こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
「過去に不動産取引で騙されたことはありましたか?」
そんな風に聞かれることがあります。
「悪徳不動産」という呼び方があると思いますが、確かに不動産業界でも残念ながら騙そうとする輩は一定数いるものです。
アメリカ不動産取引の場合は少なくとも4戸までの「住居用」に分類される物件の場合、特にエージェントを間に入れる場合は
「購入契約書は不動産協会が定めたテンプレートを使用すること」
という規定がありますから、契約書で騙される可能性は低いと思います。
ちなみに中古物件ではなく新築物件を購入する場合は不動産協会が提供するテンプレートではなく、デベロッパーが準備した契約書を使う可能性は大いにあります。
この場合は
- デベロッパー会社そのものの信頼性を確認
- 契約書の内容を確認
の双方が行われるべきですが、概ね名の知ればデベロッパーであれば大きな心配は必要ないはずです。
けれどもアメリカ不動産においてこれら契約書内容で騙される可能性は低い一方で、
「人が取引内容で騙してくる」
ことはあり得ます。
この傾向は
住居用物件(1~4戸)
商業用物件(5戸以上)
で比較すると、特に後者の世界では気をつけなくてなりません。
そこで冒頭の話に戻して
「取引で騙されたことはあるか?」
と言えば私(佐藤)自身はいかなる取引でも騙されたことはありませんが、あえて平等なものの言い方で
「(多分)相手は騙すつもりはなかったけれども、こちらが気づかなければ大損する結果となった」
ということは何度かあります。
けれども商業レベルにもなるとお互いにプロ同士のやりとりとなり、少し言葉と文章を交わせば相手も騙せる相手かどうかは理解するものです。
それ以上に大切なこととして、私(佐藤)自身は
「そもそもが騙すような輩とは袖振り合わない人生であるよう、意識的に整える」
ことを心がけています。
類は友を呼ぶからこそ

アメリカの倫理観に
「Golden Rule(ゴールデンルール)」
と呼ばれる言葉があり、この概念はそのまま全米不動産協会の倫理規定にも含まれています。
Golden Rule(ゴールデンルール) は日本語では黄金律(おうごんりつ)と呼ばれており、ウィキペディアによると
【黄金律(おうごんりつ)】
出典:ウィキペディア
黄金律(おうごんりつ)は、多くの宗教、道徳や哲学で見出される「他人から自分にしてもらいたいと思うような行為を人に対してせよ」という内容の倫理学的言明である。現代の欧米において「黄金律」と呼ばれるものは、イエス・キリストの「為せ」という言葉を引用していることが多い。
とあります。
この概念、実に侮れないもので前述の
「そもそもが騙すような輩とは袖振り合わない人生であるよう、意識的に整えている」
とは実際は
「自分の外側の世界を整えている」
というよりも
「他人様うんぬんの前に自分の内面でGolden Rule(ゴールデンルール)を実行し続ける」
という意味合いになります。
もちろん佐藤は間違っても聖人君子などではありませんので
「私、Golden Rule(ゴールデンルール)は完璧です」
などと勘違いも甚だしいセリフは死んでも吐けません。
そうではなく、出来ていない自分だからこそ
「Golden Rule(ゴールデンルール)を守り続けようとする姿勢」
が大切なように思うのです。
この点は佐藤が偉そうに語らずとも、誰もが社会人として体験する場面も多いものではないでしょうか。
「類は友を呼ぶ」
で、常日頃から
「利益を少しでも多くふんだくってやろう!」
そんな風に考え続けている人はやはり同じような心根の人々に囲まれるでしょうし、その反対に
「自分も利益を頂戴するけれども、相手にはもっと利益を取ってもらおう」
そう考えて行動し続けると、自然と同種の人々に囲まれるようになります。
自分への躾が現れる

綺麗ごとは抜きに、このような
「出来ない自分だからこそ、Golden Rule(ゴールデンルール)を意識して行動し続ける」
ことは殊の外大切なように思います。
そもそもが完璧な人間など誰一人として存在しないわけで、けれども人として然るべき姿勢に生き続けられるように意識して行動し続けるのなら、時間と共に同じように考える同志が周りには残るはずです。
以前、とある大企業で社長が後継ぎ候補に挙げていたある優秀な社員の話を聞いたことがあります。
この後継ぎ候補は営業成績抜群、周囲からの信頼も厚く後継ぎ候補ナンバーワンと目されている人物でした。
ある日忙しい合間を縫って社長がこの優秀な社員とのランチミーティングを段取りし、会社近くのカフェテリアで食事をすることになりました。
カフェテリアでは自分の好きなメニューをトレーに乗せて清算に並びますが、清算レジの手前にはカゴに入れられた小さいパック式のバターがありました。
精算の際に社長はこの社員がレジに進む直前にカゴからバターを一つ手に取り、そのままケーキが載せられた皿の下にサッと隠すのを目にしたのです。
この時のランチメニューは終始和やかに進み、後継ぎ候補とされた社員は会社の未来について熱く語ったといいます。
ところがその後、間もなくしてこの後継ぎ候補とされていた社員は突然解雇されてしまったのです。
「一事が万事」
「この会社では外部との重要な案件が山ほどある」
「どんなに小さなことでも、不正を働く癖は必ずどこかの場面で大事に至る」
社長がそんな風に考えたのかは分かりませんが、何気ない行動もその人の心根の現れであることは間違いありません。
Golden Rule(ゴールデンルール)を常日頃から意識するしないでは将来の自分の行動も大きく変わってくるでしょうし、おそらくは誰しも死ぬまで完璧な人間にはなれないにせよ、少なくとも
「かくありたい」
と願い自分を躾け続ける人たちと巡り合うことは大切なように思うのです。
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