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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
Inventory(在庫)の観点から、先の市場を見立てています。
人口の推移と同様に、Inventory(在庫)の推移もまた、先にどんな状況が起こり得るかのヒントを与えてくれるものです。
Inventory(在庫)が少なくなる傾向にある時期は供給が少なくなるわけですから、需要が
横這い
増加
のいずれかであれば、その供給との乖離に比例して価格は上昇スパイラルに入ることになります。
反対に供給と同時に需要も減少し続けるのであれば、その価格は何となくバランスが取れたはずです。
ただしコロナ前の時期には供給が少なくなる中、反対に旺盛な需要により物件価格が上昇し続けることとなりました。
この流れを加速させたのがパンデミック下の実質ゼロ金利政策による歴史的に低いモーゲージ金利であり、反比例する需要との大きな乖離で価格が破竹の勢いで上昇した時期、ということになります。
そこで昨日確認した
こちらのグラフから、Inventory(在庫)そのものはコロナ前の水準に戻ろうとしている時期であることが分かります。
この流れのままでいけば、全米のInventory(在庫)そのものがコロナ前の水準に戻るのは時間の問題です。
これに対し、供給水準が戻ることにより物件の価格そのものは元に戻るかと言えば、そうとは限りません。
コロナ前の状況とは打って変わって
高い(と感じる)モーゲージ金利により購入動機が下がっている
材料費の高騰・人件費の増加により建設費用が高くなっている
等の要素が需要をやや頭打ちにさせている段階だからです。
結果として、考えられるパターンとしては
「物件の価格調整は今しばらく続く」
という線が濃厚に思えますが、問題は価格調整が落ち着いた後の動きです。
今回注目しているInventory(在庫)はほぼ直結して供給に影響する因数ということになりますが、そうすると今の慢性的なInventory(在庫)に対しては
「新築物件がどれくらいの割合で市場に出てくるか」
が非常に大きな要因となりそうです。
そこで今日は、ここまでの新築物件数の変化を俯瞰しておきましょう。
新築物件数の変化
まずは全体を俯瞰する意味で、新築物件数の月間供給数の変化を見てみます。
上のグラフは過去10年程度の新築物件数の変化を示したものです。
2012年以降は全米の新築の供給数はほぼ横ばいであり、大きな変化は見られません。
季節ごとに多少の変動はあれども、概ね一定数が新築物件として市場に投入され続けてきたわけです。
けれども供給数全体としては2017年1月以降を確認する限り、減少の傾向にあったことを私たちは知っています。
ということは割合としては新築よりも中古物件数の方が減少し続けていたということであり、その新築供給の割合が追い付いていなかったことが分かります。
そして新築供給の割合としてはせめて一定数が続いていた中、そこに一気に冷や水を浴びせたのがやはりパンデミックでした。
この時の変化は上のグラフを見ての通りで、パンデミック直後に一気に新築供給数が減少していたことが分かります。
理由は明らかで、コロナ禍の措置で現場の動きが急激に鈍くなった為です。
けれどもそれ以降に新築数は大きく回復を始め、2022年夏場まで大きく上昇してきました。
この勢いある回復と、2022年夏から再び減少し始めた理由は
建築現場機能の回復と共に、低金利を背景とする旺盛な需要に応えるべくデベロッパーが建設を集中させたこと
2022年3月からの金融引き締めによりデベロッパーの動きも鈍くなったものの、そのタイミングで建築中の物件は工事を完了させる必要があった(その為に数か月後まで伸びが続いている)
ということが言えるのではないでしょうか。
少なくともたった今のステージは
「デベロッパー各社が勢いのたずなを大きく緩めた」
段階であり、このまま新築が仕上がってくるレベルは良くてパンデミック前の水準に戻ってくると考えた方がよさそうです。
同時に昨今の
- 物価(材料)高
- 人件費の増加
はコロナ前とは違う水準にあるわけですから、新築数は全く同様のレベルに落ち着くかは不透明だと思います。
同時に確率的に最もあり得るパターンは
「供給数は枯渇気味のInventory(在庫)を潤す程度には伸び切らない」
というものではないでしょうか。
。。。
ここまでは全米平均値を見ながら、Inventory(在庫)を軸として全体を俯瞰してみました。
人口推移は地域市場の人口の総和
であることと同様に
Inventory(在庫)は地域市場のInventory(在庫)の総和
でもあります。
そしてInventory(在庫)の動きもまた、各地域市場毎に違ってくるものです。
そこでここから目線を地域市場に落とし、地域市場のInventory(在庫)の変化をみることで先を見立ててみましょう。
明日に続けます。
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