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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の破綻の真因と、アメリカ不動産市場への影響についてお伝えしてきました。
率直に、これら二行の破綻がアメリカ不動産に直接的に影響を及ぼすというシナリオは描きにくいように思います。
けれども不動産価格に直接的な影響を及ぼす可能性は低いとはいえ、それでも間接的に影響を受ける可能性は考えられると思います。
ここでいう間接的な影響とは「金利の変化による影響」のことです。
不動産物件購入への意欲は金利の上下に大きく影響されることは誰もが知るところであり、近年だけでもパンデミック以降の購買意欲の変化を私たちは目の当たりにしています。
そこで今回の二行の破綻から、どのように、どれくらいのレベルでモーゲージ金利に影響が及びえるかを考察してみましょう。
実際、シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の破綻のニュースは、今後同様の破綻が相次ぐのではないかという懸念を呼び起こすものでした。
けれども住宅購入希望者にとっては、銀行の破綻による動揺が住宅ローン金利のトレンドに変化(金利が大きく下がる)をもたらす可能性もあり、明るい兆しにも見えたのです。
先だってとある不動産会社のチーフエコノミストが
「銀行の破綻は、経済にまったく新しいレベルの不確実性をもたらした」
とコメントしていましたが、この不確実性が住宅ローン金利に影響を与える可能性は、2つの方法があるように思います。
1つは、今回改めて金融セクターの弱さが認識されたことで、FRB(連邦準備制度理事会)がインフレに関する金融政策を変更する可能性です。
米国の中央銀行制度は昨年6月に最高9.1%に達したインフレ率を、長期的には2%の目標範囲に戻すことに数ヶ月間集中してきた経緯があります(現在は6%程度)。
この目標を達成するべく、FRBはフェデラルファンド金利の連続的な引き上げを実施し実質的に2022年3月上旬の0%から現在の4.5~4.75%へと引き上げています。
フェデラルファンド金利とは
「銀行が互いにお金の貸し借りをする際の金利」
のことですが、政策金利としてフェデラルファンド金利が動く時、その金利の変化を直接に受けるのは一般消費者ではなく銀行そのものです。
この為に政策金利そのものが住宅ローン金利に直接影響を与えることはありません。
けれども間接的な影響とはいえ、実は政策金利は一度引き上げられると、モーゲージローンを含むあらゆる種類のクレジットの借入コストが上昇することになります。
これが為に、住宅ローン金利は昨年2倍以上に上昇しているわけです。
そしてつい先日まではFRBが0.50%の追加利上げを承認するというのが専門家の予想でしたが、シリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の破綻を受け、市場では
「FRBは方針を転換する」
との見方が強まっている様子。
あり得るシナリオとしては
⇒ FRBは利上げを完全に停止する
⇒ 0.25%の小幅な利上げを実施する
あたりではないでしょうか。
FRBが利上げを縮小する場合は金融セクターとより広い範囲の経済が弱いと見なれている証拠です。
また、FRBが短期金利の上昇を停止または減速させた場合、それ以降のモーゲージローン金利は安定化するか、あるいは低下する可能性が高いのではないでしょうか。
金利は国債の利回りと共に動く
このような金融不安は、住宅ローン金利に影響を与える2つ目の要因にもなり得ます。
経済が不安定になると、投資家は株式のようなリスクの高い投資を避け、相対的に安全な国債を求める傾向があるものです。
特に10年米国国債の利回りはモーゲージローンにとってのベンチマークそのものであり、住宅ローン金利の動きに影響を与えてきます。
10年債利回りの変動が直接住宅ローン金利に影響するわけではないものの、ベンチマークとされている以上、両者には相関関係があります。
10年債利回りが上昇する ⇒ モーゲージ金利も上昇する
10年債利回りが下降する ⇒ モーゲージ金利も下がる
の式でほぼ連動して動くのです。
通常、モーゲージ金利は10年債利回りより1.8~2%ポイント程度高くなる傾向があります。
債券としての競争力を保つべく、米国国債よりはやや高めに設定される傾向があるわけです。
そして今回の銀行破綻の影響で、すでにモーゲージローン金利にも影響が出始めている様子。
10年債の利回りはそれ以前は4%近くあったものが、破綻の起こった次の月曜日には3.5%強まで下がり、翌日の火曜日にはわずかに回復したのです。
必然、これに伴いモーゲージローンの金利もその週末までに低下しています。
すなわち、今回のシリコンバレー銀行とシグネチャー銀行の破綻による不動産市場へ間接的な影響があるとすれば、それは
「金利が下がり、需要が再び盛り上がる可能性」
です。
両行の破綻からの影響について、明日に続けます。
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