グロス・レント・マルチプライヤー)です。
例えば先の例ではGross Rent Multiplier(グロス・レント・マルチプライヤー)は13.88でしたが、そのご近所に
⇒ 同じ部屋数とバスルーム数
⇒ ほぼ同じリビング面積
で毎月の家賃が$1,300の物件があったとします。
すると年間家賃は
$15,600($1,300 X 12ヵ月)
ですから、ここに13.88を掛けてみると
$216,528($15,600 × 13.88)
と算出されます。
ところが、実際にはこの物件が$187,000で売りに出されていたとしたらどうでしょうか。
自分が最初に候補にあげていた物件は$250,000であり、それと資金の投下効率が同じであれば$216,528であるべきところを$187,000ということは、この2つ目の候補の方が
$29,528($216,528 - $187,000)
も安いことになります。
そうすると
最初の候補物件:家賃$1,500
二番目の候補物件:家賃$1,300
と二件目の方が$200少なかったとしても、
「資金の投下効率としては2番目の物件が良好」
と判断できるわけです。
このように、Gross Rent Multiplier(グロス・レント・マルチプライヤー)では支出要素は全く見ませんが、それでも
「この物件は他と比べて高いのか安いのか」
という大雑把な判断は下せることになります。
このGross Rent Multiplier(グロス・レント・マルチプライヤー)が4Dスナップショットの最初の一面です。
明日に続けます。
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