こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ不動産投資でより良い物件管理を実現するべく、物件構造についてお伝えしています。
Structure(ストラクチャー:構造)
Function(ファンクション:機能)
Finish(フィニッシュ:仕上げ)
の中でFunction(ファンクション:機能)について、本日も続けます。
Function(ファンクション:機能)
Electrical(エレクトリカル:電気)
生きていく上で不可欠な衣食住の一つ、「住」から受けている気付かない恩恵は多々あります。
その一つとしてElectrical(電気)もまた、普段何気なく使いながらも必要不可欠な恩恵をもたらしている便利な現代技術の粋です。
特に天災等でしばらく電気が使えなくなると、常日頃は気づかない電気のありがたさが身に染みて分かるものです。
そして日常生活に必要不可欠な電気系統が故障してしまうと
「全ての電化製品が止まる」
ことになり、テナントから早急に修繕して欲しい要望が届くことになります。
このような場合は迅速に業者を呼んで原因を調べる必要がありますが、ここでは一般の住居用物件に埋め込まれている電気系統について、簡単に概要を押さえておきましょう。
1.電気の流れ

住居用物件のElectrical(電気)について知識としてまず知っておきたいのは「電気の流れ」です。
当然ながら電気は屋外から屋内に送り込まれますが、一番最初に電気が屋内に流れてくる場所は誰もが知っているだろう
Electrical Panel(エレクトリカル・パネル、ブレーカーボックス)
です(上の写真)。
自宅で停電が発生した場合、誰でも真っ先に
「ブレーカーが落ちていないか?」
とElectrical Panel(エレクトリカル・パネル)を見にいくと思います。
実はこのElectrical Panel(エレクトリカル・パネル)こそが、屋内の電気の出発点です。
外から流れてくる電気はこのElectrical Panel(エレクトリカル・パネル)に最初に送り込まれ、そこから
Circuits(サーキット:回路)
と呼ばれる仕組みの中で複数の電気配線をもって分散され、屋内の各部屋・各フロアに電気が送られることになります。
そこでElectrical Panel(エレクトリカル・パネル)を開いて覗いてみると、そこには複数のブレーカーがあるはずです。
その一つひとつが個々の電気配線をオン・オフにしており、そのブレーカーがオンであれば電気は配線を伝って
Electric Outlet(電源コンセント)
まで届いています。
最初にElectrical Panel(エレクトリカル・パネル)に流れてくる電気がタコ足が伸びるかの如く、屋内に分散されていくわけです。
結果として屋内の電気は一つの配線ではなく、 Electrical Panel(エレクトリカル・パネル) を中心に複数の電気配線で構成されていることになります。
けれども、例えばバスルームで
- ドライヤー
- 電気ストーブ
の双方を使って一定以上の電気を時にElectrical Panel(エレクトリカル・パネル)内のブレーカーが落ちることがあります。
この時に一部の電気は落ちてもなぜ他の部屋の電気はついているのかと言えば、個々のつながりのない電気配線そのものが分散されているからです。
その時は電源の落ちた電気回路のみのブレーカーが落ちているはずですから、ブレーカーを元に戻せば電気は再び流れてくることになります。
2.Electric Outlet(電源コンセント)の種類

そして物件管理にあたり豆知識として知っておきたいのはコンセントの種類です。
アメリカの物件でElectric Outlet(電源コンセント)には
⇒ 2つ穴のElectric Outlet(電源コンセント)
⇒ 3つ穴のElectric Outlet(電源コンセント)
の2種類があります。
もしも物件のElectric Outlet(電源コンセント)の穴が3つある場合、穴は逆三角形のように3点あるはずです(上の写真)。
その中で一番下の穴は
Ground(グラウンド、もしくはEarth:アース)
と呼ばれています。
簡単に言うと、例えば電化製品を使っている時に製品内の電気回線に不具合が起こり、瞬間に相当量の電気が電化製品に送り込まれたとします。
この時に誤ってその電化製品を触ってしまうと、高い確率で感電してしまう可能性があります。
ところがこの3つ穴の場合は下の穴のGround(グラウンド)は電気を逃がす役割をしており、過剰な電気はGround(グラウンド)を通ってElectrical Panel(エレクトリカル・パネル)に戻され、ブレーカーを落として電気の流れを止めてくれるのです。
現代のアメリカの建物では99%、3つ穴のElectric Outlet(電源コンセント)が使われているはずですが、この3つ穴のElectric Outlet(電源コンセント)の方がより安全性が高いことになります。
そしてもう一つ豆知識として知っておきたいのは
GFCI(Ground-fault circuit interrupter:配線遮断型の電源コンセント)
です。
GFCI(配線遮断型の電源コンセント)はアメリカの物件ではよくキッチンやバスルームのシンク横にあるElectric Outlet(電源コンセント)に使われています。
Ground(グラウンド)は電気使用時の安全性を高める上で大切なことは前述のとおりですが、このGFCI(配線遮断型の電源コンセント)はより安全性を高めるように設計されており、例えば
「バスルームでドライヤーを使っている最中にシンクに貯めていた水に稼働中のドライヤーが落ちた」
「コンセントと繋がっている稼働中の調理器具が水を浴びた」
等、瞬間に大量の電気が放出される事故が起こったとします。
この時、GFCI(配線遮断型の電源コンセント)はそのElectric Outlet(電源コンセント)から出入りする電気の流れを常にモニタリングしており、現行犯逮捕のように事故が起こった瞬間に
「バチッ」
と電気の流れを止めてくれるのです。
このGFCIの仕組みにより、米国では過去に起こった水回りの感電事故がそれ以前の1/4に減少した統計があります。
Electrical(電気)の不具合については直ちに専門家に見てもらう必要ありますが、物件オーナーとして本項のような建物構造上の仕組みはざっくりとでも把握しておきましょう。
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