FSBO(For Sale By Owner:物件オーナー自身による売却)コンサルティング案件が増加中です。
・バイヤーエージェントの報酬はバイヤーからお支払い頂きたい
・自宅も自分で売却することでリスティングエージェントへの報酬をゼロにしたい
という方はこちらからご連絡ください。
コンサルティング料金は発生しますが、リスティングエージェント雇用よりは大幅に節約が可能です。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
政策金利が据え置きとなったタイミングでアメリカ不動産市場の動きを捉えています。
政策金利が据え置きとなったことは
「急激なインフレはやや落ち着きを見せている」
との判断によるものですが、現在のような複雑系の世界では経済の動きにはより大衆の心理が反映される中で
ここまで ⇒ 急ピッチな金利上昇
ここから ⇒ 金利の据え置き
この過去10会合にわたり上昇してきた金利とここからの据え置きの期間では、世界経済の動きも微妙に違ってくるはずです。
政策金利そのものは
米国国債10年
そして
モーゲージ金利
に間接的にも影響し、このモーゲージ金利の動きは物件購入に対する大衆心理に影響してくることになります。
そこで昨日までは
モーゲージ金利の変化
物件価格の変化
の双方から、金利据え置きの時期の不動産市場を見立てています。
FRB(連邦準備制度理事会)としては
「本年、あと2回は金利を上昇させますよ」
と釘を刺すことで急激なインフレに逆戻りする動きをけん制するきらいがありますが、この流れの中で物件価格もまた然るべき方向に進んでいくはずです。
そこで昨日はredfinの統計から物件価格全体の動きを見てみましたが、ここで改めて別の統計からより多角的に価格の動きを見てみましょう。
上のグラフはredfinの統計による、主要都市の物件価格の変化を表しています。
色別としては
赤 … 全米平均
ベージュ … ボストン大都市圏
水色 … シカゴ大都市圏
黄色 … ロサンゼルス大都市圏
淡色 … フィラデルフィア大都市圏
薄緑 … シアトル大都市圏
紫 … ワシントンD.C.
です。
見ての通り、価格平均が最も高いのはロサンゼルス大都市圏です。
この中にサンフランシスコ市場は入っていませんが、カリフォルニア不動産は押しなべて高額であることが分かります。
それに対して最も中間価格が安いのはフィラデルフィア大都市圏であり、このあたりは純粋に人口増減による差が出ているようです。
そこでそれぞれのグラフをそれぞれ見てみると、その動きは
小刻みに動く波 … 各市場の売買による瞬間的な変化
一定の周期 … 季節周期
右上がりの上昇 … 相対的な価格上昇基調
という3つに絞られます。
これらを軸に分かることは以下のような特徴です。
不動産周期は健在
不動産市場の動きそのものは流動性が低い本質から、本来はゆっくりと変化していきます。
それでも上のグラフを見て分かるとおり、ゆっくりと動く中にも一定の波長を示す周期が存在するものです。
その周期は概ねどの市場でも一年を通して
7月~8月:ピーク
12月~2月:大底
として変化しており、かつ、その波はインフレに伴う価格上昇基調の中で徐々に右肩上がりに上昇していくことになります。
ここで昨年からの動きに注目してみると、2022年までは一気に上昇してきたものが大きく下がり、けれども本年半ばにかけて更に大きく価格を戻してきたことが分かります。
これで分かることは、
「アメリカ不動産市場の周期は健在」
ということです。
すなわち2022年3月からの金融引き締めによる金利上昇を受けて不動産市場の動きは大きく鈍ることが予想されましたが、グラフを見る限りは確かにいったんは大きく下がっているものの、けれども予想以上に勢いを大きく戻していることが分かります。
相対的には昨年比で3%程度の下落ということですから、至って大暴落のレベルではないことは確実です。
この比較対象として分かりやすいのは、2008年以降のアメリカ不動産大暴落の時期でした。
この時期には小刻みの周期はありつつも、奈落の底に落ちるかの如く価格は2012年まで転がり続けていきました。
年間周期の理論は全く当てはまらず、その時の真っ当な評価にまっしぐらに価格調整が進んだのです。
あの時と比較すると周期性を保っている時点で、大暴落のそれとはまったく違うことが分かります。
年末に向けて価格はそれほど上昇しない
そして金利が据え置きされた今、ここから年末までに予想されるのは
「価格はそれほど上昇しない」
という動きです。
金利が据え置きされるという様子見は、たった今の経済の動きが鎮静化に向かい始めるという前提に進められています。
するとモーゲージ金利そのものもほぼ一定に保たれるはずですが、価格が昨年のレベルにまで戻るとは考えにくいのではないでしょうか。
上に見るグラフも価格が大きく戻す部分で止まっていますが、結局は昨年のレベルには届かない形で年末に向けて下に下がり始めるはずです。
その一番の要因はやはりモーゲージ金利であり、現在の高めの金利が物件購入に積極的にはなりきれない要因になるだろうと思います。
前提として「物件を購入したい」という需要そのものは大衆の心に大きくあり、とりわけ近年のように物件価格そのものが上昇してくる中では
「賃貸よりも、購入できるなら購入したい」
と考える層が多いものです。
けれども高金利が蓋をする以上はその需要は表に出てくるにこれず、静観する人々が多く、昨年のレベルには至らないところで本年の価格は落ち着くと予想します。
そして先の価格の動きを決定づけるのは金利と同時に、在庫数です。
在庫数に関しては少し前にも詳細を見ていきましたが、今のタイミングで最新の動向を押さえておきましょう。
明日に続けます。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。