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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ不動産市場の今を俯瞰するべく、市場の在庫数からその実態にアプローチしています。
常々、全米各地で売買取引に携わる中で一貫して言えることは
「人気の市場では、昨年までの勢いはほとんど衰えていない」
という生々しい市場の様子です。
良質な物件は初日からオファーが一気にあつまり、一回のオファーではなかなか契約に至らない買主が多い傾向は昨年までと全く同じ。
市場によっては昨年末までにパンデミック以前の水準に戻りつつある地域もあり、資産バブルを髣髴とさせる爆上がりの様相は全体としては落ち着きつつあるように伺えます。
けれどもその実、昨日までにお伝えした
「圧倒的な供給不足」
により、特に良質な物件には複数のオファーが一斉に集まるのです。
たった今の時期は金利の上昇傾向を背景に
「駆け込み需要」
なるものが後押しをしていることは間違いありません。
この点は先日お伝えした3つのベクトル、
⇒ 金利上昇による駆け込み需要
⇒ ピークタイムに向けての需要の盛り上がり
⇒ 圧倒的な供給不足
この3つの力学の相互作用により、枯渇気味の市場は価格が上に持ち上げられていくわけです。
ただし誰一人として正確な予言は出来ないにせよ、経済サイクルからして
「上がるものはいつか必ず下がる」
これは確実です。
アメリカ不動産価格も必ず「落ちる」時期が訪れることは間違いないく、一定の価格調整を体験する時は必ずくると思います。
とはいえ、アメリカ不動産市場への根幹的な力学は少なくとも米ドル基準では価格が上昇する傾向は変わりません。
需要 > 供給
この関係はしばらく続く上で、物件価格そのものは上昇基調が変わらないと予想されるのです。
そこで昨日見たグラフからも
「供給が圧倒的に少ない」
ことを確認しましたが、そうすると供給の反対の需要について
「需要の将来の見立て」
はどうなのでしょうか。
現時点では供給そのものが圧倒的に少ないことは分かりましたが、需要の変化そのものも気になるところです。
そこで今日は、「需要の伸び」の視点からアメリカ不動産市場の今を見ていきましょう。
本日も続けます。
世帯増加率は減少の傾向
「購入」
とは
「これが欲しい」
と願う人の想いが行動に現れた結果です。
それが
「需要の結果」
であることは間違いありませんが、同時に需要の中には
⇒ 目に見える需要
⇒ 目に見えない需要
という2つの側面があります。
世のマーケティングはこの双方に働きかけると同時に、特に
「目に見えない需要をいかに表に引き出すか」
に心血が注がれることになります。
そしてアメリカ不動産市場の将来を考える時にも、この
「目に見える需要」
「目に見えない需要」
の双方で「将来の需要の伸び率」を検証していく必要があります。
たった今は圧倒的な供給不足が手伝って需要の多さが目立ちますが、同時に
「この需要はいつまで続くのか?」
「将来の需要はどのように変化するのか?」
といった切り口で全体を俯瞰することも重要です。
そうすると、アメリカ不動産市場にとっての「需要」はどこから生まれるのでしょうか?
このことはアメリカのみならずどの国も同じですが、不動産市場の需要は「世帯」にほぼイコールとなります。
衣食住は生きていく上での三大要素の一つであり、住に対する需要が完全になくなることは永久にありません。
生きていく上で住は必須ですから、いつの時代にも住に対する需要は失われることはないのです。
そしてこの住に対する需要は「世帯数」に密接に関係してきます。
すなわち、
⇒ 現在の世帯がどれだけあるのか
⇒ 世帯はどれくらい増える(減る)見込みなのか
という要素が
「このまま伸び続ける」
「平行線を辿る」
「下がってくる」
等の目安を知らせてくれるわけです。
そして需要の伸び率変化の軸になる因数は主に2つ、
- 新しい世帯の誕生
- 移民
です。
ここで一つ、興味深いグラフを見てみましょう。
上記はPew Research Centerが紹介している世帯の増減を示すグラフです。
上の緑が「世帯増加率」であり、下の黄金色が人口増減を示しています。
このグラフから分かるのは、
「米国では人口の伸び率そのものは減少傾向にある」
「それに伴い、世帯の増加率も減少傾向にある」
ということです。
すなわち
「米国では人口増加が続いていることは間違いないけれども、伸び率そのものは減少傾向にある」
ということが分かります。
前述のように
世帯の増加 ≒ 住に対する需要の増加
であり、世帯が増加する理由は
- 子供が独立して家を出る
- 結婚して世帯を持つ
- 移民してくる
等です。
そうすると世帯の増加率が減少しつつあるということは、昔と比べると住への需要が少なくなりつつあるということが言えます。
とはいえ、上のグラフを見て
「米国の将来は危うい」
「需要は途絶えるだろう」
と捉えてしまうと見誤ってしまいます。
上のグラフは150年以上も昔の1860年台からの記録であり、当時は世帯数の伸びが45%もあったのは驚きですが、現代においてこのレベルで世帯数が伸びると相当深刻な住居と食料不足に陥ることになります。
冷静に数字を見ると、今のような10%以下の増加率でも健全(或いはもっと下がってもよい)と言えるわけです。
ただし世帯数の伸びとしては減少傾向にあるわけですから、これを長期的に見ると
「住への需要は少しずつ落ち着く方向に向かう」
ことが予想できます。
米国もまた日本と同様に高齢化社会に向かっていることは間違いないく、先に需要に変化が訪れることはほぼ間違いないわけです。
需要の変化について、明日に続けます。
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