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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
商業物件にオファーする前に気をつけるべき点についてお伝えしています。
住居用物件
商業物件
にそれぞれオファーする際の大きな違い。
それは
「Underwriting(アンダーライティング)が出番となるタイミング」
です。
住居用物件は前提として
「自分が暮らす物件」
との尺度で購入契約やローン審査が進められていきます。
この時にUnderwriting(アンダーライティング)が登場するのは融資前提で契約を進める
Financial Contingency(ファイナンシャル・コンティンジェンシー)
の段階です。
ここで融資元の担当者がUnderwriting(アンダーライティング)を実行し、融資の可否を査定することになります。
これに対し、商業物件取引の場合はUnderwriting(アンダーライティング)が登場するのは
「オファーする前」
であるべきです。
厳密には商業用物件であっても契約が開始された後の
Financial Contingency(ファイナンシャル・コンティンジェンシー)期間
の間にUnderwriting(アンダーライティング)は実施されますが、オファーするよりも前に自前でUnderwriting(アンダーライティング)を実施することが
「商業物件を購入する前に気をつけるべきこと(実施すること)」
の一つとなります。
もちろん自前でUnderwriting(アンダーライティング)を実施することは法律上の義務ではありませんし、それをやるやらないはオファーする自分自身の裁量に委ねられることになります。
けれども、少なくとも10戸を超える商業物件の場合はオファーする前にそれなりの精度でUnderwriting(アンダーライティング)を仕上げることをお薦めします。
なぜならば戸数の多いマルチファミリー物件ほど、より精密にUnderwriting(アンダーライティング)を仕上げておくことで
1.自分が物件の数字を深く理解出来、オファーに自信が持てる
2.自前のUnderwriting(アンダーライティング)の過程で売主に本気度を伝えられる
3.関係者の間で信用を積み上げられる
という好循環のリターンが期待できるからです。
ただし、Underwriting(アンダーライティング)を自分で実施するには結構な時間と労力をそこに費やすことになります。
そこで本当に自前でのUnderwriting(アンダーライティング)をもって査定する必要があるかを推し量るべく、事前調査は抜かりなく行うことが推奨されるのです。
事前調査となる
- 地域性の基準
- 地域の成長率
- 物件の数字
の3番目、「物件の数字」について本日も続けます。
物件の数字
事前調査として地域性が基準を満たしており、かつ人口も基準値あるいは少なくとも十分な成長が見込めるということであれば事前調査の最後として数字の精査に入ります。
ただしここはあくまでも事前調査の範囲ですので、
「時間をかけすぎず、ざっくりと数字を見る」
程度でよいと思います。
より緻密な精査こそがUnderwriting(アンダーライティング)で行われるべきですから、ここではあくまでも
「手間暇のかかるUnderwriting(アンダーライティング)まで進める必要があるか?」
を判断するための事前調査のレベルです。
そこで事前調査の仕上げとしてざっくりとでも数字を見るべく、売主に
「Rent Roll(レントロール)」
を依頼するようにしましょう。
Rent Roll(レントロール)とは
- 賃貸人名
- 契約開始日
- 契約終了日
- 家賃価格
- 支払い状況
等、現在入居するテナントとの賃貸契約と実際の家賃収入状況に関する大まかな情報が記載されている一覧のことです。
このRent Roll(レントロール)をもって、現在の家賃収入をほぼ正確に把握することができます。
またそれと同時に売り主が提供してくるFinancial Statementの類を依頼するようにしましょう。
ここはオファーする前であればどこまで開示してくるかは売り主にもよりますが、通常は
「この商業物件の過去の運用はこうなっている」
という数字での情報が
収入
支出
をそれぞれ明記する形で送られてきます。
オファーする前に売り主がこれらの情報を提供することは商習慣とされていますので、遠慮なく先方に情報を求めるようにしましょう。
反対にRent Rollを事前開示してもらえない場合、迷うことなくその取引は避けておいた方がよいと思います。
私(佐藤)の知る限り、本気で売却を考えている売主はごく普通にこれらの情報を開示してくれるものです。
そしてこれらの情報をもって、
物件価値 = NOI(年間純収入) / キャブレート
の公式をもって、希望売却価格との差を確認してみます。
また先方から受け取る運用の詳細を示す各項目の数字については、自分自身の過去の経験で理解している数字に修正することが賢明です。
例えば修繕費が甚だ少ないと思われる場合、その規模・その築年数であり得る修繕費に数字を変えて改めてみます。
またリターンにしても、自分自身で基準を定める
「キャッシュ・オン・キャッシュリターン」
の基準があるのならその基準を満たしているのか、或いは近い将来に基準を満たせるポテンシャルがあるのかを確認するのです。
ここがまさに事前調査でざっくりと数字を見る際のクライマックスであり、
「現在の家賃は市場家賃価格よりも低い」
「時間をかけて1戸ずつリノベーションを実施することでNOIは上昇する」
「現在のキャッシュフローも十分満足のいくレベルになり得る」
ということであれば、
「事前調査は合格」
として、次の本格的な自前Underwriting(アンダーライティング)へと進むことが出来るわけです。
かくして、
「オファー前に知っておくべきこと(やっておくべきこと)」
としてUnderwriting(アンダーライティング)は大型商業物件の場合はぜひ実施するべきですが、そこに手間暇を掛ける前段階として
- 地域性の基準
- 地域の成長率
- 物件の数字
の3点については、首尾よく押さえるようにしましょう。
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