誰もがエンジェル投資家になれる話

こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。

「生まれた時の環境が一生を決める」

「裕福な家庭に生まれない限り、幸せな人生にはなれない」

そんな風に信じる人々が一定数います。

一面、誠にしやかに聞こえる論ですが、この認識には事実と錯覚が混同しているのではないでしょうか。

事実としては

「環境が自分の人生を決める」

これは私(佐藤)もそう思います。

ところが生まれた時の環境が絶対条件かといえば、そんなことは決してありません。

私(佐藤)のクライアントさんを見ても

貧乏出身の弁護士さん

平凡な家庭に生まれた社長さん

は多くいます。

多くいるというより、割合的には人生ロ発進（或いはマイナス発進）の方々の方が圧倒的に多いものです。

私(佐藤)がアメリカに留学してきた当初を思い返しても

家がかなり裕福

父親が経営者

王族出身（笑）

という人々もいましたが、けれどもそれ以上に

「自分でお金を貯めてアメリカに来た」

「バイトで稼いで、親から借金をしてきた」

という学生の方が圧倒的に多かったですし、何よりも彼らはハングリー精神が違いました。

断ずるつもりはないものの、

お金に苦労しない留学生

身銭の留学生

そのどちらが知識に飢えていたかは推して知るべしです。

あの時のほとんどのクラスメートたちのその後を知る由もありませんが、20代に人生に向き合う姿勢が指すベクトルはかなり明るい先を明示するものだったのは間違いありません。

エンジェル投資家に出会う

そんな過去の経験から

「生まれた時の環境が一生を決める」

という言葉は全く腑に落ちないのですが、それでも別の見方で、ゼロ発進から30代、40代に華を咲かせた人々には共通項があるように思います。

その共通項とは

「自分の人生を応援してくれるエンジェル投資家（Angel Investor）を見つけている」

ことです。

エンジェル投資家（Angel Investor）は通常、スタートアップ企業や小規模企業に早期段階で投資を行う個人投資家のことを指します。

そしてここでいう

• 人生の早い段階から自分の人生を応援してくれるエンジェル投資家
• ほぼ例外なくゼロ発進の彼らが見つけたエンジェル投資家

とは他の誰でもなく、自分自身です。

自分の内にあるエンジェル投資家が出資してくれるのはお金ではなく時間と行動力。

そして出資を受ける彼ら/彼女らがその資源を使って実行していることは、これもまたほぼ例外なく

「環境を変えること」

です。

「生まれた時の環境が一生を決める」

ことは否定しないものの、

「若い時に自分で選ぶ環境が一生を決める」

という方がしっくりきます。

「お金がある方が有利なのでは？」

とは一面事実ですが、下手に金銭的な優位性を受けてしまうと、それ以上に大切なハングリー精神を掴めない可能性が高いものです。

例えば私(佐藤)自身、

「子供の頃からやり直せるとしたら、裕福な家庭でスタートしたいか？」

と問われたら、答えは絶対にNoです。

下手に子供の頃に裕福な中にいると、少なくとも自分の経験でいえば

• 人として大切な価値観に気づきにくい
• 人生の本質に気づきにくい

だろうことは明らかですし、お金があるよりも人としての生き方を教えてくれる両親がいてくれた方が、よほどありがたいと思います。

そして何より、ゼロ発進のパターンでは内なるエンジェル投資家の力は絶大です。

自分の中にあるエンジェル投資家を目覚めさせるきっかけは人それぞれに違いありませんが、

「ここに時間を使おうよ」

「この環境に飛び込もうよ」

そんな風に誘い続ける内の声に従って行動を起こし続ける先に、人生が変化変容していくと思うのです。

量が質に変化する

そして現実世界ではエンジェル投資家が他者に投資を実行する時、百発百中でリターンを得られるということはまずありません。

より現実的な例えで「千三つ」と呼ばれますが、

「千の事業の中で成功に至るのは三つ」

という、0.3%の確立にチップを置き続けるのがエンジェル投資家たちです。

「この事業はいけるはず」

「この人物はいけるはず」

そんな風にその時々の見立てを最大化して期待するものの、その全てが成功するということはまずあり得ません。

けれども言い換えると、あらゆる案件に投資続けるからこそ、成功事例で大きくリターンを得られる可能性があるのです。

これと全く同じように、自分の内なるエンジェル投資家がいざなうべきは時間と行動の総量です。

比較した時に

⇒ 同じ会社で決まった仕事をそつなくこなす

⇒ 同じ会社でも積極的に千の取り組みをする

或いは一つのモノを売るでも

⇒ 数件断れるとため息をつく

⇒ 何軒断られても成約に近づいていると動き続ける（千三つの確率）

では、少し先を見た時にどちらが繁栄するかは言うまでもありません。

そしてより現実的な話をすれば、個人のキャリア形成に限っていえば、確率は千三つよりも遥かに高いものです。

それは量が質に転換するからで、人は行動すればするほど学んでいく生き物である以上、その大量行動は確実に質の向上につながってきます。

大局観でいえば、誰もが自分へのエンジェル投資家になれるものであり、そのエンジェル投資家が期待してよいリターンは他者の事業への投資よりも遥かに跳ねる確率は高いものではないでしょうか。