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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
アメリカ商業物件の中でもオフィス物件カテゴリーに特化して、最近の傾向について深堀しています。
ここまでに見たオフィス賃貸物件の傾向をおさらいすると、
1.パンデミック以前のオフィス賃貸傾向は好調
2.新型コロナウイルスによるパンデミック期間にオフィス需要が激減
3.リモートワーク主流の潮流が現れる
4.アメリカ人労働者の大半は可能な限り今後もリモートワークを希望
という流れでした。
それでもオフィス回帰を謳う企業が多い流れからパンデミック以降はそれなりにオフィス需要は回復するだろうと踏んでいたところ、思ったよりも需要が戻らない傾向が明らかになりつつあります。
そこで今回はアメリカ商業物件に関するリアルタイムデータを取り続けている大家のCostarの統計を参照して、オフィス物件の傾向を確認しています。
改めてグラフを見ると
このように新型コロナウイルスが拡散する前と後では、まるで数値が違っていることが分かります。
グラフに登場する数値項目を簡単におさらいすると
Net absorption(ネットアブソプション)… 特定の時期内に商業不動産市場で実際に入居された面積の総和
Net deliveries(ネットデリバリーズ)… 特定の商業不動産市場や地域における新規供給の指標
です。
Vacancy(ヴェイカンシー:空室率)と合わせ、上記グラフから読み取れる傾向を確認していきましょう。
時系列に
パンデミック以前
パンデミック期間
パンデミック以降
の順番に見ていきます。
パンデミック以前
まずパンデミック以前ですが、
Net absorption(ネットアブソプション)
Net deliveries(ネットデリバリーズ)
ともに、非常に好調だったことが分かります。
市場に提供されるオフィス賃貸の供給は十分になされ、その供給に対して需要も応える形で非常にバランスが取れていたようです。
オフィス需要が最も活況を呈していたのは2018年半ばであり、この前後では供給が追い付いていなかったことが分かります。
この時期はまさに孫氏率いるビジョンファンドも出資していたWeWorkも活況にあり、つまり当時の市場で判断すれば
「孫氏の判断は決して間違いとはいえない」
ことが分かります。
自己責任の発言をしていた孫氏ですが、これはさすがに運の問題が大きかったように思います。
パンデミック期間
そして2020年1月以降はグラフを見ての通り、
⇒ Net absorption(ネットアブソプション)が激減
⇒ Net deliveries(ネットデリバリーズ)が過去平均よりも増加
という傾向が伺えます。
つまりこの時期は徹底した外出制限のみならずリモートワークが活況となった時期であり、zoom等のソフトウェアが一気に世界的に注目を浴び、オフィス物件からは人の足が大きく遠のいた時期です。
Net absorption(ネットアブソプション)はほぼゼロ。
すなわち、この時期には新しい入居は全米平均としてはほとんど発生しなかったことが分かります。
このような時期には空室が目立ち、オフィス物件の収益性は大変厳しいものになってきます。
そしてこの時期の収益性の厳しさとは新しい入居が伸び悩むのみならず、
- 材料費の増加
- 人件費の増加
の双方でオフィス物件運営のランニングコストが大きく上昇し始めた為、いよいよその運用は厳しくなり、その厳しさは現在まで続いていることになります。
パンデミック以降
そしてポイントは今に至るまでのパンデミック以降ですが、現時点ではグラフが示すとおりにNet absorption(ネットアブソプション)は回復するどころか、コロナ禍以上に厳しい状況になっています。
Costarが予想するのは本年末に向けては非常に厳しくなり、Net absorption(ネットアブソプション)は最低ラインに落ち込むだろうとのこと。
それでもNet absorption(ネットアブソプション)はここから3~4年かけて需要が戻ると予想されていますが、その道のりは長そうです。
その一方で供給となるNet deliveries(ネットデリバリーズ)は現状で非常に少ないものの、夏の終わり(アメリカの年度初め)にはピークを打ち、それから供給は萎み始めるとの予想です。
結果として供給にが先細りするものの、たった今の需要が極端に少ない為に空室率は上昇し、先にお伝えしたように現在のオフィス物件空室率は過去30年で最高レベルに達しています。
これに対し需要は少しずつ戻るものの、供給そのものは少なくなる為に空室率としては上のグラフのように
⇒ 急激に空室率が増加
⇒ 徐々に落ち着くが空室率増加の傾向は変わらず
という流れが出来てくることになります。
総じて言えば、少なくともここから向こう5年ほどはオフィス賃貸市場は大変厳しい状況が続くだろうことが予想されているのです。
そこでこの現状を踏まえ、少し未来のオフィス物件がどのように変化していくかを考察してみましょう。
明日に続けます。
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