昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
年が明け、年末からの勢いをいよいよ加速させ始めています。
年中無休で走り続けてかなりの年数がたちますが、実をいえば一年の中でも最も仕事がはかどるのかこの年末年始です。
世の中は年末年始の休暇モードですので、関係各社からの連絡も極端に少なくなるのがこの時期。
そうすると、私(佐藤)にとって年末年始は一年の中で最も貴重なボーナスタイムとも言えます。
外部からの連絡が極端に減るこの数日に一気に畳み掛け、一年のスタートダッシュをいよいよ加速していきたいと思います。
。。。
そんな毎年と変わらない仕事始めの中、ふと本年のアメリカ不動産の行く末に想いを馳せるとどうしても拭えない懸念があります。
旧年中に本年2022年は
「リスクが高まる年になりそう」
とお伝えしましたが、そのリスクとは直接的に不動産業界内に起こるリスクというよりも、不動産業界以外の外部要因から起こるリスクに言及したつもりでした。
アメリカ不動産業界の中で強いて本年以降のリスクを語るとすれば、旧年中に触れた
Affordability(アフォーダビリティ:値ごろ感)
です。
アメリカ合衆国全体が少なくとも今は
「Rental Nation(レンタルネイション:大半の世帯は賃貸物件に暮らす世相の意)」
の方向に向かいつつある中、不動産投資家にとって賃貸需要は益々強くなるだろうことは喜ばしい一方であまりにも物件が高額になり過ぎ、
「高値の解法は高値にあり」
の式で価格が高止まりから今度は下がってくる方向にシフトしてくるとも限りません。
その意味では本年2022年の間にAffordability(値ごろ感)が市場にどの程度の影響を及ぼしてくるかは不確かですが、それ以上にリスクとして気に留めておきたいのは先に述べた外部要素による不動産市場への影響です。
単刀直入に言えば、私(佐藤)がアメリカ不動産市場にも大きく影響を与えかねないと懸念しているのは、今回のパンデミックによる世界経済停滞が引き金となる
「Shadow Banks(シャドーバンク)による負の連鎖」
と
「Pension(機関年金制度)の崩壊リスク」
です。
前者の Shadow Banks(シャドーバンク)について、少し触れてみたいと思います。
Shadow Banks(シャドーバンク)を追う
世界中の誰もが
「お金を貸してくれる場所」
として
「Bank(銀行)」
を認識しています。
世の人々は
- 個人で融資を受けたいとき
- 企業の事業資金を用立てたいとき
等の様々な場面でBank(銀行)を活用することになります。
そんなBank(銀行)による融資事業は現代社会ではなくてはならない仕組みです。
1.用立てに融資を申請する
2.貸し出しにあたり担保が必要
3.債務不履行時には担保が差し押さえられる
この式で銀行業務の主要な融資事業は現代社会の中核に深く食い込んでいます。
日本でいえば
- 三菱東京UFJ銀行
- 三井住友銀行
- みずほ銀行
等の名だたるメガバンクを始めとして日本全国には地方銀行も数多く存在しており、米国であれば
- JPMorgan Chase(JPモルガンチェース)
- Bank of America(バンクオブアメリカ)
- Wells Fargo(ウェルスファーゴ)
- Citigroup(シティグループ)
といったメガバンクは間違いなく米国経済の主流をなし、同じくアメリカでも地方銀行は米国社会にとってなくてはならない存在です。
そしてポイントはここですが、米国ではご存知のようにFED(連邦準備制度理事会)を中心に各加盟銀行は各地域を担当する連邦準備銀行により管理・監督されています。
結果としてこれらの加盟銀行の動きはFED(連邦準備制度理事会)のレーダー内に入っており、それが故にFED(連邦準備制度理事会)は少なくとも加盟銀行からより精密なデータを収集し続けていることなります。
FED(連邦準備制度理事会)はこれらのデータを参考にその政策方針を定めていくわけです。
ところがこの現代社会に必要なBank(銀行)システムとは別に、表向きに出てこない影の存在があります。
それがいわゆるShadow Banks(シャドーバンク)と呼ばれる金融機関です。
Shadow Banks(シャドーバンク)という言葉のシャドーは日本語では「影」ですから、
「影の銀行」。。
と聞くとなんとなく謎めいたような影ボスのような印象を受けますが、実際は隠れたような存在でもなく、 Shadow Banks(シャドーバンク) とは世の中に数多く存在する
「規制下にある銀行以外の融資機関」
のことです。
空恐ろしいのは、これらShadow Banks(シャドーバンク)についてはその融資活動にちなむ数字を完全に把握することは不可能ですので
「Shadow Banks(シャドーバンク)の実態は目に見えない」
という前提があり、実質世界経済に大きな影響を与えるはずのFED(連邦準備制度理事会)ですらその全容を掴めていのです。
おそらくたった今の金融資本主義経済で不安要素となる外部要因の代表格はこのShadow Banks(シャドーバンク)。
当ブログの本年を進めるにあたり、伝統的な銀行の本流から離れたShadow Banks(シャドーバンク)について少し理解を深めておきましょう。
明日に続けます。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。