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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
新年をShadow Banks(シャドーバンク)に見えるリスクというやや重い話のスタートとなり恐縮ですが、「現実を直視する」ことは自分で未来を切り開く私たちにとっては重要な姿勢の一つと考えています。
Shadow Banks(シャドーバンク)についてはアメリカ不動産市場にとっても無関係ではないこと、そしてリスクが年々高まりつつあることを障りだけでも触れないわけにはいかないと思う次第です。
実際のところ現代社会の金融システムはあらゆる要素・業種が複雑に絡み合う世界ですから、一つの綻びが他のあらゆる業種に影響してくることになります。
旧年中に
「来年はリスクが高まる年」
と述べたのもあくまでもProbability(蓋然性)の話に過ぎませんが、
「歴史は繰り返す」
とはその通りで、過去に起こった出来事を深く学習することで先のリスクを軽減させることも可能になるものです。
その意味では Shadow Banks(シャドーバンク)発のリスクを警戒すると同時に、アメリカ不動産市場に影響を与え得る因数としてもう一つ触れておきたい要素があります。
消費者としては誰もが気になる「物価」に絡む話です。
ニクソンショックの再現なるか
昨今のパンデミック当初から予想されていたことが現実に起こった例の一つとして
「急激な物価上昇」
があります。
その原因の数々はここでは割愛しますが、ポイントは昨年末の時点でFRB(連邦準備制度理事会)も
「現在の急激な物価上昇は一過性のものではない」
と認めたことです。
おそらく本年2022年も米国では昨年比の物価上昇は大きく進んでいくでしょうし、合計3回予定されている金利(フェデラルファンドレート)上昇もその割合は物価上昇の具合を見て定められることはほぼ間違いありません。
。。。
そしてここは興味深い点ですが、現在のようなレベルで物価上昇が続く状況は米国史のある時点に酷似しています。
それは、1966年から1970年あたりの時期です。
分かり易いようにグラフで見ていきましょう。
上のグラフは消費者物価指数の推移です。
上下に激しく揺れ動いているように見えますが、このグラフはインデックスそのものではなく、昨年比の物価上昇率(パーセンテージ)をグラフ化したものになります。
上に見える2つのグラフはそれぞれ
青グラフ:「全ての項目の平均消費者物価指数の変化」
赤グラフ:「食品とエネルギーを除いた平均消費者物価指数の変化」
です。
そこで上のグラフに赤丸をつけてみると、
この部分ですが、約4年の間に「毎年物価が急激に上昇し続けていた」時期があることが分かります。
そしてこの後に寝耳に水で世界中に衝撃を与えたのが1971年8月15日、当時のニクソン大統領による新経済政策の発表です。
この時にテレビ・ラジオ声明で発表された内容は後に「ニクソンショック」と呼ばれるようになりましたが、その発表された内容は3点、
- 金とドルの交換を一時停止
- 10%の輸入課徴金の導入
- 価格政策(90日間の賃金・物価凍結)
でした。
現代社会では各国で紙幣がその購買力をどんどん失い続けている様は当ブログでも度々触れていますが、紙幣価値の継続的な現象はこの3点の中の「金とドルの交換を一時停止」に起因しています。
ニクソン大統領はこの時に「一時停止」と発表していましたが、結局は金本位制度は二度と元に戻ることはなく、現代に至るまで交換停止は続いています。
そして本項で今の時期にこそ注目しておきたいのは3番目、「価格政策(90日間の賃金・物価凍結)」の部分です。
この価格政策について、当時のニクソン大統領の声明では
「I am today ordering a freeze on all prices and wages throughout the United States.
(意訳:本日、米国全土において全ての物価と賃金の変動を停止することを命ずる)」
とあります。
それまでに約4年間続いてきた尋常でない物価上昇を受けて、
「モノの価格をこれ以上、上げるな」
「賃金をこれ以上、上げるな」
という大統領命令が下されたのです。
このような政府政策は「Price Control(価格操作)」と呼ばれますが、よく考えてみると自由経済主義のはずの米国で大統領がモノの価格や賃金を操作するとは異常事態です。
当時はそのくらい混乱していたのでしょうし、そんな時期に大統領に常々求められるのは
「強力なリーダーシップ」
です。
実力主義・結果主義のシビアな側面がある米国社会では、成果を出せない大統領の再選は極めて難しくなります。
恐らく当時のニクソン大統領は金本位制度の一時停止のみならず、国内の物価と賃金を大統領命令でコントロールせねばならないほどの重圧にあったのではないでしょうか。
そして今まさに、バイデン大統領は当時のニクソン大統領と極めて酷似した状況に立たされています。
パンデミック直後に予想されていた通りの際立った物価上昇が現実となった今、
このように1966年から1970年あたりまで4年間かけて急激に上昇した物価が、かくも1年かそこらで同等の上昇率を見せているのです。
FRB(連邦準備制度理事会)も一過性の物価上昇ではないと認めた中で、ここからも物価が上昇し続ける傾向があるのならば、バイデン大統領は(再選を望むのなら)強力なリーダーシップを見せて強力な政策を打ち出す必要があることになります。
そしてもしもニクソン大統領当時の政策と酷似するプライスコントロールが実施されるのならば、その先にはとんでもない事態が待っている可能性が高いのです。
その場合は高い確率で、アメリカ不動産市場にも大きく影響が及ぶことになります。
明日に続けます。
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