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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
のリンク先のサンプルに沿ってLoan estimate(ローン・エスティメイト:ローンの見積もり)について詳細を確認していますが、昨日までに
① Origination Charge(融資組みの手数料)
② Services you can't shop for(自分で依頼先を選択できないサービス料金)
③ Services you can shop for(自分で依頼先を選択できるサービス料金)
の3項目からなる
Estimated Closing Costs(クロージングコスト見積もり)
のページを見て、
「このローンのクロージングに実際にいくらかかるのか」
を見ていきました。
ここまでで、契約の一番最初の段階で融資を受けるにあたり自分にかかってくる費用の概要を知ることが出来ます。
より厳密には物件の契約期間中には物件調査等の買主が業者に直接支払うべき費用も出てきますので全ての項目を完璧に網羅しているわけではありませんが、少なくともLoan estimate(ローンの見積もり)を見ることで
「クロージングに向けて資金は$〇〇〇〇〇ぐらいあれば大丈夫だ」
という目安は立てることが出来ると思います。
リンク先の2ページ目に記載されている上記3種類の詳細についてはここでは割愛しますが、
- 不動産鑑定料
- タイトル調査料
等、およそ契約期間中に目にする費用項目は全てここに確認できるのです。
そこでクロージングまでに必要となる資金については一通り概算が見えてきますが、
「この融資に基づくモーゲージ支払いを完済まで進めた場合、最終的に自分はいくら支払うことになるのか?」
についてもLoan estimate(ローンの見積もり)に記載されており、上記リンク先では3ページ目の
「Comparison(比較)」
がそれに相当します。
本シリーズの最後にとしてLoan estimate(ローンの見積もり)に出てくるComparison(比較)の詳細を見ておきましょう。
Comparison(比較)
Loan Estimate Explainerで記載される
- In 5 Years
- Annual Percentage Rate (APR)
- Total Interest Percentage (TIP)
の3つのComparison(比較)について詳細を見ていきましょう。
In 5 Years
アメリカでモーゲージを組む人々がモーゲージを保有する期間は
4 ~ 7年
と言われています。
その平均年数を意識してかは分かりませんが、Comparison(比較)の一番最初に記載されているのがこの
「In 5 Years」
です。
ここには2つの数字が記載されており、リンク先の例ではそれぞれ
$56,582 … 5年間で支払う元金、利息、モーゲージ保険、ローンコスト(クロージング時に支払うコスト)の合計
$15,773 … 元金返済合計
とありますから、モーゲージ保有によりクロージング時点から向こう5年間で自分のポッケから出る資金の合計が
$56,582
であり、単純計算で年間約$11,300程の支出です。
またその間に返済する元金合計は$15,773ですから、5年後の物件価値が同等以上でありさえすれば
「元金返済のみで、純資産は向こう5年間で$15,773増加する」
ことになります。
Annual Percentage Rate (APR)
その次のAnnual Percentage Rate (APR)は日本の金融機関でも見慣れた用語かと思いますが、この場合は
「クロージングコストを含めモーゲージ保有期間にかかる費用を全て融資機関に均した場合の金利」
がAPRとして表現されています。
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「モーゲージ金利は〇%ですよ」
とはあくまでも「融資額に対する金利」の話です。
この金利を元に生じる利息はいわゆる
「お金を借りることに対するコスト」
であり、融資額分のレバレッジをかけるサービス料とも言えます。
けれども現実には金利のみならず融資を受けるにあたり様々なコストが発生しますから、それら全てを勘定した数字で
「融資行為全体に発生した本当のコスト」
を金利で計算すると、この場合は実質年利4.274%となるわけです。
それを額面通り
「3.875%が総コストとしてかかるのか」
と思い込んでしまうと後に
「話が違うじゃないか。」
となる為(過去にこの手のトラブルが多かった)、現在はAPR方式で
「全てのコストを勘定すると、お金を借りる本当のコストは4.274%の年利になりますよ」
と開示されていることになります。
Total Interest Percentage (TIP)
最後のTotal Interest Percentage (TIP)は
「モーゲージを最後まで保有した場合に支払うことになる合計利息のパーセンテージ」
のことです。
今回の例では$162,000の融資を受けることになり、これを予定通り30年間保有した場合はTIPは
69.45%
とありますから、
$112,509($162,000 X 69.45%)
の利息を支払うことになるわけです。
「$162,000を借りて合計$112,509の利息を支払う。。」
「モーゲージ会社は暴利をむさぼってるやないかい!」
と言いたくなるところですが数字だけで見るとその通りで、3.875%の金利で借りて最終的にはモーゲージ会社側が$112,509の利益を得ることになります。
ただし現実にはモーゲージ会社がそのまま債権を保有して利息を稼ぎ続けることは少なく、大抵は
「セカンダリーマーケット」
と呼ばれる市場に他の債権と混ぜて金融商品として売りに出し、その債権を投資家が購入する為にモーゲージ保有者が支払う利息は最終的には投資家の懐に入るわけです。
またモーゲージ保有者自身も30%年間保有する場合、この$112,509という利息合計は全て経費計上されますから全くの損にはならず、単純計算で
- 連邦政府
- 州政府
の双方に支払う課税率が平均35%だとすると30年間で
$39,378.15($112,509 X 35%)
の節税となり、年間約$1,300程のキャッシュが手元に残ることになります。
かくしてLoan estimate(ローンの見積もり)では最初に必要な資金のみならず、モーゲージを完済まで保有した場合に支出することになる合計金額も予め細かく記載されているのです。
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