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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日まではアメリカのシニア世代に起因する不動産価格の変化について予想を立ててみました。
シニア世代の動きに起因する物件価格の下落というのはあくまでも一つのシナリオに過ぎませんが
「不動産価格が暴落する内因は見えない」
とはいえ
「内因を創り出す外因は完全に排除できない」
ことになります。
アメリカ不動産市場そのものが完全に独立した市場を構成しているわけではなく、あらゆる経済活動と連動している以上は外部要因が内部要因を引き起こす可能性は常にあるわけです。
同時に、もしもここから少し先でシニア世代のみならず多くの人々が自宅を売却する場合
⇒ 市場は売り手市場真っただ中
⇒ にわか供給が増えてくる
⇒ けれども高金利の為に需要は足を踏み出さない
⇒ 予定通りの価格では売れない
⇒ 値下げせざるを得ない
⇒ 周囲の値下げから後発組みの売却価格は更に下がる
この連鎖で物件価格が下がってくる可能性が出てくることになります。
ただし、このシナリオが始まるパターンは
- 相当なレベルの物件上昇
- 貯蓄額の激減
の2つが最低条件になり、この場合はシニア世代の物件売却どころか全米(と世界)を震撼させるようなレベルの混乱であるはずです。
ちなみに、もしもこのような事態になった場合にアメリカで賃貸物件を所有する人々に推奨することは
「騒ぎに乗じた慌てて賃貸物件を売却しないこと」
であり、またアメリカ不動産市場への参入もしくは追加購入を試みる方々に推奨するのは
「自分が狙っている市場の様子を注意深く観察すること」
です。
投資視点では2008年以来の好機が訪れるとも限らず、その意味では来年はいよいよ
「変化の先頭に立つべき年」
と言えるのかもしれません。
賃貸市場の変化を捉える
そこでここまではシナリオの一つとして
「物件の投げ売りによる価格の大幅な下落」
についてでしたが、そこから更に先を読むとすれば
物件を手放す人々が増える = 賃貸需要が増える
ということが言えます。
比較的若い世代であれば
「家賃が払えなくなったから自宅で親の世話になってしばらくは世間の様子を見る」
ということもあり得るかもしれません。
けれども中年層以上の世代では
「親の世話になる」
というパターンは少なく、よもやシニア世代になると親の世話になれるパターンはほぼありません。
日本はじめアジア諸国では文化的にも
「子供家族の世話になる」
ということもあるかもしれませんが、少なくとも私(佐藤)の知る米国人の感性としては
子供家族の世話になる
賃貸物件に暮らし続ける
のどちらが多いかといえば、ほぼ間違いなく後者のはずです。
そこで
物件を手放す人々が増える ≒ 賃貸需要が増える
という式が成り立つことになり、とどのつまり
「賃貸物件を保有する人々は賃貸特需の恩恵に預かれる可能性がある」
ということになりますので、たった今の賃貸市場について全体像をみて認識をアップデートしておきましょう。
まずは近年の米国で気になるのは
「家賃の値上げ幅」
です。
全体の流れとして2010年代の米国賃貸市場では家賃上昇の推移は概ね
3 ~ 5%
の範囲にありました。
ところが2020年のパンデミック以降に様相は一変。
2020年1月の時点では米国の家賃中央家賃価格は$1,641だったものが本年2022年9月までに中央家賃価格は$2,084にまで上昇し、2年半の間に27%も家賃が上昇しています。
$2,084ということは140円で換算しても日本円で291,760円ですから、
「アメリカの賃貸物件で暮らすには毎月の家賃は約30万円が目安」
ということになるのです。
これをグラフで見ると、
このようにパンデミック以前は緩やかな家賃上昇にあったものが、ここ数年で家賃が大きく上昇してきた経緯が分かります。
空室率は下がり続ける傾向
引き続いて、過去50年間ほどのスパンで賃貸市場の「空室率の変化」についても押さえておきましょう。
空室率とは物件にテナントが入らずに空室になっている期間の割合であり、この空室率の変化は賃貸需要が上がっているのか或いはその反対に下がっているのかを如実に表すことになります。
そこで過去50年ほどの空室率の変化を見てみると
このように時期によって大きく違いがあり、その時期の不動産市場のトレンドをこれでもかというくらいに表していることが分かります。
例えば近年で最も空室率が高かったのは2010年までであり、この時は1990年初頭から徐々に空室率が高まって最高で空室率平均が11%を超えています。
すなわちこの時のアメリカは好景気であり、不動産バブルに向かう中で自宅所有者がどんどん増えてそれに伴って空室率が減少してきたわけです。
このことは
「好景気には持ち家の割合が高まり、反対に賃貸物件は空室率が高くなる(賃貸需要が少なくなる)」
ということを如実に表しています。
そしてグラフを見ると、前回の2007年以降に不動産バブルが本格的に弾けてから空室率が一気に下り坂になってきた様子が分かります。
すなわちサブプライムローン問題に端を発した混乱の中で物件を手放す人々が一気に増え、持ち家を諦めて賃貸物件に引っ越す人々が増えてきたことが如実に分かるのです。
ここから続いて昨今のパンデミック期間に起こった変化の詳細を捉えてみましょう。
明日に続けます。
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