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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日まではアメリカ不動産の商業物件市場においてキャップレートが上昇する要因について見ていきました。
軽くおさらいをすると
- 金利の変動
- 市場の供給と需要
- リスクの変動
- 物件の築年
- 経済の成長予測
- 外部の要因
と、実に様々な要因が複合的に入り混じってキャップレートは変動することになります。
例えるならば、それぞれの要因は音楽のミキサー上の「フェーダー」のようなもの。
各フェーダーはボリュームが異なり、メモリでみると
⇒ ゼロに近い時
⇒ 4~6の中間にある時
⇒ 10に近い時
等、それぞれが違う音量になります。
すなわちその時の市場でどの要因のボリュームが大きいのかは正確に測れないものの、その総和が「キャップレート」という数値で出てくるのです。
そしてアメリカ商業不動産におけるキャップレート(capitalization rate)は、資産の収益性を評価する重要な指標の一つです。
キャップレートは物件の年間操業収益を購入価格で割ったものであり、高いキャップレートは高いリターンを示します。
そこで昨日までにみたキャップレートが上昇する要因を踏まえると、たった今のアメリカ商業不動産市場においてキャップレートが上昇するフレーズにあるという事実にはどのような要因が考えられるのでしょうか。
今日は、現在のアメリカ商業物件のキャップレートを押し上げる要因について考察してみましょう。
現状のキャップレート上昇し続ける現象は、下記のような要因が考えられます。
1.物件価格の下落
結局のところ、キャップレートそのものは投資判断を行う際の指標以上でも以下でもありません。
言い換えるとその数値は結果論であり数値そのものが原因になることはあり得ず、
Cap Rate(キャップレート) = NOI(純収入) / Price(商業物件価格)
この公式のとおりで、その変化は
分子 … NOIが変化した
分母 … 売買される価格が変化した
という2つの変数でしか起こらないことになります。
そしてキャップレートが変化した最も分かりやすいパターンは売買される価格の変化です。
すなわち分母が小さくなることで、割られる分子の結果は高めのキャップレートとなります。
断続的にキャップレートが上昇していくということは、価格が下がり続けていることを示唆しています。
言い換えると、現在の商業不動産市場が冷え込んでいるか、投資家たちがリスクを感じていることの現れである可能性が高いわけです。
2.リスクの増大
そして先に続けると、キャプレートが下がる今というのは時期は「リスクが増加している時期」とも言えます。
けれども
「この物件は痛みが酷い」
といった物件瑕疵の話ではない限り、いわゆる外部要因によるリスク増大という意味では投資家にとっては決して悪い話ではありません。
事実、このような時期には多くの投資家たちは高いリターンを求める代わりに高いリスクを受け入れる傾向があります。
すなわちキャップレートの上昇は
「市場が高いリスクを伴う投資を受け入れている」
とも解釈されるわけです。
3.金利の影響
そしてこのことはまさに今の時期に関わることですが、モーゲージ金利が上昇すると新しい投資のコストが上昇するために不動産投資の魅力が低下することになります。
けれども
コスト = 経費計上できる
という観点で多少のキャッシュフローの低下は吸収できるという投資家の場合、それよりも価格が下がり気味になる今の時期にこそ不動産を買いますことの方が利益が大きいことを知っています。
年間利息累計の経費計上
減価償却の経費計上
各種増加コストの経費計上
こういった要素が節税という形で手元に残るキャッシュを増やしてくれる為、長期的に見れば全く問題ないとみる投資家も多いわけです。
かくしてキャップレートの上昇は金利の上昇と相関することがあるため、金利環境の変化とも関連して考える必要があることになります。
そして今という時期は正しく、上昇し続ける金利の為にキャップレートが上昇していく局面とも言えます。
4.賃料の変動
そして
Cap Rate(キャップレート) = NOI(純収入) / Price(商業物件価格)
この公式の分子を見て分かるとおり、キャップレートの上昇は年間操業収益の増加を意味することもあります。
物件価値はさほど変化がない一方で、分子の純収入が上がるためにキャップレートが上昇するパターンです。
ただしこの場合は成立する条件は物件の購入価格は安定しているが、それほど大きく変動していない場合です。
同時にこのようなパターンは地域産業の成長や人口増加に伴う賃料の上昇など、プラスの要因に起因する場合があります。
そこで今の商業不動産市場を見る時、とりわけ近年はここまでに家賃が上昇してきたのは事実です。
地域市場により違いはあるものの、急激なインフレに伴う
- 修繕コスト増加
- 人件費増加
等の支出増にも関わらず、それを抑えて家賃増加がNOI(純収入)の増加に貢献するパターンがあるのです。
。。。
かくして、キャップレートの動向はアメリカの商業不動産市場の健全性、また投資家の期待値を理解する上で非常に有益な指標となります。
けれどもキャップレートが上昇しているからといって市場全体が冷え込んでいると判断するのは早計であり、背景にある多様な要因を詳細に分析することが大切なわけです。
ここまでに見た結論として、今の局面では
Cap Rate(キャップレート) = NOI(純収入) / Price(商業物件価格)
この公式の分子と分母の双方が
分子 ⇒ 上がる
分母 ⇒ 下がる
の引力で
このように最近のキャップレートをグイグイ上げてきつつあることになります。
目先では今の勢いは本年末まで続いて来年からはその上昇率が鈍ることが予想されていますが、いずれにせよたった今のアメリカ商業不動産は気鋭の投資家たちにとっては攻めやすい時期にあることは間違いありません。
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