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人生の中で要求をやめる

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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

「営業とは攻めるもの」

若い頃はそんな風に信じていました。

「自分と家族の老後の面倒は自分で見る」

「経済的に独立して国にも会社にも頼らない」

そんな風に望むのなら、若い間にマスターするべきものの一つに

「ビジネスをマスターすること」

が含まれると思います。

こと経済面で自由を得たいのであれば

「自分の時間と労力を切り売りして月給を稼ぐ」

という行為はもちろん尊いものですが、やはり自分が雇い主ではない以上、将来には不安が残ります。

将来の経済的な不安を払拭するべく

「自分で自分に給料を払う」

という土台を構築するとなると、前述のようにその大前提は

「ビジネスをマスターすること」

であり、ビジネスをマスターするとはすなわち

「営業を極めること」

だと思うのです。

⇒ 仕事をもらい、自分の時間と労力の対価として給与をもらう

⇒ 仕事を創造し、自分で稼いだ分を自分の所得にする

このどちらも貴賤のない立派な行為のはずですが、ここに一つ違いがあるとすれば

「今の仕事がなくなったとしても、ゼロから稼ぎを生み出す」

これが可能なのは恐らく後者です。

如何に相手から引き出すか

自分の半生を振り返ると、20代半ばのニューヨークで暮らしていた時が最もガツガツしていた時期だったと思います。

エネルギッシュな街で足早に歩く人々の中にいると、あたかも

「このガツガツ感と勢いがビジネスにも大切なんだ」

そんな風に錯覚し、営業に対してもついガツガツ攻める姿勢で動き続けてしまいます。

実際にニューヨーカーたちとの仕事ではそんなアグレッシブな姿勢でなければ通用しませんし、日本式の「謙虚な姿勢」などほとんど理解すらされなかったものです。

ちなみにビジネスを立ち上げる上では「階段を一気に駆け上がるような勢い」が大切なのは間違いないと思いますが、けれども

⇒ 勢いある行動力でビジネスを成り立たせていく

⇒ 勢いで営業攻勢をしかけて成約をバンバンとる

この2つは同じようで、実は全く性質の異なる話だと思います。

今では簡単に分かるこれらの違いを若い佐藤は全く理解しておらず、

「いかに上手にステルス要求をして、どれだけ相手から引き出せるか」

そんな攻めと要求の営業テクニックを覚えることに熱中していたのでした。

ニューヨーカーの英語は全米でも比較的口早で、結構な頻度でマシンガントークの場面にあたります。

  • 電話で対応する時
  • 対面で対応する時

それぞれの場面で口早に相手と会話を交わし、論理思考を戦わせて、少しでもディールを引き出したら勝ちです。

今考えても人生の中で最もガツガツしていたのはあの時期でしたし、いかに相手から取るかがビジネスをマスターすることにつながると信じていた時代でした。

ある時期から人生で要求をやめた

この傾向はシステムエンジニアから不動産業界に足を踏み入れた後でも、しばらくは変わらないスタンスだったと思います。

とりわけ不動産業界は一つの取引に動く金額が大きいだけに、競争が激しい業界の一つです。

不動産エージェント同士で紛争があるとすれば十中八九は「コミッションのトラブル」ですし、報酬の金額が大きいだけにシェアを奪い合う場面が多いものなのです。

だからこそ、過去に鳴らした勢いをもって不動産業界に飛び込んだのであればそのスタイルはそのまま活かせるだろうと当初は考えていましたが、しばらくすると

「いかに上手にステルス要求をして、どれだけ相手から引き出せるか」

は不動産業界では通用しないどころか、要求するスタイルは

「生き方そのものを外れてしまう」

ことに気づかされたのです。

そのことに目を覚まさせてくれたのは、何よりも不動産業界で先に活躍する先人たちでした。

この点は人に恵まれたことが大きいとは思いますが、幸いなことに私(佐藤)が最初に飛び込んだ不動産ファーム(ケラーウィリアムズ社の支店のひとつ)は、

「幸せに大成功しているツワモノばかり」

でした。

ほっぺたをひっぱたかれる想いがしたのは、実力者の彼らを見ると誰一人として「要求する」という行為は一切していませんでした。

⇒ 同業者にも

⇒ クライアントにも

⇒ 業者にも

誰に対しても要求は一切せず、その代わりに自分の時間と労力を「(損得なしに)与える」ことしかしていなかったのです。

人生のパラダイムシフトとはこのことで、「要求する」という行為とはあまりにも対極にある世界でした。

正直にいえば、ニューヨークでガツガツしていた時には

「心の疲弊」

を感じることは頻繁にありましたし、幸福感に満たされていたかといえば決してそんなことはなかったかもしれません。

相手に勝って嬉しいけれども何となく虚しい、そんな心の空虚さが要求する行為の後には残ります。

けれども幸せに成功している彼らの姿を見ていると、

「要求していないのに、なぜか不思議と周りから案件が入ってきている」

そんな事実に気づかざるを得ませんでした。

その自然の流れではいつも心からの笑顔で過ごせますし、心は嘘偽りのない幸福感で満たされることになります。

もちろん損得抜きに全力で与え続ける上では全員が全員ハードワーカーなのは当たり前で、深夜も12時を過ぎてオフィスに残っていることはザラ。

けれども彼らは休もうと思えばいつでも休める環境に生きていますし、何よりも要求ではなく与えることに必死な毎日ですから心の充実感が違います。

彼らを模倣して学びながら

「ビジネスをマスターするとは、こういうことなんだろうな」

と心から思いましたし、その時から彼らと同じように

「人生の中で要求する行為を止める」

ことに決めたのです。

疲弊しきって無駄に燃え尽きる前に、人生において要求という思考と行動を完全に切り捨てることが出来たのは幸いでした。

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