昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
投資対象物件としての適性を測る際に使える4つの指標、
GRM(グロス・レント・マルチプライヤー)
Cap Rate(キャップ・レート)
NIAF(ネットインカム アフター ファイナンシング)
Cash-on-Cash Return(キャッシュ・オン・キャッシュリターン)
についてお伝えしています。
この4つを大まかに分けるならば
第一段階 ⇒ 物件の適正を数字で精査
GRM(グロス・レント・マルチプライヤー)
Cap Rate(キャップ・レート)
第二段階 ⇒ リターンの適性を数字で精査
NIAF(ネットインカム アフター ファイナンシング)
Cash-on-Cash Return(キャッシュ・オン・キャッシュリターン)
の2つのグループに分けることが出来ます。
最初の第一段階で大まかにでも
「対象物件そのものが投資対象として適性があるか」
を調べ、その次の第二段階で
「自分へのリターン具合」
を測るわけです。
もちろん本シリーズでお伝えする四次元性スナップショットは
「こうせねばならない」
という決まりでもなく、使うか否かは自分次第です。
けれども
「一方通行で物事を見る」
という姿勢はどこか見落としてしまいがちになるもの。
それならば
「二方向で物事を見る」
方がより平等な見方が出来るでしょうし、加えて三方向どころか四方向で物事を見る場合は
「(三方よしならぬ)四方よし」
となり、相当なレベルに
- 安全性
- 確実性
をの双方を高めることが出来ます。
そこで昨日までは第三面の
NIAF(ネットインカム アフター ファイナンシング)
までお伝えしましたが、ここまでで
「自分の懐に入ってくるリターン」
はかなりの正確性で分かることになります。
すなわち
「自分へのリターンはこれだけだ」
「この物件は目標達成に向けた次の一歩とするのに間違いない」
というレベルで判断できるのです。
けれども目標に沿って進める上では
このような縦と横のグラフで
縦軸($) … 資産
横軸(T) … 時間
を見た時に、縦のリターンの積み上げそのものと同時に注目するべきは横軸の「時間」です。
すなわち
「どれくらいの早さで目標を達成したいのか?」
この視点で検証する必要があります。
そして事実、目標をいち早く達成する方法は一つしかありません。
それは
「自己資金を効率よく使うこと」
です。
もちろん資金があればあるだけ、資産構築を進めるスピードは早まることになります。
けれども現実には自己資金が無限にあれば苦労はないわけで、限られた資金の中で目標の時間軸に合わせていくのが投資家の匠(たくみ)です。
そうすると
⇒ 自分が所有するビジネス
⇒ 手元に入るキャッシュフロー
等をもって自己資金も増えてくるにせよ、限られた資金の中では
「いかに効率よく自己資金を使うか?」
が重要なテーマになってきます。
そこで資金の効率性を検証できるのが四次元性スナップショットの一番最後、
Cash-on-Cash Return(キャッシュ・オン・キャッシュリターン)
が活かされるのです。
Cash-on-Cash Return(キャッシュ・オン・キャッシュリターン)
第三面までの流れで
- 物件の適正
- 自分へのリターン具合
はかなりの割合で判断出来ることになりますが、ここに資産形成のスピードを検証する指標が最後の
Cash-on-Cash Return(キャッシュ・オン・キャッシュリターン)
です。
Cash-on-Cash Return(キャッシュ・オン・キャッシュリターン)の詳細についてはリンク先の過去記事でお伝えしていますので繰り返しませんが、一言でいえば
「自己資金に対するリターンの割合」
がCash-on-Cash Return(キャッシュ・オン・キャッシュリターン)で算出されることになります。
「定期預金に〇%の金利で預ける」
と同じ感覚で、
「不動産から〇%の金利で受け取る」
というような、純粋に自己資金に対するリターンの割合です。
そこでCash-on-Cash Return(キャッシュ・オン・キャッシュリターン)を正確に見る場合、第三面の
NIAF(ネットインカム アフター ファイナンシング)
を使います。
NIAF(ネットインカム アフター ファイナンシング)は
「モーゲージを返済した後に自分の懐に入ってくるキャッシュフロー」
であり、「純キャッシュフロー」ともいえるリターンです。
「でも、そこに税金がかかりますよね?」
と問いたくなりますが、そこは英語で
「Tax Shield(タックスシールド:税金に対する盾)」
と呼ばれるとおりで、このキャッシュフローの周りは
「減価償却費」
「利息合計控除」
「修繕費」
「物件管理費」
等が盾となってバリアを張っており、「納税」という名の矢が飛んできても
「カンカンッ」
と跳ね返してしまうわけです。
すなわちNIAF(ネットインカム アフター ファイナンシング)は親からもらうお小遣いの如く、不動産物件からもらうお小遣いのようなものです。
そうするとこのNIAF(ネットインカム アフター ファイナンシング)こそが「純粋なリターン」であり、
NIAF(ネットインカム アフター ファイナンシング)/ 投下した自己資金
この式でCash-on-Cash Return(キャッシュ・オン・キャッシュリターン)が算出されることになります。
そこで第二面と第三面で挙げた例の数字を使うと
NIAF(ネットインカム アフター ファイナンシング):$4,800(年間)
物件購入総額:$100,000
でしたが、この物件購入総額の内訳が
自己資金:$40,000
融資額:$60,000
の場合、Cash-on-Cash Return(キャッシュ・オン・キャッシュリターン)は
40%($40,000 / $100,000)
になります。
実際にはリファイナンスで投下資金を回収すればするほどこのCash-on-Cash Return(キャッシュ・オン・キャッシュリターン)は100%に近づいていくものですが、目安としては通常の投資では
Cash-on-Cash Return(キャッシュ・オン・キャッシュリターン)> 10%
以上あれば良好な部類に入るでしょうし、
「金利10%の定期預金」
この数字に満足しない人はいないはずです。
かくして四次元性スナップショットでは最後に
「投下する自己資金」
を分母にして、Cash-on-Cash Return(キャッシュ・オン・キャッシュリターン)を最大化できるかを検証してきます。
そして無理のない範囲でCash-on-Cash Return(キャッシュ・オン・キャッシュリターン)の最大化を調整することで
使う自己資金が少ない = 残りの資金を他の物件に
となりますから、結果として資産形成のスピードが早まってくるわけです。
かくして四次元性スナップショットの最後、第四面では資産形成のスピード調整に役立つことになります。
明日に続けます。
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