昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
本年のアメリカ不動産市場で確かなことの一つは
「金利は上昇し続ける」
という変化です。
この上昇が年末までにどれくらいのレベルに至るのかは誰にも分かりませんが、過去の傾向と現状を見る限りはそれなりの割合で上昇していくのではないでしょうか。
そこで不動産投資の観点で金利の動きを予想する時にその変化の因数を見ておくことは大切なことですが、30年固定金利に影響する因数として昨日は
- FRB(連邦準備制度理事会)
- 米国国債10年
の2つを見ていきました。
実際には30年固定金利に影響する要因はこの2つ以外にも数多くありますが、これら2つは代表格です。
そこで後者の米国国債10年については人気のある米国国債としてその利回りが影響してきますが、
「30年固定金利は米国国債10年で決まる」
と言われるほど、その動きは密接に同調しています。
改めてこれら2つを比較してみると
この通り、あたかも30年固定金利と米国国債10年は連動しているかのような動きです。
この動きから30年固定金利は米国国債10年が決めるかのように言われるのですが、ここは
「30年固定金利は米国国債10年の動きをベンチマークしている」
という表現が適切であり、全くの無関係ではなく30年固定金利が米国国債10年を強く意識していることになります。
それではなぜ30年固定金利は米国国債10年をベンチマークとするのかといえば、ここに
Mortgage-backed security(不動産担保証券)
が関係してきます。
30年固定金利と米国国債10年の関係を理解する補足事項として、今日はMortgage-backed security(不動産担保証券)の存在を押さえておきましょう。
Mortgage-backed security(不動産担保証券)とは
上から順番にいくと、 資産運用の一つに
Asset-backed security(資産担保証券)
と呼ばれるものがあります。
Asset-backed security(資産担保証券)はある資産を裏付けとして発行される証券で、日本国内不動産でも発行されている証券です。
その証券を購入することで利回りを獲得しつつ、その証券にはリターンをもたらす物件が担保として入っている為に投資側としては安心感があることになります。
例えば株式に投資した場合、その投資先の会社が倒産して株価がゼロに近くなるとそこに残るのはほぼ紙切れのみです。
よく「資金が溶ける」という表現がありますが、株式の場合は購入時の価値の半分になってしまった場合は「資金が半分溶けた」わけで、溶けた資金を取り戻す手立てはありません(再び価値が倍にならない限り)。
ところがAsset-backed security(資産担保証券)の場合、その担保として資産がありますから「溶ける」ことにはならないのです。
すなわちその担保価値が損する分を補填してくれるはずの仕組みがAsset-backed security(資産担保証券)です。
このAsset-backed security(資産担保証券)のカテゴリーに分類される一つが
Mortgage-backed security(不動産担保証券)
であり、この場合は他ならぬ物件そのものが担保に入っている証券ということになります。
当ブログで過去の項で紹介して、かつメルマガでも度々ご案内する
もまた、このMortgage-backed security(不動産担保証券)と同類です。
通常のMortgage-backed security(不動産担保証券)には複数の物件のモーゲージが含まれていますが、Promissory Note(プロミゾリーノート)の場合は単体の物件に対し、その債券保有者も自分一人である為にさらに安心感があることになります。
そしてMortgage-backed security(不動産担保証券)も利回りは元本一部や利息からもたらされることになりますが、仮に債務不履行が発生した場合は担保に入っている物件価値そのものが助けれてくれるため、強い保証を得られるわけです。
そして正にここがポイントですが、俗に言われる
「Mortgage-backed security(不動産担保証券)は安全度の高い投資」
これは事実であり、その利回りはその時のモーゲージ金利に直結していることになります。
そうすると「安全度の高い投資」としてその投資先に選ばれたいのであれば、
「ここは安全ですよ」
と投資の避難先を探す投資家達の目に止まらなくてはなりません。
けれどもMortgage-backed security(不動産担保証券)には強力なライバルがいます。
そのライバルこそが、最も安全な部類とされる米国国債の中でも人気の高い「米国国債10年」なのです。
安全度の高い順でいえばMortgage-backed security(不動産担保証券)は米国国債に敵うことはありませんから(米国政府発行の国債には敵わない)、その優位性は
1.米国国債10年
2.Mortgage-backed security(不動産担保証券)
とならざるを得ない位置関係にあります。
これが理由でMortgage-backed security(不動産担保証券)は米国国債10年をベンチマークとしているわけで、その米国国債10年の利回りに直結するモーゲージ金利は米国国債10年の後を追う形に見えてくるのです。
この結果が、
このように2つが連動しているように見える要因となります。
ここから先のモーゲージ金利の動きを読み解く上で、米国国債10年の動きにも注目しておきましょう。
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