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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
Cash on Cash Plus(キャッシュ・オン・キャッシュ プラス)
という考え方で
Actual Cash on Cash(実質キャッシュ・オン・キャッシュ)リターン
Project Cash on Cash(見込みキャッシュ・オン・キャッシュ)リターン
の違いを比較しています。
Cash on Cash(キャッシュ・オン・キャッシュ)リターン
そのものは端的に言えば
「出資した自己資金に対し、実際のところどれだけのリターンがあったのか」
を検証する概念です。
この
「キャッシュの上から生まれたキャッシュ」
は
「定期預金から生じた利息」
と同義であり、投下した資金に対するリターンをごく直接的に把握できる尺度になります。
このことを本シリーズでは
Actual Cash on Cash(実質キャッシュ・オン・キャッシュ)リターン
と表現しており、アメリカ不動産から期待できる実質のリターンを推し量る上では最良の手法です。
けれどもここで一歩下がって理解しておきたいのは、Actual Cash on Cash(実質キャッシュ・オン・キャッシュ)はあくまでも「自己資金に対するリターン」を見るための尺度であり、その数字は高ければ高い程「リターンが大きい」と喜ぶべきではあるものの、この考え方は
「プロジェクトに潜むリスクを隠してしまう」
という側面があります。
端的にいえば
⇛ 投下した資金に対する数字的リターンの割合
⇛ フルリノベーションを実施する工程上の物理的リスクの割合
この2つはその本質が全く違うものです。
ことフリップをしてそのリターンを語るならば
「リスクが低くリターンが大きい」
これが正常であり、この点は株式投資とは違い不動産投資においては
「リスクが高くリターンが大きい」
は成立しにくい傾向があります。
昨日の例から続け、リスクについての考え方を数字で見ていきましょう。
数字が予想を魅せてしまう
昨日の例の数字を改めて並べてみます。
物件購入価格:$200,000
リノベーション’費用:$50,000
リノベーション後の物件価値:$300,000
売却にかかったコスト:$40,000
最終利益:$10,000($300,000 - $250,000 - $40,000)
見込みキャッシュ・オン・キャッシュ:3.44%($10,000 / $290,000)
この例ではプロジェクトそのもから期待できるリターンは3.44%でした。
ここで、プロジェクトそのものに対し
「ハードマネーから借り入れてフリップを実行する」
というパターンを考えてみましょう。
ハードマネーは日本語的にいえば高利貸しとほぼ同義であり、大した融資審査もなく
- 物件購入費用
- リノベーション費用
の双方に対して融資を引くことが出来ます。
しかもLTV(物件価値に対する融資率)も高く
LTV 90%
もザラにあります(その代わり金利はとても高い)。
そこで今回の例でも
「物件購入費用とリノベーション費用に対し90%を借り入れることが出来た」
としましょう。
そうすると
物件購入価格とリノベーション費用の双方で
$250,000($200,000 + $50,000)
に対し90%となる
$225,000($250,000 X 90%)
の借り入れをすることになり、出資した自己資金そのものは
$25,000($250,000 X 10%)
のみで済むことになります。
そして
Actual Cash on Cash(実質キャッシュ・オン・キャッシュ)リターン
の基本概念は
「出資した自己資金に対し、実際のところどれだけのリターンがあったのか」
ですから、今回のケースでは
「最終利益$10,000」
であり、自己資金だけで見るActual Cash on Cash(実質キャッシュ・オン・キャッシュ)リターンとしては
40%($10,000 / $25,000)
となります。
「自己資金に対して40%のリターン」
この数字は良いか悪いかといえば
「かなり良い」
と言えそうです。
Actual Cash on Cash(実質キャッシュ・オン・キャッシュ)は定期預金と同義、という意味では
「金利40%の定期預金があります」
と聞けば万人が飛びつくのではないでしょうか。
実際に上記のような数字はフリップ案件では普通に出てきますし、最初にハードマネーの類を使うことでこのレベルのキャッシュ・オン・キャッシュリターンも自然と出てくることになります。
そして正にここで、40%のようなハイリターンの数字を見ることで
「この案件は最高リターンのレベルだ!」
と勘違いしてしまうのです。
事実、このようにフリップ案件をActual Cash on Cash(実質キャッシュ・オン・キャッシュ)の概念で試算する投資家は非常に危険な橋を渡ることになります。
「実質の投下資金に対して40%ものリターンなのに何がリスクなのか?」
「究極は極力少ない資金でリターンを最大化するのが投資の本質ではないのか?」
と言われればそれはそうなのですが、ここでは明らかに良好な数字がリスクを隠してしまっているのです。
この「Actual Cash on Cash(実質キャッシュ・オン・キャッシュ)の罠」とも言うべきトラップにかかり、セリフフリップに失敗してしまう例は枚挙にいとまがありません。
投資そのものはリターンを最大化するにしてもその前提は
「(リスクを極小化して)リターンを最大化」
が健全でしょうし、アメリカ不動産投資は本質的に
「ローリスク・ミドルリターン」
です。
そしてこのミドルリターンこそが、年月と共に指数関数的にとんでもないリターンに大化けしていくことになります。
この「Actual Cash on Cash(実質キャッシュ・オン・キャッシュ)の罠」についてはアメリカ不動産投資において失敗を避ける上で非常に大切な観点ですので、要点をおさらいして本シリーズを締めくくりましょう。
明日に続けます。
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