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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
2008年9月15日、当時アメリカ投資銀行の一つであったリーマン・ブラザーズが経営破綻しました。
米国不動産市場の悪化を受けて急激に資金繰りが悪化した為です。
前年の2007年に米国不動産市場はほぼ暴落に軌道にのり、そのまま不動産価格は転げ落ちるかの如くに下がり始めていました。
それまで勢いよくお金を貸し出していたはずの金融機関が次々と経営破綻の危機に陥り、
「Too big to fail(潰すには大きすぎる)」
と判断されて最初に救済されたのが、大量のモーゲージ買取を引き受けていた
ファニー・メイ
フレディ・マック
です。
そしてサブプライムローンを始め不良債権を多く含む証券を発行していた金融機関の多くが資産価格の暴落に見舞われ、ば破綻のレベルにまでに落ち込んでいきます。
けれども規模の大きくすぎる金融機関を破綻させてしまうと米国経済(果ては世界経済)に大きな影響を与えてしまうことから、米国政府による公的資金が注入されたのです。
この公的資金注入のことを英語で
「Bail out(ベイルアウト)」
と呼び通常は保釈の意味で使われることが多い言葉ですが、当時のような経営破綻危機にある企業・機関を救済する意味でも使われています。
とはいえ経営破綻危機を救済するパターンで使う時には
「この企業(機関)は社会的責任を追えずに、政府に泣きついた」
という逃げのニュアンスもあり、事実、政府としてもこれらの金融機関は巨大すぎて潰すわけにいかないことになります。
そして当時日本でも頻繁に見られたキーワードが
「サブプライムローン」
という言葉でした。
端的に言えばローンの種類には
- プライムローン(優良なローン)
- サブプライムローン(優良基準に満たないローン)
の2種類があります。
借り手が高い融資基準を満たす場合は優良ローンであり、これを満たさない(通常であれば審査を通過させるべきではない)甘い基準がサブプライムローンです。
当時は不動産バブルの最中にあり、
「上昇し続ける不動産価格がリスクを十分に吸収してくれるはず」
という前提があった為に先のリーマン・ブラザーズのような投資銀行はもちろんのこと、大手銀行もサブプライムローンのレベルで貸し出し続けていたのでした。
けれども不動産価格の暴落からサブプライムの焦げ付きが津波を引き起こし、日本で表現される「リーマン・ショック」を口火として世界金融危機に突入することになります。
いつか来た道がここに
結局のところ、私(佐藤)自身はこの時の金融危機は「人災」の側面が大きかったように思います。
⇒ 不動産ブームに乗りたいと無理をして借金をする借り手
⇒ 不動産ブームに乗って儲けを大きくしたいと無理に貸し続ける貸し手
この双方による過度な欲が「Bail out(ベイルアウト)」を乞わねばならない
「Too big to fail(潰すには大きすぎる)」
レベルにまで事を大きくしたと思うのです。
その後に事の発端となったサブプライムローンは政府指導によりほぼ姿を消し、大手銀行の融資基準が「プライム基準」のみに限定されたことから現在の融資事業は極めて健全なレベルにあります。
言い方を変えると、融資を受けたい借り手としては現在は
「簡単には融資が受けられない」
という状況にあり、これはこれで健全な状況にあることになります。
ところがです。
ここで言う健全な状況にあるプライムローンは全てが政府指導による厳しい管理下に運営されている大手銀行を始めとする金融機関によるものです。
これとは別に、少し前にお伝えしたシャドーバンクに属するノンバンクに至っては政府の管理下になるわけではなく、すなわち
「優良基準に準ずる必要はない」
ことになります。
確かに政府管理下にあるバンクの場合はほとんどが優良ローンで占められているのですが、ノンバンクの場合は政府基準からすると優良とは言えないローンも貸し出されていることになります。
これを例えるなら、政府指導にある大手銀行を始めとする金融機関には大きな「善意の足かせ」がかけられているようなものでしょうか。
これに準ずることは過去に「Bail out(ベイルアウト)」させてもらった金融機関としては当然でしょうし、
「条件を満たすローン」
どころか
「完璧な優良ローン」
であることがこれらの金融機関には求められています。
けれどもノンバンクの場合はこれら足かせはありませんから、
「大手銀行よりも基準を甘くしよう」
という式で、競争を有利に運ぶことが出来ます。
ここに融資業界の「融資条件格差」が現れ、それは確実にノンバンクの立場を有利にし、ノンバンクによる米国不動産のモーゲージシェアは徐々に拡大した経緯があるのです。
数字で見ると、現在のアメリカの三大銀行は
JPMorgan Chase(モルガン・チェース銀行)
Bank of America(バンク・オブ・アメリカ)
Wells Fargo(ウェルス・ファーゴ)
ですが、2011年にはこれら三大銀行が占めるモーゲージは米国全体の50%はあったものが、2016年の時点では21%にまで低下しています。
そして、そこに輪をかけて台頭してきたノンバンクの代表格が
Digital-only Bank(デジタルオンリー・バンク:デジタル完結型の銀行)
です。
いわゆるデジタルバンクは
- 口座開設
- 運用
- 口座閉設
の全てがデジタル式にパソコンやスマホのみで完了してしまい、従来の銀行とのやりとりのように煩わしい紙媒体のやりとりは一切ありません。
そもそもがモーゲージを希望する一般消費者にとってはその融資元が
バンク
ノンバンク
のどちらでも関係がないわけですし、それならば
⇒ 融資条件が緩い
⇒ 手続きがオンラインのみで解決する
という利便性の方が好まれ、実際にノンバンクは一気にモーゲージ市場のシェアを拡大してきた経緯があります。
そして今、このノンバンクの比類なき拡大が大きな懸念となり、それはまさしく「いつか来た道」を思わせる状況になっているのです。
ノンバンクの詳細について、明日に続けます。
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