昨年以来、米ドルで資産運用を志す方々からのコンサルティング依頼が急増しています。
弊社ではアメリカ不動産コンサルティングに加え、州規制当局に登録されるRegistered Investment Advisor (RIA)としてアメリカ国内での資産運用全般のコンサルティングも提供しており、内容は不動産投資以外となりますが、初心者の方々からのご質問を総括する意図で株や債券に関するまとめ記事を1月7日から期間限定であげさせて頂きます。
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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
カリフォルニア州のInventory(在庫)に注目しています。
カリフォルニア州そのものは、私(佐藤)が定義する中ではほぼ完全な「キャピタルゲイン市場」と言えます。
その一番の特徴は
「全米で最大の人口」
であり、ビジネスの中心地、或いは風光明媚な観光スポットが多い当地は昔から人気が高く、ゴールドラッシュ時代に加速してから全米で最も人々が集まる州であり続けていました。
現在のカリフォルニア州経済はほぼシリコンバレーが牽引しているとも言える状況で、全世界から優秀な頭脳を集める引力は今も健在です。
けれどもここにきてその陰りが見えているのが
「カリフォルニア州で暮らすことの生活費の高さ」
であり、衣食住の中で最もコストのかかる住において
- 固定資産税
- 住宅ローン
- 家賃
のいずれかが大きくかかる中、多くの人々が毎月の生活に必死です。
かつビジネスを回すにも
- 人件費
- 雇用に関わる費用
- 保険費用
- 所得税
等、他州と比較すると高く、また個人の納税にしても州税が割に合わず、結果として
「カリフォルニアに見切りをつけよう」
という人々が州外に出るパターンが多く見受けられます。
特に賢い投資家たちは
ネバタ州
テキサス州
フロリダ州
等の税制が有利な州への移住が目立ち、カリフォルニア州では
このように人口が減少する方向に転じているのです。
そこでここからのカリフォルニア不動産市場を見極める上では、昨今の人口減の推移はよく見守る必要があります。
同時に多少の人口減少に転じ始めているとはいえ、純粋に
「こんなところで暮らしたい」
とその気候や土地に魅力を感じる人々が絶えないのも事実です。
結果として過去のデトロイトのように目も当てられないくらい人口が減少し続ける、というシナリオは描きにくいものの、不動産価格の推移についてはよく見守る必要があると言えます。
そして目先の経済状況に囚われることなく、先の不動産価格を見通す上では長期的かつ大きなインパクトを与え得る因数に注目する必要があるわけです。
その一つとして今回はInventory(在庫)をもって地域市場を除いていますが、昨日見たカリフォルニア州の主要都市に加え、今度は各地域市場の新築Inventory(在庫)と比較して理解を深めてみましょう。
新築Inventory(在庫):カリフォルニア州
単純にInventory(在庫)の指標となると、そこには
新築物件
中古物件
の双方が混ざっていることになりますが、中古物件数は取り壊しで少なくなることはあれども、増えることは決してありません。
そこでInventory(在庫)の推移を観察する上では新築Inventory(在庫)を確認することで
「当地のInventory(在庫)はどれくらい増加する見込みがあるのか」
「人口の増減に対してどのように影響していきそうか」
を推し量ることが出来るわけです。
そこで昨日みたカリフォルニア州各地のInventory(在庫)の下に、今度は新築Inventory(在庫)を並べて比較してみましょう。
上がInventory(在庫)全体、下が新築のみのInventory(在庫)です。
Inventory(在庫) ~ カリフォルニア州全体
新築Inventory (在庫)
Inventory(在庫) ~ サンフランシスコ市場
新築Inventory (在庫)
Inventory(在庫) ~ ロサンゼルス市場
新築Inventory (在庫)
Inventory(在庫) ~ オレンジカウンティ市場
新築Inventory (在庫)
Inventory(在庫) ~ サンディエゴ市場
新築Inventory (在庫)
いかがでしょうか。
カリフォルニア州全体、並びに地域市場の
Inventory(在庫)全体
新築Inventory(在庫)のみ
を並べてみた時に分かる興味深いのは、
- カリフォルニア州全体として供給が増加する見込みは低い
- 北カリフォルニアは一定の供給意欲が継続
- 反対に南カリフォルニアでは供給が減少傾向
という点です。
すなわち純粋に需要と供給の観点のみでいえば、人口流出により人口が下がったとしても、とりわけ南カリフォルニアにおいては供給も下がる見込みである以上、
「特に南カリフォルニアでは価格の下落は起きにくい」
ということが言えそうです。
現状としてはアメリカ全体としても不動産資産はパンデミック期の資産バブル期を通じて約20%は資産価値が過分に評価されているきらいがあります。
その意味では
「膨らんだものは萎む」
これは確実であり、事実カリフォルニアでもサンフランシスコを筆頭に価格調整が続いているわけです。
けれどもここまでに見たInventory(在庫)の結果からは、
「価格調整が一服した後は、カリフォルニア州でも価格が再び上向き始める可能性がある」
というものです。
その様子をミクロ視点で確認するべく、ここから各市場の細かい数字を一通り見てみましょう。
明日に続けます。
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