昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ不動産投資でより良い物件管理を実現するべく、物件構造についてお伝えしています。
Structure(ストラクチャー:構造)
Function(ファンクション:機能)
Finish(フィニッシュ:仕上げ)
の中で、Finish(フィニッシュ:仕上げ)について本日も続けます。
Finish(フィニッシュ:仕上げ)
Soffit(ソフィット:軒下)
プロパティマネージャーとやりとりをする中で、聞き慣れないけれどもそれなりの頻度で聞く可能性がある言葉に
Soffit(ソフィット:軒下)
があります。
軒下といえば日本語でもイメージがつきやすいと思いますが、
「屋根の一部ではない、雨を防ぐ役割をする軒の下側」
です。
通常この部分は軒の下面ですので水に濡れるはずはありませんが、
- 軒の上側が壊れて浸水
- 軒の端っこから水が浸水
- 長い年月で徐々に水分を吸い込んで経年劣化
等が原因で痛んでくる場合があります。
また水分を吸い込むまでもなく、反対に乾燥している地域では長年の経年劣化として
「Soffit(ソフィット:軒下)部分の素材がカラカラに乾く状態が続き、少しでもつつくとボロボロに落ちてくる」
という現象が起こることもあります。
いずれにせよこの部分は直接的に屋内への浸水原因になるわけではありませんが、不具合が発見されたら適切な処置が必要です。
Fascia(ファシア:軒の縦板)
Soffit(ソフィット:軒下)が軒の下面となる一方で、Fascia(ファシア:軒の縦板)はその外側の側面部分です。
これら2つは
Soffit(軒下) … 横
Fascia(軒の縦板) … 縦
でつながっており、常に交わる関係にあります。
またFascia(軒の縦板)は後述するGutter(ガター)が位置する部分です。
大抵の物件では雨水を流すGutter(ガター)が設置されており、そのすぐ横部分がFascia(軒の縦板)です。
そこでプロパティマネージャーから
「Soffit(ソフィット:軒下)が〇〇で、、」
「Fascia(ファシア:軒の縦板)が〇〇していて、、」
等の連絡があれば、それは日本語で言う軒の部分に関係する修繕のことになります。
これらは構造そのものとは違い、どちらかと言えば
Fixtures(フィクスチャーズ:物件に恒久的に接続されている付属品の総称)
に属する部分ですが、軒そのものがSiding(サイディング)と合わせて物件を外部要因から守る大切な役割を果たします。
特に軒は
- 窓
- 玄関ドア
- 勝手口ドア
等の構造上、換気や人の出入りがある部分の上についています。
ここは雨から物件を守る上では重要は部分となり、その下にあるだろう窓やドアを守る要です。
そこでこれら
Soffit(軒下)
Fascia(軒の縦板)
の2つは常に直角に交わっている箇所ですが、前述のように木材では経年劣化がほぼ確実に起こる為に近年はその素材として
- Metal(メタル)
- Aluminum(アルミニウム)
がよく使われています。
Gutter(ガター:雨樋)
昨日はFinish(仕上げ)を構成する中でも大部分を占めるだろう
Siding(サイディング)
についてお伝えしました。
Siding(サイディング)はStructure(構造)の一部であるRoof(屋根)と共に、屋内を外部要因から守ってくれる要の部分です。
そして先にお伝えした
Soffit(軒下)
Fascia(軒の縦板)
の2つもまた、Siding(サイディング)と共にあって物件を外部要因から守る重要なFinish(仕上げ)部分となります。
そこでこれらの外部要因から物件を守る箇所で聞き慣れないFinish(仕上げ)の一つに
Gutter(ガター:雨樋)
があります。
プロパティマネージャーからの連絡に
「Gutter(ガター)が〇〇で。。」
と言われても聞き慣れない言葉ですが、これは日本語で言う「雨樋(あまどい)」のことです。
言葉を覚える意味でもう少し分かり易いのはボウリングです。
人生で一度はボウリング場で重いボールを転がしたことがあると思いますが、向こうに立ち並ぶボウリングピンを倒すべく転がすものの、ボールをうまくコントロールできずに「ガーター」に落ちてスコアがゼロとなった経験は誰でもあるのではないでしょうか。
このボウリングレーンの左右に併設されているガーターも英語では同じ
Gutter(ガター)
です(日本語ではガーター)。
要は
⇒ 雨の流れを誘導する雨樋
⇒ ボウリングレーンのガーター
これらの機能は同義であり、もともとの英語での語源は
Gutter(排水溝)
が正しく、
「水を集めて一定の方向に流して誘導する」
という役割を果たします。
アメリカの物件の場合は先のFascia(軒側面の縦板)に沿って設置されており、屋根から伝ってくる雨を集めて建物の下に物件に影響を与えないように排水させることになります。
そこで管理会社ではよくそのオプションとして
「Gutter(ガター:雨樋)の定期清掃」
というサービスを目にします。
このオプションサービスは管理会社の方針にもよりますが、実施の有無で言えばGutter(ガター:雨樋)の定期清掃は依頼しておいた方がよいと思います。
Gutter(ガター:雨樋)そのものの経年劣化もそうですが、特に物件周辺に木々がある物件の場合はこのGutter(ガター:雨樋)に落ち葉がたまるからです。
そうすると雨の流れにとって落ち葉は障害物となり、その詰まった箇所で水がGutter(ガター:雨樋)の側面から溢れてバシャバシャ落ちることになります。
この何が都合悪いのかといえば、雨が降り続く間に駄々洩れする水は横にあるFascia(軒側面の縦板)にあたり続ける可能性があるのです。
そうすると短時間では問題ないものの、雨が降る度にまとまった量の雨水がFascia(軒側面の縦板)にぶつかり続けると
⇒ Fascia(軒の縦板)そのものを痛める
⇒ Fascia(軒の縦板)とSoffit(軒下)のつなぎ目から浸水する
という可能性もあり、またFascia(軒側面の縦板)でなくともSiding(サイディング)に直接ぶつかり続けて物件にダメージを与えることもあり得ます。
それが理由で可能であればGutter(ガター:雨樋)の定期清掃は依頼して、いかなる雨天時にも雨水を適切に下に流すようにした方が良いと思うのです。
明日に続けます。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。