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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ不動産市場の先を見立てる因数の一つ
Inventory(在庫)
に注目しています。
物販の場合は
1.商品を仕入れる
2.利益を上乗せして価格を定める
3.店頭に並べる
のプロセスの中で「1」の時点で
「Inventory(在庫)を抱えた」
ことになります。
その時点でInventory(在庫)として数字に表れるわけで、その在庫管理が商売を大きく左右するものです。
これに対し、アメリカ不動産でいうInventory(在庫)は平たくいえば
「市場に売りに出されている物件」
です。
昨日触れたように
- 新築住宅の在庫
- 中古住宅の在庫
- 商業不動産の在庫
- 土地の在庫
等、
- 住宅物件
- 商業物件
- 土地
のあらゆる種類において、それが市場に出てきた時にInventory(在庫)と呼ばれるわけです。
そこで昨日見た
こちらは住宅物件に限られたものです。
ここは想像できるとおり不動産売買において最も取引の多い種類が住居物件であり、上記の指標は
「住宅市場にはどのような傾向があるのか」
を示してくれる、重要指標の一つということになります。
そして住宅物件のInventory(在庫)、すなわち市場に対する物件の供給数を見立てることは
「需要に対して供給はどれくらいの割合で提供されているのか」
「価格はどのように推移していきそうか」
を見立てる尺度になり得るのです。
そこで分かりやすく、上記のInventory(在庫)の推移を3つのステージに分けてみました。
ここでは
- コロナ前
- コロナ期
- コロナ後
と名付けてみたいと思いますが、それぞれに特徴があることが分かります。
Inventory(在庫):コロナ前(2017年1月 ~ 2019年12月)
統計は2017年1月からのものですので、上記グラフの中でコロナ前の期間は
2017年1月 ~ 2019年12月
としています。
この時期のInventory(在庫)の推移をみると一目瞭然ですが、
「コロナ前、全米不動産のInventory(在庫)は減少傾向にあった」
これは確実です。
Inventory(在庫)が盛り上がる時期はグラフを見て分かる通り夏場であり、これはアメリカ不動産価格の年間サイクルのパターンに合致しています。
とはいえ、年間サイクルの動きに比例しつつも全体の傾向としてはInventory(在庫)は減少を続けていたわけですから、
「住居物件の供給は減少傾向にあった」
ことになり、これに対して人口増加が続く上では需要は増え続けていたわけですから、
需要 > 供給
のギャップが大きくなり、結果として価格が上昇を続けていたことになります。
Inventory(在庫):コロナ期(2020年1月 ~ 2022年2月)
そしてこの供給不足に拍車をかけたのが、2020年1月以降の時期です。
この時期はグラフのようにInventory(在庫)が急激に減少していることが分かりますが、この理由はただでさえ少なかったInventory(在庫)に対し歴史的な低金利により需要が一気に高まり、販売数が劇的に増えた為です。
需要 > 供給
の乖離がいよいよ大きくなり、価格が爆発的に急上昇したのがこの時期ということになります。
結果として在庫はいよいよ枯渇し、Inventory(在庫)が40万戸を割り込むレベルにまで落ちていたのです。
いったんは年間サイクルも手伝って2021年夏にはInventory(在庫)が60万戸にまで戻したものの、その後は2022年3月に実質ゼロ金利政策が終わるまで、供給不足の上に過大な需要がかぶさり、Inventory(在庫)が一気に減少傾向に陥った時期ということが言えます。
Inventory(在庫):コロナ後(2022年3月 ~)
そして2022年3月以降、Inventory(在庫)はその数を順調に戻しつつあります。
その後2022年7月までかけてInventory(在庫)が大きく戻しているように見受けられますが、この理由は
上昇し始めたモーゲージ金利に買い手意欲が削がれたこと
それまでの勢いから高値での売却を希望するInventory(在庫)の余力が続いていたこと
が考えられます。
そして2023年半ばの今は、このInventory(在庫)が然るべきレベルに戻りつつある時期です。
順当に先を見立てるのであれば、おそらくここからInventory(在庫)は
70万 ~ 80万戸
のあたりに落ち着くのではないでしょうか。
問題はその後、Inventory(在庫)傾向が
上向くのか
下向きが続くのか
ですが、この傾向を大きく左右するのは
新築の供給数
ということになります。
すなわちアメリカ不動産市場において絶対数としてのInventory(在庫)は足りず、コロナ前にもその数は減少傾向にあったわけですから、この数が上昇するための解は
「新しい物件(新築)が市場に提供されること」
しかありません。
この視点をもって、Inventory(在庫)の全米の傾向をもう少し見ていきましょう。
明日に続けます。
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