FSBO(For Sale By Owner:物件オーナー自身による売却)コンサルティング案件が増加中です。
・バイヤーエージェントの報酬はバイヤーからお支払い頂きたい
・自宅も自分で売却することでリスティングエージェントへの報酬をゼロにしたい
という方はこちらからご連絡ください。
コンサルティング料金は発生しますが、リスティングエージェント雇用よりは大幅に節約が可能です。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
1031 Exchange(テンサーティーワンエクスチェンジ)を行う際に派生する
Boot(ブーツ)
についてお伝えしています。
アメリカの開拓史ではその移動交通手段として「馬」が重宝されていました。
アメリカに限らず多くの国で車のない時代には馬が交通手段として使われていたわけですが、アメリカの荒野を移動する際にも馬車が必須でした。
動力としての馬はその良し悪しが値踏みされ、馬に対する
需要と供給
の関係で価格が定められていたことになりますが、新しく馬を購入するのみならず
「自分の馬と交換してくれないか」
そんな、馬と馬を直接交換する取引も数多く存在していました。
けれども馬と馬を交換する時、そこでは
「不平等な交換」
が起こることがしばしばあります。
例えばあなたが西部劇さながらの土地で優れた馬を所有していたとしましょう。
「この馬も手放し難いが、彼が持つあの馬こそが今の自分には必要だ」
「自分の馬と交換を持ちかけよう」
あなたの馬の質を見抜いた相手の馬主は喜んでその交換に応じます。
けれども純粋に馬の市場価値でいえば、明らかにあなたの馬の方が価値が高いことが一目瞭然。
このようば場合、価値が不平等であれば相手の馬主は価値の差額分となる現金をあなたに渡すのが当然です。
自分が所有する馬の方が価値が高いわけですから、交換条件としては
あなた:自分の馬(価値が高い)
相手:自分の馬(価値が低い) + 現金
これで初めて釣り合いが取れることになり、あなた自身は
新しい馬 + 現金
の双方を手にすることになり、この時に相手はあなたが履いているブーツに価値を補う現金を入れるのです。
。。。
このような、取引に際し自分の方が優れているものを所有している時に
1.自分の所有物を引き渡し、相手のものを受け取る
2.価値の不足分を補う為に、相手が自分の履くブーツにお金を入れてくれる(現金を受け取る)
この行為がBoot(ブーツ)と呼ばれ、1031 Exchange(テンサーティーワンエクスチェンジ)においても
「自分の物件の方が価値が高く、結果として補う現金が自分のポッケに入った」
というパターンがBoot(ブーツ)と呼ばれています。
実際の取引ではBoot(ブーツ)が発生するのに
Cash Boot(キャッシュ・ブーツ)
Mortgage Boot(モーゲージ・ブーツ)
の2つのパターンがありますが、今日はCash Boot(キャッシュ・ブーツ)について理解を深めておきましょう。
Cash Boot(キャッシュ・ブーツ)
前述の「交換の際に自分のブーツにお金を入れてもらった」という例えのように
「物件を交換した際に現金を手にした」
というパターンがCash Boot(キャッシュ・ブーツ)であり、この時に受け取った現金は課税対象となります。
IRS(Internal Revenue Service:アメリカ合衆国内国歳入庁)が約束しているのは
「物件を交換するならばその分のキャピタルゲインは持ち越せますよ」
という物々交換に限っての話であり、その交換過程で結果として現金を手にしたのならばその分はきちんと納税しなくてはならないのです。
そこでCash Boot(キャッシュ・ブーツ)とみなされるパターンはいくつもありますが、その典型的な例を2つ挙げてみます。
Cash Boot(キャッシュ・ブーツ):物件価値が低い
所有物件価値:$250,000
交換対象物件価値:$200,000
この場合、自分の物件と交換対象物件の価値には$50,000の差があります。
そうすると交換の結果として自分のポッケには$50,000が入ることになりますからこの$50,000は課税対象となり、自分の所得に応じて20%までの税率がかかることになるのです。
ちなみにここではCash Boot(キャッシュ・ブーツ)の概念をざっくりと掴むために簡単な数字でお伝えしていますが、より厳密には単純に物件価値のみのならず
A: 所有物件の売却直前のBasis - クロージングコスト
B:交換物件の購入価格 - クロージングコスト
で、この
A - B
の数字が純粋な「Cash Boot(キャッシュ・ブーツ)」とみなされて課税対象額となります。
Cash Boot(キャッシュ・ブーツ):一部をキャッシュアウト
こちらは初めて1031 Exchange(テンサーティーワンエクスチェンジ)を行う方が誤解しやすいパターンですが、
所有物件価値:$250,000
交換対象物件価値:$300,000
このように交換対象の物件価値が高かったとしましょう。
普通に考えれば物件を交換するには自分の方がもう$50,000積み上げねばなりませんから、ブーツに現金を入れてもらうことにはなりません。
自分のポッケにキャッシュは入りませんから、課税対象になるものはないはずです。
ところがここで物件を交換する自分が
「交換の間のタイミングで一時的に一部の現金を借りよう」
と所有物件を売却した後に$20,000をキャッシュアウトして
- 個人的な借金の返済
- 新車の購入
等に使ったとします。
そうするとこの場合は交換先の物件の方が価値が高いものの、引き出してしまった$20,000は課税対象となるのです。
このような場面が発生しやすいのは主に
Delayed exchange(ディレイド・エクスチェンジ)
を実施したときです。
1031 Exchange(テンサーティーワンエクスチェンジ)においては物件交換とは言えどもタイミングよく自分の条件に合った交換対象物件が市場に出ているとは限りません。
その場合は売却した物件の売却益を一時的に第三者に預け、交換対象物件が見つかってから改めて交換取引に入り、クロージングの際には第三者に預けた資金を交換物件の購入に充てることが出来ます。
けれども所有する物件を売却した際の利益全額を第三者に渡さず、その一部の現金を抜いた場合はこの時点でその抜いた金額がCash Boot(キャッシュ・ブーツ)と見なされて課税対象となるのです。
「え、交換物件をクロージングする際に抜いたお金も補填するじゃないですか」
と言いたくなるところですが、今のIRSの規定では答えは
「後からの補填でNG」
で、所有物件の売却益からお金を抜いた時点で
「利益を手にした」
と見なされてしまうのです。
そこでCash Boot(キャッシュ・ブーツ)を発生させないためには
⇛ 交換対象物件は所有物件よりも価値の高い物件を選ぶ
⇛ 所有物件からの売却益は全額、クロージング時に直ちに第三者に預ける
この2点を押さえておく必要があります。
明日に続けます。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。