昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
ノンバンクの代表格であるQuicken Loans(クイッケン・ローンズ)についてお伝えしています。
ここ10年程の間にアメリカ不動産のモーゲージ業界ではその勢力図が大きく変化してきました。
かつてはアメリカの三大銀行
JPMorgan Chase(モルガン・チェース銀行)
Bank of America(バンク・オブ・アメリカ)
Wells Fargo(ウェルス・ファーゴ)
だけでモーゲージ取り扱いの50%を占めていたものが現在では20%程度に落ち込むという三行の衰退ぶりですが、衰退というよりも実際はノンバンクの利便性が人気を博し一気に大手銀行のシェアを取り始めたという実情があります。
ちなみに今では米国のモーゲージ選択肢の一つとしてかなりの知名度をもつようになった
「Rocket Mortgage(ロケットモーゲージ)」
ですが、このRocket Mortgage(ロケットモーゲージ)は
Quicken Loans(クイッケン・ローンズ)
が前身であり、かつQuicken Loans(クイッケン・ローンズ)は
Intuit Inc(インテュイット)
に買収されていたことはあまり知られていません。
Intuit Inc(インテュイット)は米国に暮らす人々の間では主に
- TurboTax(ターボタックス)
- QuickBooks(クイックブックス)
等の
「確定申告ソフトや経理処理ソフトを出している会社」
としての認知度が高いと思いますが、Intuit Inc(インテュイット)は今ではそのサービス名が社名となったRocket Mortgage(ロケットモーゲージ)の親会社です。
そこで構図としては
「米国で会計処理ソフトを担う大会社が全米最大のモーゲージプロバイダーも所有している」
ということになります。
ノンバンクの代表格について、本日も続けます。
Rocket Mortgage(ロケットモーゲージ)の利便性
昨日はRocket Mortgage(ロケットモーゲージ)が一気に市場を取り始めた背景として、デジタル完結型による
- 便利
- 簡単
- スピードが早い
という点を上げました。
どこかの消費者金融で聞きそうなフレーズですが、正にこの感覚で顧客に寄り添った最大限の利便性を実現していることになります。
利便性
アメリカ人はどこまでも合理性を重んじかつ個を尊重する概念が根底にあり、その良し悪しは別に物事を進める上では
「自分にとっての利便性」
を極限まで求める雰囲気があるものです。
出来たばかりのサービスでも合理的であれば瞬く間に社会に受け入れられる為、特に情報化社会が本格化してからは
「物事は自分のペースで進める」
という習慣が一気に深まった感があります。
それこそモーゲージの申し込みなどは一生にそう何度も申し込むものでもなく、あくまでも
「あまり時間をかけたくないけれども、物件を購入するには必須の作業」
です。
そうすると
「24時間、いつでも自分のペースで進められる」
という便利さは非常に重宝されることになります。
スピード
ファーストフードを好み、必要なことでも極力時間をかけたくないアメリカ人にとって
「30分以内に審査結果が分かる」
という手軽さは大いに歓迎されています。
秘匿性
アメリカ人でももちろん
「極力人と会わずに申し込みを済ませたい」
という人は多くいます。
特にモーゲージのような専門性の高い手続きは誰に急かされるでもなく、自分のペースで自分だけで進めていきたいものです。
このような他人と顔を合わせる必要のない秘匿性も人気を博している理由の一つになります。
そこでこれらの特徴を押さえた上で、Rocket Mortgage(ロケットモーゲージ)に申し込む際のステップを見ていきましょう。
30年固定金利の場合
Rocket Mortgage(ロケットモーゲージ)の中でも30年固定金利に申し込む場合、下記のような条件があります。
1.最低クレジットスコア
Rocket Mortgage(ロケットモーゲージ)の場合、30年固定金利で求められる最低クレジットスコアは620。
2.頭金3%
頭金はなんと3%まで落とせるという低さ。
さすがに0%の頭金はないものの最大97%まで借入れが可能という極大リスクと背中合わせ。
3.クロージングコスト2~6%
クロージングコストにかかる費用は物件価格の2~6%となり、この辺りはごく平均的な数字。
4.DTIは50%以下
そしてここもまた大手銀行と比べて競争を優位にする条件の一つですが、
でお伝えしたDTI(Debt-to-Income Ratio:収入に対する借金の割合)は大手銀行では最大43%が一般的となるところ、Rocket Mortgage(ロケットモーゲージ)の場合はDTIが50%まで可能とされています。
7%の差はかなり大きく、
「自分はモーゲージは厳しいかな」
と思う人々の多くがRocket Mortgage(ロケットモーゲージ)に流れてくるわけです。
。。。
30年固定金利のパターンでお伝えしていますが、少し見るだけでも大手銀行と比較すると有利なことが分かります。
ちなみに
- 住居用物件
- 投資用物件
では頭金にしても投資用の場合は住居用よりも高い金額を求められるのが通常です。
この点も大手銀行では今なら最低25%の頭金が必要となるところ、Rocket Mortgage(ロケットモーゲージ)の場合は
「投資物件の最低頭金は15%」
とされており、より高いレバレッジでの投資物件購入が可能となります。
かくして、この手の大手銀行に課せられる条件からすると
「プライムローン」
とは言えないレベルのモーゲージが拡大し続けていることになります。
これらノンバンクの市場規模は決して無視できないレベルまで拡大しており、市場の価格調整のきっかけにもなり得るノンバンクの行く末には敏感になっておく必要があると思います。
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