昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昔、アメリカ不動産投資に参入したての時期にとある市場でめぼしい物件を見つけました。
10万ドル台のその物件は
- 立地よし
- 治安よし
- 物件よし
の条件を備え、ややグレードの高い物件でしたのでキャッシュフローは最高レベルとは言わずとも十分に納得出来るレベルでした。
物件を購入する時は出口よりも「入り口戦略」の方が大切ですし、極力安く購入するに越したことはありません。
けれども詳細を調べると、最終価格は想定よりもやや高めに。
最後には
「自分の基準よりも$5,000も高い」
と思い諦めたのでした。
仮に購入していれば毎月の家賃は$1,450程度で決して悪くないスタートが切れる予定でしたが、目先の
「$5,000も予定より高い」
という現実に、購入しない決断をしたのでした。
そして先日ふと、その物件のことを思い出したのです。
当時購入を検討していたこの物件を今調べてみると、
物件価値 … 25万ドル近く
家賃 … $1,895/月
にまで成長しているではありませんか。。
当時の佐藤は
「想定より$5,000も高い。この案件は止め。」
と目先の5千ドルを惜しんで買わない判断をしたのですが、結果として
⇛ 10万ドル以上のキャピタルゲイン
⇛ 毎月400ドル(年間4,800ドル)以上のキャッシュフローの増加
を見逃してしまったのです。
「一文吝みの百知らず(いちもんおしみのひゃくしらず)」
とは正にこのこと。
実際には百どころか十万ドル知らずだったわけで、
「あの時に5千ドルを惜しんでいなければ。。」
と後悔先に立たずの念に駆られたのでした。
長期投資でチップを置く
今でこそこのような目先で惜しんで大損をすることはなくなりましたが、当時駆け出しの佐藤は不動産市場の性質を肌身で理解しておらず、前述の大損は貴重な失敗談の一つとなりました。
事程左様にアメリカ不動産投資の場合は「行動しないことによる機会損失」はあまりにも大きく、ともするとアメリカ不動産投資ほど
「目先のお金を惜しんで大損するパターン」
が多い資産カテゴリーはないかもしれません。
元々私(佐藤)はギャンブルは好まないタイプですし、アメリカ不動産という資産カテゴリーが気に入っている理由の一つは
「先の見立てが立てやすい」
からです。
経済サイクリに伴って物件価格は上下するものの、全体としてはインフレと共にその価格は上昇傾向にあります。
株の場合はその行く末が経営陣に委ねられており、最悪の場合は株価が紙くず同然になることも起こり得ます。
これに対して不動産資産は自然界に密着していると同時に、衣食住という人が生きていく上で必要不可欠なカテゴリーに完全に食い込んでいる為、不慮の事故で物件そのものが破壊されない限りはその価値が紙くず同然になる可能性はまずないと断言出来ます。
そして不動産価格の推移は本来非常に緩やかであり、過去の数字の傾向をみることで先が見立てやすい特徴があります。
すなわち不動産資産はインフレ対策を踏まえた長期投資向けのカテゴリーにハマっているわけです。
そこで過去の失敗を踏まえた上で、私(佐藤)自身が入り口戦略を踏まえて重要視する要素に下記の2点があります。
物件価格の推移
物件価格の推移を見た時に
「市場全体が順調に上向きなのに、対象物件は価格が落ち続けている」
このようなパターンを示す物件はほぼ皆無です。
もしもその物件価格が立地する市場の平均推移と反比例し続ける場合、まず間違いなく物件そのものに問題があります。
そこで将来の価格を占う上で前提として
「対象物件の価格の推移」
は確実に確認するようにしましょう。
当地の平均物件価格が2008年以降のような大暴落の時期を除けば順調に推移している場合、適切な
- ロケーション
- 物件状態
を押さえている限り、高い確率で物件価格そのものは上昇傾向が続くことになります。
もちろん経済サイクルに伴って多少の上げ下げは経験して当たり前ですが、基本的なベクトルは上を向き続けるものです。
家賃の推移
それと同時に押さえておきたいのが
「家賃の推移」
です。
基本的に住居費となる家賃もまたインフレと共に上昇していく傾向にあります。
「周囲の物件の家賃が上昇傾向にあるのに、自分の物件だけが家賃が下がり続ける。」
これは起こり得ないシナリオで、余程酷い状態を放置していない限りは家賃が下がり続けることはまずあり得ません。
そして家賃の推移もまたアメリカ不動産投資の将来に向けて高い確実性を期待出来る所以であり、当地の市場が土壌としてしっかりとしている以上は
「将来は家賃収入がほぼ確実に上昇していく」
これは間違いないと思います。
これが理由で多くのプロたちは
⇛ 市場の将来性が高く評価できる
⇛ 物件グレードが適切に高い
この2つの条件を満たす場合、
「購入当初はネガティブキャッシュフローでも構わない」
としているのです。
このような基本的な特徴が見えていなかった駆け出しの佐藤は冒頭のように目先の判断で大損しており、仮に当時がマイナスキャッシュフローからのスタートだったとしても、今では十万ドル以上のエクイティに加えてキャッシュフローとしても十分にプラスになっていたことが分かります。
。。。
かくして私(佐藤)自身もここまでに多くの失敗を重ねていますが、身をもって理解した過去の失敗があってこそ各市場の特徴をより深く理解出来たことも事実です。
その意味では
「一文吝みの百知らず(いちもんおしみのひゃくしらず)」
も
「無用の用(むようのよう)」
とも言えるでしょうし、将来は過去の経験から更に回収出来るように勝率を高め続けていきたいと思います。
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