こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
賃貸物件を自分で建設するパターンについてお伝えしています。
自分で新築を建築する時に大切なことは
「現場のコントロール」
です。
現場のコントロールとは建築プロジェクトの最初から最後までの
- 許可申請
- 設計
- 資材、機材集め
- 建築
市による実地検査と証明書発行
等、各過程においてその進捗を把握し、適宜判断を下し、必要に応じて計画の変更を指示することです。
目的は
「新しい物件の建築と安全な稼働」
とハッキリしていますが、全ての工程を監督しながら進めていくには知識のみならず経験が求められます。
実際のところ自分自身が現場に張り付く必要はなく、現地に信頼できる(一緒に出資している)パートナーがいれば問題はありません。
けれども雇い主としては適宜現場に顔を出した方がよく、雇い主が現場に顔を出すことで進捗と仕上がりが変わり得ることも事実ですから、このあたりは現地パートナーとよく打ち合わせる必要があります。
そしてこのようなプロジェクト管理以前に大切なのが「市場選び」です。
いくら腕のよい職人に建築を任せたところで、そもそもの土俵が間違っていたとしたらその土俵で行われる全ての仕事は上がるべき成果も上がらない結果になりかねません。
そこで自分で建設する新築プロジェクトを実行する場合、その土俵として適切なのは「ハイブリッド市場」が適切、という趣旨でお伝えしています。
新築プロジェクトは多額の借金を伴うものであり、特に投資家から資金を集めるプロジェクトの場合はそこに大きな責任が発生してきます。
率直に、人様からお金を預かるプロジェクトを受け持つ場合は自分の利益のことは棚に上げなければいけません。
すなわちこの場合は「自分よりも投資してくれた方々へのリターン」が最優先であり、その責任を果たした後に、結果として自分のリターンを受け取るのが真っ当な流れです。
その為、最初から滑り出しを順調にさせる意味でもある程度キャッシュフローを確保する必用があり、かつリターンを最大化する上ではそれなりにキャピタルゲインも期待できる市場が適切です。
つまりこれらを併せ持ったハイブリッド市場が新築賃貸案件には向いている、ということになります。
そこで今の時期にハイブリッド市場と呼べる5つの都市
Columbia, South Carolina(サウスカロライナ州コロンビア市)
Rockport, Indiana(インディアナ州ロックポート市)
San Antonio, Texas(テキサス州サンアントニオ市)
Huntsville, Alabama(アラバマ州ハンツビル市)
Lehigh Acres, Florida(フロリダ州リーハイ・エーカーズ市)
を挙げていますが、2つ目のインディアナ州ロックポートを見ていきましょう。
Rockport, Indiana(インディアナ州ロックポート市)
インディアナ州ロックポート市の名前を知る日本人はほとんどいないのではないでしょうか。
穴場中の穴場ともいえるロックポートトは約2,000人が住む風情ある街です。
このあたりの古き良きアメリカを思わせる風情はニューヨークやロサンゼルスのような騒がしい街とはほぼ隔絶されているといっても過言ではなく、しかもこの少ない人口故に時はゆっくりと流れています。
その立地はケンタッキー州との州境にあり、同州の大都市エヴァンズビルとケンタッキールイビルの間に位置するこの場所は非常に手ごろな価格で物件を購入することが出来ます。
事実、エヴァンズビルで働く多くの人々がロックポートのような小さな都市に住むことを選択しており、当地ではジリジリトしたキャッシュフロー市場にありがちがパターンで人口が増えています。
そして驚くのが物件価格の推移です。

2023年4月のロックポートの家の価格は約$319,000で、これは2018年4月の中央の家の価値と比べて167%の増加を示しています。
この物件価値は全米平均を大幅に下回っており、需要と供給のバランスが同一であればここから更に伸びる余地があることになります。
そこで供給を見てみると、現在同市の市場に出ている物件は30軒ちょっと。
まだまだ安い同地での物件購入希望者は多く、供給が需給を上回り続ける限り同地の物件は価値安定して上昇し得ることになります。
結果として、同市はにわかキャッシュフロー市場からハイブリッド市場へと変化しているのです。
そしてロックポートでの家の建築コストは本年第二四半期の段階で1平方フィートあたり$83となっており、全米平均で考えてもこれはかなりの安価になります。
ということはかなり安く賃貸用物件を建築し、物件を建設して高いリターンで賃貸物件として出せる可能性が高いということになります。
そして同地域の失業率は約2.6%と極めて低く、ロックポートに移住する人々は概ね仕事を見つけるのに苦労することなく、結果として住居への需要が安定していることになります。
留意するべき点としては、ロックポート市のような根本的に人口が少ない地域ではキャピタルゲイン市場の性格を帯びるにもやや限界があります。
近年に167%もの上昇を見せたのは資産バブルの影響が大きい点は否めず、その勢いは衰えてくる可能性は高いと言えます。
それでも同地の新築物件としては売れ易い需要と結構な価格が狙えることは間違いなく、新築の賃貸物件建築には適した市場と言えるのです。
明日に続けます。
投資案件をメールマガジンで無料購読。
下記よりメールアドレスをご登録ください。