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商業物件空室率の変化を追う ~ ②

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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

全米の商業物件について空室率が増加している地域順に見ています。

昨日は

  • 空室率が高い地域
  • 空室率が上昇している地域

の双方を大都市圏が占めている様子を捉えました。

ちなみに統計そのものは

2020年第1四半期 ~ 2022年第3四半期

の2年半の変化ですが、2020年第1四半期はパンデミックが始まったばかりの混乱の時期です。

この時はほとんどのビジネスがロックダウンを強いられた時期であったものの、

「直ちにオフィス物件を解約」

というわけにはいきませんので、パンデミック直後の混乱はそれほど空室率増加に影響していないと思われます。

それよりも注目するべきは

「パンデミック終了後も空室率が増加している」

という点であり、空室率が増加しているかつ空室率10%以上の都市圏において

ヒューストン

ダラス/フォートワース

サンフランシスコ

ワシントンDC

シカゴ

フェニックス

ロサンゼルス

オースティン

アトランタ

ニューヨーク

これらの地域市場ではリモートワーク意向のトレンドと合わせて見る限り

「商業物件への需要が大きく戻る可能性は今のところ低い」

と言えるかもしれません。

引き続き全体像を見ていきましょう。

商業物件空室率の変化 ~ 中位

地域(英)地域(カナ)2020 Q12022 Q32年半の変化
West Michiganウェストミシガン4.89%6.59%1.71%
San Luis Obispo/Paso Roblesサンルイスオビスポ/パソロブレス1.52%3.17%1.65%
San Antonioサンアントニオ8.83%10.45%1.62%
Philadelphiaフィラデルフィア7.61%9.22%1.61%
Baltimoreボルチモア10.10%11.68%1.59%
Lincolnリンカーン5.26%6.84%1.58%
Greensboro/Winston-Salemグリーンズボロ/ウィンストンセーラム7.47%9.01%1.53%
San Diegoサンディエゴ9.61%11.14%1.53%
Salinasサリナス3.56%5.02%1.46%
El Pasoエルパソ4.64%6.09%1.45%
Duluthダルース2.90%4.34%1.44%
Milwaukee/Madisonミルウォーキー/マディソン7.13%8.57%1.44%
Clevelandクリーブランド6.14%7.51%1.36%
Richmond VAリッチモンド(バージニア州)6.94%8.30%1.36%
Birminghamバーミンガム8.58%9.92%1.34%
Jacksonジャクソン7.20%8.54%1.34%
Jacksonville (Florida)ジャクソンビル(フロリダ州)8.18%9.51%1.32%
Louisvilleルイビル5.58%6.89%1.32%
Corpus Christiコーパスクリスティ7.36%8.56%1.19%
Indianapolisインディアナポリス7.62%8.81%1.19%
Hawaiiハワイ5.65%6.82%1.17%
Fresnoフレズノ6.12%7.23%1.11%
Albany/Schenectady/Troyオールバニー/シェネクタディ/トロイ4.10%5.17%1.08%
Santa Barbara/Sta Maria/Goletaサンタバーバラ、サンタマリア、ゴレタ4.22%5.21%1.00%
Portland/South Portlandポートランド/サウスポートランド3.84%4.81%0.96%
Coeur D’Aleneコーダレーン3.61%4.53%0.93%
Syracuseシラキュース6.22%7.11%0.89%
Tucsonトゥーソン8.71%9.59%0.89%
Orlandoオーランド6.94%7.82%0.88%
Cincinnati/Daytonシンシナティ/デイトン8.41%9.26%0.85%
Deltona/Daytona Beachデイトナ/デイトナビーチ4.50%5.32%0.81%
Tampa/St Petersburgタンパ/セントピーターズバーグ6.85%7.66%0.81%
Providenceプロビデンス5.75%6.55%0.79%
Springfieldスプリングフィールド3.02%3.77%0.76%
Peoriaピオリア5.32%6.07%0.75%
Lexington/Fayetteレキシントン/フェイト6.69%7.43%0.74%
South Florida南フロリダ9.08%9.77%0.69%
Hartfordハートフォード8.01%8.68%0.67%
Anchorageアンカレッジ5.70%6.34%0.64%
Kingsport/Bristol/Bristolキングスポート/ブリストル/ブリストル4.74%5.37%0.63%
Columbus GAコロンバス(ジョージア州)6.03%6.59%0.56%
Tallahasseeタラハシー5.62%6.18%0.56%
Buffalo/Niagara Fallsバッファロー/ナイアガラフォールズ7.39%7.84%0.45%
Hampton Roadsハンプトンローズ7.36%7.77%0.41%
Spokaneスポケーン7.52%7.89%0.37%
Ashevilleアシュビル2.92%3.27%0.36%
(データリソースは全米不動産協会)

昨日に続く上の表は空室率は増加しているものの、その増加率は

0.36% ~ 1.71%

とマイルドな変化を示す地域市場です。

ただしマイルドな変化とはいえ、

ボルチモア

サンディエゴ

サンアントニオ

この辺りの都市圏ではもともとが10%の空室率を超えています。

先のダラス、ニューヨーク、ロサンゼルスといった地域には及ばないものの、もともと低くない空室率に加えてジリジリと空室率が高くなりつつある地域です。

また反対に増加率が1%に満たない地域では

「商業物件はまだまだ必要とされる」

という傾向と捉えてもよいのではないでしょうか。

興味深いことに、増加率が1%を切る地域では

オーランド

デイトナ/デイトナビーチ

タンパ/セントピーターズバーグ

スプリングフィールド

南フロリダ

等のフロリダ州の都市が顔を並べています。

フロリダ州そのものはパンデミック以降に人口増加が著しい地域の一つですが、商業物件空室率もさほど増加していない意味では同じキャピタルゲイン市場でも

ニューヨーク

カリフォルニア

の大都市圏とは中身が違うことを証明しているようです。

商業物件空室率の増加について、明日に続けます。

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