家賃伸び率が10%を超える市場たち

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

アメリカ不動産市場を横並びに、家賃の平均価格から検証しています。

アメリカ不動産市場は

物件価格

家賃価格

の双方において、コロナ禍では大きく変化してきました。

特にアメリカ国内の引越し数は劇的に増え、

• リモートワークの流行
• 生活コストの変化

等の要素により

「より生活費が安い地域へ」

「自分が納得する暮らしが出来る地域へ」

との需要から

人口を減らす地域

人口を増やす地域

の明暗がはっきりと分かれてきたのです。

そして人口の流入がある地域では当然、生活コストの安さも期待されます。

特に生活コストは人々の出費の中で最も大きな割合を示しますから、家賃が安い地域へと人々が流れる傾向が出てきました。

けれども家賃も物件価値と同様に、その金額の変動は

「賃貸物件に対する需要の変化」

で定まることになります。

人口流入が続くのは良いことですが、同時のもしもその地域の物件に限りがあるのならば、その増える需要を十分に受け入れることは出来ずに

需要 > 供給

の関係で家賃は上昇していくことになります。

そこで本シリーズでは最初に

「家賃の高い市場」

を中心に見てきましたが、ここからは家賃の低い市場に注目していきましょう。

「家賃が低いということは、家賃収入もその分低くなるのでは？」

「投資としては回りにくいのでは？」

というと、そんなことはないのです。

昨日はRent.comの統計から家賃の低い地域市場を100選を上げてみました。

ここから深堀していきますが、注目したいのは

⇒ 平均家賃が低い市場

⇒ その中でも伸び率が高い市場

そして抽出するべきは

⇒ 家賃の将来性が期待できる市場

です。

そんな市場を掘り出すべく、昨日の家賃が安い市場100選の中から有望な都市を抽出してみましょう。

10%の上昇率を見せる市場

まずは昨日の100選の中から、

「家賃の伸び率が前年度比較で10%を超える市場」

を上げてみます。

また少しでも見やすくする為、ここでは順番にこだわらずに州別に区分してみてみます。

順位	州	市	人口	平均家賃2022	平均家賃2021	前年比(%)	ドル単位差額
35	アーカンソー州	リトルロック	197,312	$1,159	$913	27.00%	$246
3	アイオワ州	エイムズ	66,258	$709	$632	12.23%	$77
20	アラバマ州	モンゴメリー	198,525	$991	$690	43.63%	$301
97	アリゾナ州	フェニックス	1,680,992	$1,578	$1,342	17.56%	$236
36	インディアナ州	ブルーミントン	84,943	$1,189	$1,031	15.37%	$158
98	ウィスコンシン州	ミルウォーキー	590,157	$1,585	$1,353	17.15%	$232
10	オハイオ州	トレド	272,779	$897	$814	10.24%	$83
73	オハイオ州	シンシナティ	303,940	$1,410	$1,088	29.59%	$322
2	カンザス州	ウィチタ	389,938	$693	$598	15.87%	$95
67	サウスカロライナ州	コロンビア	131,674	$1,346	$1,220	10.31%	$126
26	ジョージア州	コロンバス	195,769	$1,069	$968	10.42%	$101
28	テキサス州	パサディナ	151,227	$1,082	$941	14.90%	$140
51	テキサス州	サンアントニオ	1,547,253	$1,257	$1,049	19.81%	$208
59	テキサス州	アーリントン	398,854	$1,298	$1,160	11.95%	$139
68	テキサス州	ユーレス	57,197	$1,348	$1,108	21.66%	$240
72	テキサス州	ノースリッチランドヒルズ	70,670	$1,373	$1,064	29.04%	$309
79	テキサス州	テキサスシティ	50,094	$1,461	$953	53.32%	$508
37	テネシー州	メンフィス	651,073	$1,190	$969	22.88%	$222
43	ノースカロライナ州	フェイエットビル	211,657	$1,232	$1,039	18.59%	$193
46	ノースカロライナ州	ウィンストンセーラム	247,945	$1,236	$1,077	14.79%	$159
54	ノースカロライナ州	グリーンズボロ	296,710	$1,274	$900	41.47%	$373
63	ノースカロライナ州	ジャクソンビル	72,436	$1,333	$1,139	17.01%	$194
64	ノースカロライナ州	ガストニア	77,273	$1,338	$1,023	30.79%	$315
90	ノースカロライナ州	バーリントン	54,606	$1,535	$1,093	40.47%	$442
99	ノースカロライナ州	カナポリス	50,841	$1,593	$1,176	35.44%	$417
62	バージニア州	ニューポートニューズ	179,225	$1,326	$1,153	15.03%	$173
83	ミシガン州	スターリングハイツ	132,438	$1,483	$1,305	13.67%	$178
76	ミズーリ州	インディペンデンス	116,672	$1,424	$1,289	10.48%	$135
100	ミズーリ州	セントピーターズ	58,212	$1,609	$1,423	13.06%	$186
86	メリーランド州	フレデリック	72,244	$1,509	$1,271	18.76%	$238
31	ルイジアナ州	バトンルージュ	220,236	$1,139	$982	16.02%	$157

いかがでしょうか。

昨日の100選の中から前年比の伸び率が10%を超える市場を拾い上げたところ、31の都市が引っかかりました。

このように州別で見てみると、どの州において平均家賃の低い都市が多いかがよく分かります。

中でも

テキサス州

ノースカロライナ州

が最も多いようです。

この意味合いについて、より抽出濃度を高めながら見ていきましょう。

明日に続けます。