昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ発祥の
Toastmasters(トーストマスターズ)
という国際非営利教育団体があります。
1924年に発足したこの団体は日本にもいくつか存在しており、トーストマスターズクラブの主目的は
「コミュニケーション力」
「リーダーシップ力」
この2つを磨き上げることです。
私(佐藤)自身は所属していませんが、アメリカではかなり知られた団体で
「人とのコミュニケーション能力を高めたい」
「リーダーシップ力を高めて仕事に活かしたい」
そんな向上心ある人々の集まりとなっています。
いつだったか、たまたまこのトーストマスターズに
「20年以上所属している」
というかなり上のレベルの方のスピーチを聞く機会がありました。
その内容はリーダーシップについてのスピーチだったのですが、正真正銘、英語のスピーチを聞いて
「体に電流が走るような衝撃」
を受けたのは、未だにあの時しかありません。
著名人による名スピーチはYoutube等でも度々聞いたことがありますし、近年の大統領ではオバマ大統領のスピーチ力もかなり評価されてと思います。
けれどもこれら著名人のスピーチとは違いこの時のスピーチは生声だったことも大きいとは思いますが、佐藤の英語が第二言語であることは横に置いたとしても
「自分がアメリカ人でもこのレベルはまずムリ!」
そんな風に脱帽してしまう圧巻のレベルだったのです。
飽くなき反復練習あるのみ
スピーチを聞いた後、この度肝を抜いてくれたスピーチの達人に
「トーストマスターズではどんな訓練をやっているのですか?」
「かなり上級レベルのトレーニングをしているのでしょうね?」
と聞いてみたところ、彼は一冊のボロボロなテキストを見せてくれました。
手に取るとそれはトーストマスターズの
「コミュニケーション」
「リーダーシップ」
の2つの主要プログラムの中で前者の「コミュニケーション」スキルをアップさせる為の教材でした。
教材とはいえそれほど太い冊子でもなく、ボリュームとしては教材というには少ないようにも思えるテキストです。
聞くとこの教材が唯一のテキストとのことですが、彼が手渡してくれたそのテキストにはびっしりと書き込まれたメモが。
続けて言うには
「トーストマスターズでは基本から上級までの知識が全てここに書かれてあるんだよ」
「最後のページまでいったら、また最初のページに戻ってくるんだ」
「基本に還るサイクルに終わりはなく、私自身は基本に還って最初からやり直す過程を20年以上繰り返しているのだよ」
というのです。
彼のように20年以上もトーストマスターズに所属するスピーチの達人ならば基本レベルなどとっくの昔に終えており、今は上級レベルを深く突き詰め続けているものと思ったのですが
「同じテキストを最初に戻って繰り返し使い続けている」
という事実にまた衝撃。
誰もが知るカンフーの達人、故ブルース・リーは
「私は1日だけ1万回の蹴りを練習した者よりも
1日1回の蹴りを1万日練習した者の方が恐ろしい」
という趣旨の言葉を残していますが、まさにこのスピーチの達人も基本を何度も何度も繰り返してきたわけです。
自分はまだまだという自覚
このスピーチの達人の言葉と姿勢を見聞きした後、私(佐藤)は急に自分が恥ずかしくなりました。
スピーチ力うんぬんというより、
「自分はアメリカ不動産のことをちょっと知った気になっていないか?」
「知らず知らずのうちに、人様の前で鼻を高くすることはないか?」
「基本に還る姿勢が自分にはあっただろうか?」
そんな風に、常日頃の自分の姿勢を問われている気分がしたのです。
不動産業界に従事し続け、途中からこのブログを毎日更新で書き始めたのは5年程前ですが、それでも
「毎日更新といっても5年やそこら」
であり何ら誇れるものではありません。
しかも佐藤がアメリカ不動産業界に長いとはいえ全州の不動産法を完璧に全て把握しているはずもなく、足元のカリフォルニア州法ですら特殊な問題が起こると
「このケースの法律はどうだったかな?」
と資料を引っ張り出して思いださねばならないのが実情です。
そうするととても
「私、アメリカ不動産のことを知っています」
などとは言えないでしょうし
「基本に還る姿勢を命尽きるまで繰り返すべし」
ということになりそうです。
以前、とある日本の高名なお医者さんが
「私たち医者は人の体について知っているふりをしながらも、実は人体については謎が多くほとんど解明できていないのが本当のところなのです」
と正直なコメントをしておられました。
このことは恐らく全ての職業にも言えるでしょうし、同様にアメリカ不動産を極めんとする佐藤にしても
「まだまだ自分は小粒」
「世の中は変化する以上、完璧な知識はあり得ない」
「飽くなき反復練習で常に基本に還るべき」
そんな風に自分を躾け続けるべき。
正に、冒頭のスピーチの達人との出会いは
「達人とは常に基本に還れる人」
そんな風に思い知らされる出来事でした。
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