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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
8月末、FRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長がジャクソンホールにて
「物価の安定を取り戻せなければさらに大きな痛みを伴う」
「物価安定を取り戻すために間制約的な政策スタンスを維持」
「インフレ期待の安定を確認できるまで強力かつ迅速に金融政策を行う」
という趣旨で発言し、急速な金融引き締め継続を示唆しました。
要は
「政策金利引き上げは断じて継続する」
という意思の現れです。
これを受けて株式市場を中心に世界中の経済は反応し、株価も急激に下がる場面がありました。
数字の実績としては米国の7月の消費者物価上昇率は前年同月比で8.5%と前月の9.1%から大きく減速。
また7月の個人消費支出物価指数については前年同月比で6.3%と、前月の6.8%から低下する傾向が見受けられます。
たった今の時点で
「米国の急激な物価上昇は落ち着きつつある」
ように見えるわけですが、それでも
「いや、まだまだ安心はできない」
との強い決意で引き続き政策金利の上昇を継続する方向です。
実際のところ、現在の政策金利の引き上げペースは統計上で確認するだけでも
「1960年代後半」
の金利上昇に匹敵するレベルに達しています。
この時は1954年に正式に政策金利の記録が取られ始めて以降、初めて急激な金利引き上げが実施された時期であり、その後はローラーコースターが続いています。
乱高下は続く可能性
このあたりをグラフで読み解いていきましょう。
上のグラフの如く、米国の近代史で最も政策金利の乱高下が激しかったのは
1960年代後半 〜 1980年代前半
です。
正確には政策金利は1981年にピークを打ち、そのあとに上昇をぶり返しながらも落ち着く方向に向かい始めます。
つい最近では例の2008年以降に本格化した不動産大暴落を機に実質ゼロ金利政策を実施。
そして2000年初頭のパンデミックを受けて再び実質ゼロ金利政策が実施されて現在に至ります。
前回の実質ゼロ金利政策後との違いは政策金利引き上げのタイミングとそのスピードです。
現在の上げ幅は明らかに
1960年代後半 〜 1980年代前半
に酷似しており、その上げ幅は横においたとしても同様の乱高下が続き得ることは誰にでも予想出来ると思います。
そこで私達が把握しておきたいのは、
「パウエル議長は何を指標に着地点を定めようとしているのか?」
です。
実際とのところ、私(佐藤)自身は個人的にはパウエル議長を始めとするFRBチームは現状で出来るベストな政策を取っていると見ています。
米国内でもFRBの政策に対しては賛否両論ありますが、そもそもが誰一人として完璧に経済をコントロール出来ない中で決断力と行動力については相当優秀なレベルで動いているのではないでしょうか。
そこでパウエル議長は見ているのは何かといえば、
「人々の心理」
です。
世の経済を動かすのはサービスと商品であり、そのサービスと商品に対する需要と供給の関係で価格は変化していきます。
そして需要と供給は最終的に何に左右されるのかといえば、紛れもなく「人の心理」です。
消費者目線では
「これは安い!買っておこう」
「ちょっと高いな、控えておこう」
そんな風に価格に敏感になり、経営者目線では
「固定費はかなり抑えないとまずいな。内部留保もより高めていこう」
「ここが投資時。雇用と設備を増やそう」
とサービスと商品というアウトプットは本質的に世の人々の心理が反映された結果だからです。
そこでパウエル議長が注目しているのは
「人々の急激なインフレへの警戒が実際のインフレ率に影響するタイミング」
であり、より具体的には
1.インフレが上昇し続ける
2.世の人々はインフレ率の高止まりを予想する
3.その予想が賃金やサービス・商品の価格に反映される
この流れが
「心理的に落ち着いた状態」
として数字に反映され、
「サービス・商品の価格が定まってきた時(急激な物価上昇が落ち着いてきた時)」
に政策金利を落ち着かせるタイミングと見ている節があります。
アメリカ不動産市場への影響は
そうすると結論、少なくとも今から2023年に向けてはまだまだ政策金利の上昇は続くのではないでしょうか。
ここで手を緩める場合は急激な物価上昇はぶり返すことは容易に想像でき、その意味ではここからいよいよ緊張が続く非常に不安定な時期はしばらく続くように思います。
そこでここまでの流れと近い未来の流れはアメリカ不動産市場にどのような影響を与えるのでしょうか。
本来不動産そのものは流動性が低い側面があり、それだけに株式と比較するとある程度先の見通しが立てやすい性質があります。
物件価格の上げ下げは体感レベルで見えてくるものであり、その「傾向」はしばらく続くものです。
その意味でアメリカ不動産市場の流れをざっくりと捉える時、3つの数字が大きな参考になります。
それは
YoY(Year-over-year:前年比)
MoM(Month-over-month:前月比)
Inventory(在庫)
の3つの数字です。
過去の歴史と同時に間近ではこれら3つの視点で全体を捉えることで傾向として
「これから全体的に下がり続けるのか」
「現状がしばらく続くのか」
「下げの圧力は一服し、ここからまた価格は上昇するのか」
等の見晴らしがよくなることになります。
そこで今回はアメリカ不動産市場の今と近い未来を見据える上で、今の市場を
YoY(Year-over-year:前年比)
MoM(Month-over-month:前月比)
Inventory(在庫)
の3つの側面から捉えてみましょう。
明日に続けます。
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