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賃貸市場に変化の兆し

賃貸市場に変化の兆し

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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

2023年もいよいよ3月に入り、ここから本年のピークタイムに向かい始めることになります。

景気後退の雰囲気のままに2023年に突入した中、雇用者数の増加を見ても分かる通り米国経済そのものは非常に底堅い姿勢を見せています。

不動産市場においては昨年までと比較して

微増ながら価格が上昇する市場

ほとんど価格が変わらない市場

確実に価格が下がりつつある市場

に分かれるものの、

「予想されたほどは価格は下がっていない」

ということが言えます。

一つの勝負どころはやはりモーゲージ金利の変化ですが、

「モーゲージ金利が再び上昇し始めた」

「モーゲージ金利が落ち着いた」

これらを繰り返しながら、それぞれの変化が本年を通して物件の売れ行きにも影響してくるわけです。

そのような中、過去のパンデミック以降の大きな変化をうけて価格が急上昇してきた一つに「家賃」があります。

現金購入した

モーゲージを完済した

といういずれかでない限り、生きていく上で必須の衣食住の中で住を確保するには毎月

モーゲージを支払う

家賃を支払う

のいずれしか選択肢がありません。

世の人々の多くにとって1ヵ月の中で最も大きい支出は住居費であり、モーゲージであれ家賃であれ、その支払いは大きく懐に影響するものです。

この中で後者の家賃についてもパンデミック以降は急激に上昇する状況が続いていました。

ニューヨークのような都会でも軽く10%を超える家賃上昇が続き、相当数の人々が大きな経済的負担を強いられてきたのです。

その家賃の変化がここ最近では収まりつつある様子。

  • 物件価格の変化
  • 家賃の変化

この2つは必ず比例するということはなく、むしろバラバラにそれぞれのミチを進むきらいがあります。

特に家賃については

(出典:アメリカ合衆国労働省労働統計局)

このように過去一貫して上昇しつつあり、近年にスポットを当てると

かくしてパンデミック以降、特に物価高の煽りを受けだした2021年半ばから急激に家賃が上昇し始めた経緯があるのです。

ところが本年に入り、この急激な家賃上昇の気運に変化が見られるようになりました。

このことは結構な割合で不動さ投資家に影響する事実ですので、今回は賃貸市場の変化を追っていきましょう。

賃貸市場に見られる変化

包括的に全米を俯瞰すると、家賃の伸びは確かに安定し始めています。

数字としては中央値の家賃はピーク時から69ドル下がっていますが、これはパンデミック以前の家賃よりもまだ高い水準です。

けれども捉えておきたい変化として、家賃の伸びは確実に頭打ちになっています。

家賃の変化についても1年間の変化を見ていくとよく分かりますが、その1年の変化としては非常に興味深い動きをしています。

Realtor.comの統計でこの動きをみてみましょう。

(出典:realtor.com)

上のグラフそのものは年ごとの変化を示しているだけであり、家賃そのものを示しているわけではありません。

昨年3月頃に起こった急激な反転にもかかわらず、家賃は年々上昇しています。

ただし変化率そのものは、家賃が減少傾向に転じ始めたことを如実に示しています。

思い返せば2022年11月の米国の賃貸市場は1月のピーク時の17.4%の成長から10か月間減速した後、4か月連続で一桁の成長を記録。

トップ50の大都市全体で、スタジオから2ベッドルームまでの物件における中央家賃成長率は、19か月で最も低い3.4%に減速したのです。

その中央家賃希望額は1,712ドルとなり先月から22ドル、ピーク時から69ドル下がっていますが、2019年にパンデミック前と比較すると308ドル(21.9%)高い計算となります。

昨今のインフレを思い出すと、この減少はかなり劇的にすら思えます。

ます。

住宅増が家賃の落ち着きを助長

更にいえば、ここから先に予想される新築建築のペースが更に家賃上昇を落ち着かせることは十分にあり得ると思います。

実のところ、物価高のつい最近までデベロッパーの多くは「様子見」を続けていました。

昨年末までを区切りとしていったん整理し、状況をみて建築数を増やしていく風潮に業界全体があったのです。

その真意は

インフレの様子を見る

市場の在庫をあえて少なくする(後の需要を高める)

というものがありましたが、ここから建築数を増加させるということは

住が増える ⇒ 選択肢が増える ⇒ 供給が多くなる

という式で、需要に対して供給が着実に増えてくるのであれば

供給割合増 ⇒ 家賃上昇率の減速

という式で、更に家賃上昇が落ち着いてくる流れが予想されるのです。

ここまでの流れがどれだけ劇的だったかは、ApartmentListのデータから過去6か月間、過去12か月間、およびパンデミックの開始以来のトップ10の都市を並べてみるとよく分かります。

過去6カ月過去12カ月2020年3月以降
1インディアナポリス(+1%)インディアナポリス(+7%)タンパ(+37%)
2セントルイス(+1%)ルイビル(+7%)ツーソン(+37%)
3オクラホマシティ(0%)カンザスシティ(+7%)マイアミ(+35%)
4シンシナティ(0%)サンノゼ(+6%)ロチェスター(+35%)
5ヒューストン(0%)オクラホマシティ(+6%)ジャクソンバイル(+32%)
6カンザスシティ(0%)シカゴ(+6%)リバーサイド(+31%)
7コロンバス(0%)コロンバス(+6%)フェニックス(+30%)
8メンフィス(0%)シンシナティ(+6%)オーランド(+30%)
9マイアミ(-1%)シャーロット(+6%)ラスベガス(+29%)
10ツーソン(-1%)セントルイス(+6%)サンディエゴ(+28%)

上は全米で最も激しい家賃変化を見せたメトロエリアの比較です。

2020年3月以来の37%成長のタンパ、過去12か月間の7%成長のインディアナポリス、そして過去6か月間で1%のみ成長のインディアナポリスと見ていく中で、いかに家賃上昇が落ち着いているかが分かるのではないでしょうか。

賃貸市場の変化について、明日に続けます。

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