こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
今の住宅市場で賢くモーゲージ購入できる方法についてお伝えしています。
率直に、今のアメリカ不動産市場を見て
「現在の経済状況が良くない」
「今はまだ動くべきではない」
「状況が改善するまで待とう」
そんな風に考える人々の方が大半なのは周知の事実です。
けれども成功と呼べる動きは多くの場合、「大衆とは逆張りに動く」中に見出されることが多いのも事実です。
先日は
「今のアメリカ株価はかなり割高で、バブル状態にある」
「SP500一本に絞っている投資家は気を付けた方がいい」
そんな風に断ずる専門家の言をご紹介しましたが、確かに株価の動きを見る限り
「アメリカ株は大丈夫」
と見ている人々が大半で、
「風船がパンパンなので利確しました」
そんな風に退散している人々はごくわずかです。
勝利は大衆の動きとは反対に現れる場合が多いのは事実で、だからこそアメリカ不動産にしても2008年の暴落の時期にこそ、真の投資家たちは最も資産を増やせたことになります。
要するに
「どんな状況にあろうとも、道を見つける」
という気概が私たち一人ひとりに求められるのでしょうし、だからこそ今のモーゲージ金利の状況も意に介せず、逆にこの状況を上手に利用するクリエイティブファイナンシングが自分を勝利と導くわけです。
モーゲージ金利の組み方の工夫について、本日も続けます。
住宅ローンポイントを購入する
貸し手から住宅ローンポイントを購入すると、ローンを受ける際に初めにも借り手にはコストがかかります。
けれどもポイントの購入は長期的に住宅ローンの支払いを減らす可能性があり、自宅のような長期保有の前提であれば、後半は毎月かなりの節約につながり得るのです。
通常、ポイントは0.25%の増分で販売されます。
そして一般的にポイントの価格は住宅ローン全額の約1%です。
この標準に従うと、住宅ローン金利を0.25%下げるためには、$450,000のローンで$4,500を支払うことになります。
そこでポイントを購入する前に
「自分はどれくらいこの物件を保有するのだろうか?」
を考えてみましょう。
数年で売却する予定であれば意味はありませんが、長期保有であれば、モーゲージ支払いの後半は随分楽になるはずです。
新築を探す
新築を購入する場合は一つのコツがあります。
それは
「表示価格を超えた価格で購入を検討すること」
です。
購入価格が既存の市場で同じくらいのサイズの家よりも高かったとしても、実は購入者の月々の住宅ローンの支払いは中古物件を購入した時よりも低くなる可能性があるのです。
多くのデベロッパーは住宅ローン金利を長期的に、または一時的な3-2-1または2-1のバイダウンを通じて下げています。
全米規模で展開する大手デベロッパーの場合、買い手にこれらの住宅ローンの節約を提供するべく、自社にモーゲージ部門を設けているのです。
また比較的小規模のデベロッパーであったとしても、買い手を引き付けるために同様のインセンティブを提供する場合があります。
そして実際のところ、新築は多くの購入希望者が考えているほど高くありません。
今日の多くの大手デベロッパーは昨今の市場の状況を踏まえ、より小さく、より手頃な価格の家を建築する努力をしているものです。
このデベロッパー努力が新築と中古の価格差を縮めることに一役買っています。
統計によると2023年7月は典型的な新築家の中央価格が$436,700で、中古物件が$406,700でした。
データ元である政府および全米不動産業協会のデータによると、その差額はわずか$30,000だったわけです。
頭金支援プログラムを探す
ここは案外知られていませんが、各州・各郡には独自の頭金支援プログラムがあるものです。
頭金支援プログラムとは文字通り、
「州政府(ということは財源は税金)が頭金の全額もしくは一部を払ってくれる」
という制度です。
全国で資格を満たすすべての物件初買いの個人を対象に提供される頭金支援プログラムは、本日の時点で2,000以上存在しています。
また物件初買いである必要はなく、二度目以降だったとしても対象となるプログラムはありますので、自分が暮らす地域の州政府が提供するプログラムを確認することをお薦めします。
これらのプログラムは
- 買い手がどれだけの年収があるか
- どのような職業に就いているか
- 軍隊での勤務経験
- 人種的背景
- 障害
- 家を探している場所
等の条件と資格に基づいて支援を実施することになっています。
誰もが求めない家に目をつける
ほとんどの人々は
- 見た目がよく
- 即入居可能で
- きれいに造園された庭
が欲しいと考えています。
けれども魅力的な価格の状態が悪い家や、市場に長い間出ている家の可能性を見逃す手はありません。
長い間市場に出ている、または取引が中止になると、一部の買い手の心の中でその家は
「こりゃだめだ」
と烙印を押されることがあります。
けれども多くの場合はそれが売主のせいでもなく、物件に何か問題があるわけでもないのです。
⇒ 契約時に買い手が融資を確保できなかった
⇒ 売却・購入計画が変更された
だけという可能性も高く、ちょっとしたペンキ一塗りと少々のコスメティック作業できれいになるかもしれないのです。
そこで安い購入価格で節約したお金で、これらの物件を特別な家に変えることも考えられます。
ただしこのパターンではオファーを出す前に物件調査の専門家を雇い、かつ改修業者と話をして必要な作業の規模とそれがいくらかかるかを理解するようにしましょう。
売主と交渉する
今日の競争力のある市場でも、買い手は売主と交渉を試みることはもちろんできます。
単純な話、何もしなければ何も得られないものです。
もちろん大人気のエリアで魅力的な価格と外観を持つ家に対しては、売主との交渉がうまくいく可能性は低いと思います。
けれども
- 市場に長い間出ていた家
- 修理が必要な家
- あまり望ましくない場所にある家
のオーナーは多くの場合、取引に応じる意思はあるものです。
昨今のバイヤーの交渉内容としては
- 売主にクロージング費用を一部支払ってもらう
- 高額な修理の面倒をみてもらう
- セラーファイナンスの最初の2、3年間一時的に下げる
等の手が考えられ、状況的に不利な売主の場合はこの交渉にのってくれる場合も大いに考えられるのです。
。。。
今の住宅市場で賢くモーゲージ購入できる方法についてお伝えしてきましたが、前提としてはあくまでも
「市場がどんな状況にあるかは関係ない」
「自分がどのように逆張りに動くか」
です。
資産形成に関しても相応の行動量をもって、粛々と事を進めていきましょう。