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こんにちは。アメリカで不動産エージェント兼コンサルタントとして働く佐藤です。
昨日まではDeed(ディード)に関する
譲渡形態
所有形態
の双方についてお伝えしてきました。
かくしてアメリカでは不動産所有権の譲渡にはDeed(ディード)が使用されていますが、このように譲渡方法が確立されている上でも
「受け継いだ不動産権には瑕疵がないのか?」
という一抹の不安は残ります。
例えば過去に私(佐藤)が携わった案件の中で、
「不動産物件を購入したところ、抵当がかかったままの物件だった」
「購入時にはそのことが分からなかった」
ということが何度がありました。
買い手は真っ当な想いで購入するのは当然ながら、売主がその事実を隠していたりするのです。
通常はこの手の抵当は購入契約時にエスクロー会社が売主の権利を調べ、瑕疵があればクロージングまでに売主に瑕疵を修正するように求めることになります(さもなくばクロージングできない)。
ところがクロージングまでに権利に付随する瑕疵が最後まで発見されず、クロージング後にあっと驚くような場合も起こり得るわけです。
そんな時に役立つのが
Title Insurance(タイトル・インシュアランス)
です。
Title Insurance(タイトル・インシュアランス)とは読んで字の如く不動産権に対する保険であり、これに付随する日本語で言う保険契約のことを英語で
Title Policy(タイトル・ポリシー)
と言います。
Title Policy(タイトル・ポリシー)は保険会社と加入者の間で結ばれる契約で、加入者が保険料を支払うことにより、特定のリスクや損失が発生した場合に保険会社が補償を提供するという内容が記載されています。
この「Title Policy(タイトル・ポリシー)」には保険の種類、保険料の額、補償内容、契約期間などの詳細が含まれていることになります。
すなわちTitle Policy(タイトル・ポリシー)は保険の一種で、ポリシーの保有者(受取人)およびその相続人が法的に疑いの少ない、売却可能なタイトル(権利)を受け取ったことを保証してくれるわけです。
このあたりはやや小難しい話になりますが、アメリカで不動産物件を所有する上では欠かせない知識になりますので、大まかにでも網羅していきましょう。
Title Insurance(タイトル・インシュアランス)関係を理解するにあたり、まずは耳にする頻度の高い用語から見ていきます。
Chain of Title (権利の連鎖)
Chain of Title (権利の連鎖)とは、ある土地や不動産の所有権が過去にどのように移転され、どのような権利制限が存在するかの記す一連の記録です。
覚え方としては字のまんま、権利がチェーンのように連なっていることを想像するとよいのではないでしょうか。
文字通りチェーンを過去に向かって辿り、いつ・どこの・誰が所有していたのか、或いはどのような権利があったのかが全て分かる前提となっています。
この手の調査は通常、タイトル会社により物件売買の期間に行われることになります。
ちなみにChain of Title (権利の連鎖)には記載されていない、けれども役所には記録されている文書も連鎖の一部として、効力を持つことがあります。
Cloud on Title (権利上の疑義)
Cloud on Title (権利上の疑義)とは、タイトル(権利)に影響を及ぼしてその譲渡をを妨げる可能性のある項目のことを言います。
例えば結婚前に女性が家を購入し、結婚後にその家を売却する際に結婚後の名前で権利譲渡の書類に署名したとしましょう。
物件売買時には何の問題もないかもしれませんが、後の新しいオーナー(購入者)が物件を売却する時になって、タイトル会社の調査により
「この物件は、あなた(この時は売主になっているオーナー)の一つ前の所有者は存在していない女性ではないですか」
「この物件に関する、前回の取引時の譲渡そのものに疑問が生じる」
と、タイトル(権利)にCloud(クラウド、雲)がかかったようにモヤモヤしてしまうのです。
このような権利上の疑義を生じる可能性がある状態をCloud on Title (権利上の疑義)と言います。
Color of Title (見かけ上の権利)
Color of Title (見かけ上の権利)とは、正当な権利であるかのように見えるけれども、実際にはそうではないものを指します。
この場合のColor(カラー)は何かに本来のものではない色がついた状態、すなわち見せかけのニセモノが付随している状態です。
形式上は権利の移転が行われているように見えるものの、何らかの理由で実際には有効ではない場合です。
例えばAが土地を購入した際に、売主Bから売買契約書を受け取ったとします。
この契約書にはBが土地の所有者であると明記されており、Aもその土地を所有していると信じて使用し続けました。
けれども実際にはBの前にその土地を所有していたCが完全に権利を移転する手続きをしていなかったため、Bは正式な権利を持っていないことが分かりました。
そのため、Aが持っている契約書は「見かけ上の権利」を示すものとなり、Aの土地の所有権は法的には保証されていない状態となるのです。
Abstract of Title (権利要約)
Abstract of Title (権利要約)とは、権利の連鎖に関する書面による要約のことです。
Abstract (アブストラクト)
を日本語のド直訳でいえば「抽出」であり、より日本語らしく言えば「要約」です。
すなわちAbstract of Title (権利要約)とは、先のChain of Title (権利の連鎖)から引っ張ってきた情報の要約版ということになります。
ここには特定の土地や不動産の所有履歴、それに関連する重要な事項がまとめられており、タイトルの調査や不動産取引の際に参照されることになります。
Title Plant (タイトルプラント)
Title Plant (タイトルプラント)とはタイトル保険会社が保持する、記録された文書の記録のことです。
ここには土地や不動産に関連するさまざまな文書(契約、抵当、遺言など)が系統立てて整理されており、その保存されている場所やデータベースのことをTitle Plant (タイトルプラント)と言います。
Plant (プラント)の直訳は「植物」であり、タイトルを植物に見立てて、あたかもビニールハウスの中に生い茂る植物のように、データベースの中にタイトルに関する情報が生い茂っている様子を想像すると覚えやすいと思います。
タイトル会社は自社でアクセスできるこのTitle Plant (タイトルプラント)を活用することで、わざわざ役所に足を運ぶことなくタイトル調査を迅速かつ正確に行うことが出来るわけです。
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