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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今回のシリーズでは
YoY(Year-over-year:前年比)
MoM(Month-over-month:前月比)
Inventory(在庫)
の観点から2022年夏のアメリカ不動産市場の様子に焦点を当ててきました。
まとめると、これら3つの指標は
前年比 ⇛ 長期トレンドを示す
前月比 ⇛ トレンド転換期の風向きを確かめる
在庫 ⇛ 次に起こるトレンドの予兆
そんな風に使い分けることが出来ます。
そこで今夏の市場の動きとしては
「未だに100万戸以下で枯渇気味だが、その在庫数は大きく回復し始めている」
という様子が見て取れますが、この点はもっぱら「全米平均の全体的な傾向」の話です。
厳密にはアメリカ不動産市場もまた「地域市場の塊」であり、各地域市場の変化は各地域の
- 人口の増減
- 雇用環境の変化
等により大きく変わってきますから、不動産市場においてもいずれの地域も独特な動きをすることになります。
そこで価格の傾向については各地域市場によって違いがありますが、大局観で先の傾向を見るに最も重要な指標は
「Inventory(在庫)の変化」
です。
より具体的には
「Inventory(在庫)が当地の然るべき数値に戻り始める時」
このタイミングが、その地域市場の物件価格が本格的に落ち着き始める時になります。
落ち着き始めるとは
「価格が暴落する」
という意味ではなく、
「本来の然るべき価格水準に収束し始める」
という意味です。
そこで昨日までにお伝えしたアメリカ不動産全市場の平均という視点では
「今だ物件は枯渇気味」
「全米の平均としては価格が大きく下がるレベルには至っていない」
「けれども在庫数は増え始め、然るべき水準に戻る傾向が見られる」
これがたった今の市場の様子になります。
Inventory(在庫)がパンデミック以前に戻った地域
かくしてここからのアメリカ不動産市場を読み取る鍵の一つは
「在庫が当地のパンデミック以前の水準に戻っているか否か」
です。
パンデミック以降はゼロ金利政策が心理的に人々の背中を押し、市場に購入者が殺到した結果、資産バブルの様相を呈することとなりました。
結果として在庫数は枯渇気味となり、数少ない物件に数多くの人々が群がることで更に価格を押し上げたわけです。
そこでこの2022年の夏までに
「在庫数がパンデミック以前の水準に戻った市場はあるか?」
といえば幾分存在し、これらの市場では購入者目線では
「選べる物件数はパンデミック以前のレベル」
と言えます。
けれども供給は戻ったとしてもそれを買いたいとする需要もまたパンデミック以前に戻ったかと言えば、それはほぼ間違いなく
「No」
です。
ということはこれらの地域ではパンデミック以前と比べると
需要 < 供給
のバランスになる可能性が高く、このパワーバランスに伴ってパンデミック以前の価格よりも下がってくる可能性が高いことになります。
そこで物件在庫数が本年2022年夏の時点でパンデミック以前の水準に戻った地域はどこかと言えば、それは
「カリフォルニア州サンフランシスコ市場」
です。
当地はいろんな意味でアメリカの象徴的な都市ですが、サンフランシスコは本年夏に公式に
「在庫数がパンデミック以前のレベルに戻った唯一の都市」
となりました。
ということは、力学の動きだけで見るとサンフランシスコ市場は
需要 < 供給
このパワーバランスがここから更に顕著になり、価格が大きく下がってくる可能性が否定出来ません。
この値下がり具合が
⇒ パンデミック以前の価格にソフトランディングする
⇒ パンデミック以前の価格よりも遥かに下がる
のいずれになるかは正確には分かりませんが、感覚的にも
「異常に跳ね上がった物件価格は、激しくその価格が下がってくる」
ということは誰にでも分かるでしょうし、全米の中でも一番手に在庫数がパンデミック以前に戻ったサンフランシスコではここからの価格推移は非常に読み取りやすく
「大きく跳ね上がった分、大きく下がる」
「勢い、パンデミック以前よりも更に価格が落ち込んでくる」
という可能性も否定出来ないように思います。
同様の傾向が全米に広がる予兆
このようなサンフランシスコ市場の後を追うことになりそうな地域市場もちらほら見え始めており、間近に続きそうな市場は
テキサス州オースティン
アイダホ州ボイシ
アリゾナ州フェニックス
ネバタ州ラスベガス
ネバタ州リノ
フロリダ州フォートマイヤー
ユタ州プロボ
ユタ州ソルトレイク
ワシントン州シアトル
ワシントン州スポケーン
等の地域です。
いずれの地域もパンデミック以前から価格が大きく伸びつつあった地域であり、特にパンデミック以降は加速して価格が高騰してきた地域ばかりです。
そうするとこれらの地域は特に注視する必要があり、ここからの時期は一般MLSを使って物件を購入することはお薦め出来ず、理由があって今の時期に購入する場合はオフマーケットに絞っておいた方が無難なように思います。
。。。
今回は
YoY(Year-over-year:前年比)
MoM(Month-over-month:前月比)
Inventory(在庫)
の3つの指標を使って全米の平均レベルを包括的に見てきました。
前述のように本来アメリカ市場というものは存在せず、あるのは地域市場の塊です。
そして地域市場を詳しく見ることでより直接的かつダイナミックな変化を見ることが出来ます。
そこで地域市場ごとの様子はどうなっているのかについては、次の機会に見ていきましょう。
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