FSBO(For Sale By Owner:物件オーナー自身による売却)コンサルティング案件が増加中です。
・バイヤーエージェントの報酬はバイヤーからお支払い頂きたい
・自宅も自分で売却することでリスティングエージェントへの報酬をゼロにしたい
という方はこちらからご連絡ください。
コンサルティング料金は発生しますが、リスティングエージェント雇用よりは大幅に節約が可能です。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
ご存知のとおり、FRB(連邦準備制度理事会)主導による政策金利の上昇は一服しそうな気配です。
インフレは誘導目標水準の2%強よりもかなり上ですが、少なくとも上昇率そのものは落ち着いたと言える段階でしょうか。
これに伴って米国の物件上昇は今しばらく続くものの、上昇率そのものは落ち着く方向にきているのではないでしょうか。
それでも上昇率が落ち着いたという話で、価格の上昇そのものが続いていることになります。
少なくとも本年中に物価上昇傾向がぐんと落ち着くとは考えにくいですし、これにともなって不動産市場もゆっくりと価格調整が落ち着く方向に動いていきそうです。
その不動産価格の今と少し先を推し量るべく最近はアメリカ不動産市場の動向を探るシリーズを上げていますが、本質的に価格の高下が小さい不動産価格はゆっくりと推移しつつも、中長期的なトレンドに大きく左右されるものです。
前回は価格のベクトルを探るべくInventory(在庫)の変化を見ていきました。
Inventory(在庫)という指標は需要と供給の関係でいえば、供給側に立って中長期的に供給数に影響し得る指標です。
そこで今度は反対側の力となる需要について、その中長期的な需要に影響を与え得る指標として
「Affordability(手頃な価格性)」
があります。
Affordability(手頃な価格性)の定義としては、一般的には
「住宅の購入や賃貸が個人や家族の収入に対して負担可能な範囲内であるかどうか」
を指し示す指標であり、所得レベルに基づいて住宅の価格や家賃が支払い可能な範囲であるかどうかを評価する概念になります。
Affordability(手頃な価格性)そのものは地域市場によって異なる場合がありますが、一般的には下記の要素を考慮して判断されるものです。
所得水準
購入希望者や賃貸希望者の所得レベルがどれくらいかが考慮されます。
一般的に住宅費用は所得の一定割合(一般的には30%以下)を超えないようにすることが望ましいとされています。
住宅価格
手頃な価格性の評価には物件価格や家賃が関わってきます。
地域や市場によって価格が異なるため、Affordability(手頃な価格性)は立地によって異なることがあります。
住宅費用
住宅の所有や賃貸に関連する追加の費用も考慮されます。
たとえば、住宅ローンの金利、物件の保険、税金、共益費などがAffordability(手頃な価格性)の判断材料です。
Affordability(手頃な価格性):カリフォルニア州
そこで前回地域市場のInventory(在庫)を細かく確認したカリフォルニア州を引き合いに出して、Affordability(手頃な価格性)の変化を見て見ましょう。
カリフォルニア州は言わずとしれたキャピタルゲイン市場であり、全米でも有数の物件価格が高い地域です。
「手ごろな価格」かといえばそんなことはなく、中西部や南部の物件価格に比べると遥かに高い為に、全く手ごろではありません。
そこであえてAffordability(手頃な価格性)の数値が全米平均よりも大きいだろうと予想されるカリフォルニア州を引き合いに出して、今後の動きを見立ててみたいと思います。
前回と同様、カリフォルニア州不動産協会の統計を引用していきます。
まずは過去40年間の、カリフォルニア州のAffordability(手頃な価格性)の変化からです。
2007年以来の最低水準、住宅の負担率が持続
いかがでしょうか。
こうしてみると、カリフォルニア州物件のAffordability(手頃な価格性)は常に全米平均よりも低いことが分かります。
全米平均よりも高かった記録は一度もなく、概ね
「カリフォルニア州のAffordability(手頃な価格性)は全米平均の50%」
ということが言えるように思います。
過去において唯一Affordability(手頃な価格性)が高まったのは
2009年 ~ 2012年
あたりで、このときは例の不動産価格大暴落の時期において、代表的なキャピタルゲイン市場として大きな痛手を被った傷跡がここにも見て取れるわけです。
そこで興味深いのは、案の定、2020年のパンデミック以降に
全米全体
カリフォルニア州
共に、Affordability(手頃な価格性)が下がっていることが分かります。
これは明らかにパンデミック期間の歪な資産バブルが影響し、全米各地で物件が一気に高額になった為に、手ごろとは程遠い価格帯に持ち上がったことを示しているのです。
同時に、そのAffordability(手頃な価格性)の押し下げも2023年第一四半期には一服しているように思えます。
この点もまた順当に2022年3月から始まった金融引き締めにより物件価格の高騰が落ち着いてきたわけですから、現在は徐々にパンデミック以前のAffordability(手頃な価格性)が戻り始めているわけです。
ただし、物件価格は完全にパンデミック以前に戻るかといえば、そうはならない公算が高いと思います。
価格調整の動きそのものも落ち着きつつある今、すなわち価格が高止まりする傾向があるのなら、Affordability(手頃な価格性)もパンデミック以前に完全に戻るとは考えにくいわけです。
Affordability(手頃な価格性)を元に、ここから更に深く考察していきましょう。
明日に続けます。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。